波乱のど真ん中 3

このままでは 他人様を傷つけてしまうか

凍死をしてしまう……

とにかく捜さなければ……


と ただ闇雲に捜している家主と違い

流石は刑事さん

わずかに道に点々と残る血の跡をたよりに

いとも簡単に叔父を見つけ出しました


叔父は 私が通っていた(つい2ヶ月前です)小学校のプールの裏にうずくまっていたそうです


叔父は命はとりとめました


しかし 舌が半分ないので話をするのが不便になり ロレツが回らない話し方しか出来なくなってしまいました


これがほんとの舌ったらず?…

なんちゃって

エヘヘ…


この後 叔父は実家に帰り 懲りもせずに酒を呑み続け

40代後半で肝臓癌にかかり

呆気なくこの世を去りました


この事件で私が思った事は


よく時代劇で舌を噛んで自害をするけど

ほんとは舌を噛んだ位じゃ死ねないンだ……


って事がわかった事と


丸いコンニャクが食べられなくなってしまった事かな?

まあ…丸いコンニャク自体食べる機会も少ないので別に困りはしないですけどね!



叔父の事件から半年位過ぎた頃

組長が母あてに反物を買って届けてやれと若い衆に頼みました


いくらお金を渡したのかわかりませんが

若い衆は 反物なんて値段はわからないだろうと安めの物を選び母に持って来ました


浮いたお金はポッケに入れてしまったのでしょう

その戴いた反物を着物に仕立て 組長が来た時に母がお見せしてお礼をいいました


その時組長の顔がくもり……そして


「あぁ……」


と 一言返事をしただけで帰ってしまいました


母は自分のお礼の仕方が悪くて

気分を害されて帰ってしまったのかとずっと気にしていましたが


反物というのは見る人が見れば安物かどうか一目でわかるらしく

組長はそんな安物を贈ってしまった自分が恥ずかしくその場に居られなかったと後日聞かされました


それと同時に その反物を買って来た若い衆の姿を一度も見掛けなくなってました

破門されたのでしょうか?



それとも……!!!



いや……下衆の勘繰りはやめましょう


きっと破門されたのでしょう……



多分……


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