母の陰謀 3

もともと 家の名義は母になっていたので割と簡単にコトが運んだようでした

たまに家で母とコソコソ話をしていたのはどうやら不動産やだったみたいだ


土地は借地だったので家は二束三文

立退料だけしか出なかったらしいのですが

母の頑張りで600万までつり上げ手を打ったそうです


それも家財道具・服などはすべて置いて来てしまいほんとに

身ひとつで

出て来てしまいました


今まで苦しめられてきた母の

ささやかな抵抗?


敵を欺くにはまず味方から…

母は強し


そして

怒った女は怖い


私はこれで父が帰って来た時の

驚いた顔と家族に見捨てられた情けない顔が目に浮かび


「ざまぁみろ」


と ほくそ笑む一方…

もし…このアパートが見つかったら…

イヤ…父が本気になれば若い衆を総動員させ

この場所をつき止めるのなんて時間の問題だろう…


その時の父の仕返しが恐ろしく

父の怒り心頭に触れ

殺されてしまうのでは…

と 嫌な思いもよぎり


心配した次男が泊まっていましたけれども

暫くの間は不安で不安で外にも出れない状態でした

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