エヴリシング・イズ・メイド・フロム・ア・ドリーム
全ては夢から作られる。あるシンガーがそう言っていた。
逆説的に言えば、夢がなければ全ては生まれない。その通りだ。
ここに、1人の男がいた。
彼は盲目であり、盲目になった。心理的にも、肉体的にも。
彼には恋人がいた。何に代えても守りたいと誓っていた、執心の彼女が。
彼には夢があった。何に代えても守りたいと誓っていた、念願の希望が。
彼は選択を迫られた。なんでもない、他愛も無い選択だった。
彼は夢を選んだ。
彼は恋を失った。
彼は嘆き悲しんだ。
彼は茫然自失となった。あるいはトラックが猪突猛進して来ても気付かない程に。
彼は気が付くと、視覚を失っていた。
彼の夢はパイロットだった。盲者に何千トンもの鉄の塊を操縦することは出来ない。
彼は夢を失った。
彼は今、全てを失ったのだ。
エヴリシング・イズ・メイド・フロム・ア・ドリーム。
夢とは、かくも美しく、かくも凄惨だ。
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