悪の棲む新居 5
後でわかったのですが
どうやらその男は父の組とは違う組のチンピラで
我が家のノミやで大穴をあてて
父が……違うシマの奴には払えねぇ
自分のシマのノミやに頼むべき!筋が違う!
と 支払いを拒否。
それに腹を立てて殴り込みに来たようです
後日父が相手の組に若い衆を傷付けられた落し前を取りに行った所
既に破門された男だと言う事と
理由はどうであれ父にも当たった金を支払わないと言う汚ないマネをしたという事で
お互い様!!
晴れて手打ちとなりました
その事件がきっかけで我が家でのノミやも終了しました
ホッ……
おかげで我が家には 若い衆だけが出入りする程度でやっと静けさを取り戻しました
が……それと同時期に我が家の中で覚醒剤の入った小袋が目にとまる様になりました
タンスの上や父の煙草のピース缶の中などに入ってました
ある日父が私の目の前で おちょこの裏に粉を入れぬるま湯で溶かし注射針でかき混ぜて自分の腕に打っていました
そこに 母が来て 子供の前でやめて欲しいと涙ながらの訴え
さすがの父も教育上良くないと思ったのか……どうかわからないが
それ以来 父が私達の目の前で覚醒剤を打つ姿は見なくなりました
あんな父にも罪悪感と言うものがあったのでしょうか?
そして父の機嫌の良い時は
私は「ちび」と 呼ばれてました
更に機嫌が良いと私と一緒にお菓子を食べ
(父は大の甘党である)
「お父ちゃんと ちび は仲間だもんなぁ」
と 私を膝に抱き優しい言葉もかけてくれます
兄妹の中で私が一番可愛がられていましたしね
その時だけは父を怨む気持ちも薄れ
チョット 好きな父でもありました
あたしって 超単純……
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