番外編27〔馬車に揺られて…〕
番外編27〔馬車に揺られて…〕
ラウクン王子の結婚式&即位式も無事に終わり、いよいよミウの出場する『剣技大会』が始まろうとしていた。
式が終ると同時に、大会開場である『闘技場』の良い席を取ろうと、一目散に向かう者と、見たこともない料理を庭で堪能する者、それぞれの行動を起こしていた。
僕達は、ラウクン国王の用意してくれた『選手専用馬車』に乗って、闘技場に向かった。
それぞれの選手には専用の馬車があり、着替えや荷物、道具を乗せているのだ。
他国から来た選手の中には、ラウクン王子の結婚式を見ずに、闘技場で早くから瞑想や準備運動をしてる選手も居た。
ユーリセンチ以外の国の者にとって、この『剣技大会』で名を売ることは、そのまま自国の名を全世界に轟かせる事になるからだ。
ゆえに、それぞれの国で予選を戦い、勝ち抜いて来た強者達が、この会場に集まっていた。
僕とミウを乗せた馬車から、見覚えのある『闘技場』が見えてきた。
僕が前に来たとき、ラクがオリアンに勝利した場所だ。
僕が懐かしく思って見てると、馬車はスピードを落とすことなく『闘技場』の横を通り過ぎて行った。
僕は「あれ?」っと思い、ミウを見てみると、ミウも僕と同じよう顔をし、首を傾げていた。
不思議に思い、僕は馬車を走らせている若い衛兵に声をかけた。
「あの~、闘技場を通り過ぎましたよ。」
するとその若い衛兵は、聞こえていないのか、馬車を走らせるのに集中してるのか、前を向いたまま、僕の問いかけに答えることはなかった。
僕は声が聞こえてないのかと思い、席から立ち上がると、身を乗り出して、衛兵の耳元で声を出した。
「あの~!」
すると衛兵は「ビクッ」っと体を揺らし、と同時に馬車も左右に大きく揺れた。
「キャッ!」
ミウも思わず声を漏らした。
「し、失礼致しました。タロウ様!クノン様!ど、どうかなされましたので御座いしょうか!?な、何かお気に障る事でも…!?」
その若い衛兵は、慌てふためきなら、馬車をその場で停めると、自分が何か間違いを犯したのではなかろうか、という素振りで僕に尋ねて来た。
僕は、その衛兵を落ち着かせようと、
「い、いや、そうじゃなくて、『闘技場』の前を通り過ぎたから、どうしたのかなって?」
すると衛兵は、少し「ホッ」としたような表情で、
「そ、そうでしたか…、実は『闘技場』がもう1つあるので御座います。
先程の闘技場は古くから在るもので、あまり多くの人が入れないと、ラウクン王子…いや、新国王が、もっと大きな『闘技場』をお作りになられたので御座います。それから…」
「ち、ちょっと待って!」
僕は衛兵が喋っているのをふいに止めた。
「えっと…エフィスタさんだっけ?」
「はい、そうでございます。」
「エフィスタさんて何歳なの?」
「はい、18歳になりました。」
「え!?18!?」
僕はてっきり同じ歳か、下だと思っていたのだ。
「エフィスタさん!僕より年上なんだから、敬語はやめて下さいよ。どちからというと、僕の方が敬語を使わなくちゃいけないのに…」
するとエフィスタは、ビックリしたように、
「と!とんでも御座いません!『伝説の英雄』タロウ様と、お連れのクノン様をこの馬車にお乗せ出来る事自体光栄なのに、お話出来るとか、敬語を使わなくてよい、だとか滅相も御座いません。それに…」
「それに…」
僕は、自分がここまで持ち上げられている事に、半分呆れながら、聞き返した。
「それに、セオシル様やラク隊長から、くれぐれも粗相の無いようにと言われてますから、何より新国王からは、「私の家族だと思って行動しろ!」と、きつく申し伺っていますので。」
「あ~、やっぱりあの人達か…」
実は、セオシルもラクもラウクン新国王の結婚式などで、僕とゆっくり話が出来ていなかったのだ。
セオシルは新国王の側近としてもっと忙しくなるだろうし、ラクは今や衛兵隊の隊長となり、若手の育成、警備や警護で忙しくしていたのだ。
そして、僕が乗っているこの馬車も、多くの候補者が居るなか、エフィスタがその幸運を引き当てたのだった。
「それじゃあさ、その3人には、僕からよ~く言っておくからさ。敬語は止めにしない?」
僕の提案に、エフィスタは戸惑いながらも、
「は…はい…」
と小さく頷いた。
エフィスタからしてみれば、隊長、隊長の上官、なにより自国の国王に「言っておく」の言葉だけで済まそうとした僕に対して、国王以上の地位に居るのではないかと思っていた。
そんな国王以上の人の提案に、「NO」と言えるハズもない。
「それでは、タロウ様、クノン様、出発致します。」
と、エフィスタが馬車を走らせようとした瞬間、
「んん!」
と、僕がわざとエフィスタに聞こえるように、咳払いをした。
するとエフィスタの手綱を持っている手が「ピタッ」っと止まり、「ハッ!」とした表情で、
「そ、それでは出発します。」
と、言い換えた。
するとミウが、
「もう、タロウったら…」
と、呆れたように、僕に言ってきた。
僕はエフィスタと、もっと話がしたかったので、積極的に話しかけた。
「エフィスタさんは、『聖戦』の事は知ってるんですか?」
するとエフィスタは、馬車を走らせながら、前を向いたまま、
「直接は知りません。まだ子供だったし、ユーリセンチには居ませんでしたから。」
「エフィスタさんは、この国の人じゃないんですね。」
「はい、ずっと西にある『タスマング王国』に住んでいました。」
僕はミウの顔を見たが、首を傾げて、「聞いたこと無い」という表情をした。
エフィスタは、馬車を走らせながら、話を続けた。
「実際の所、『聖戦』の事は、よく知らないんです。ただ、『タロウ』というとんでもない『悪魔的な化け物』がユーリセンチには居るとだけ…
その化け物は、『神』とも言われる『黒龍』を家来に従え、隣国を踏み潰し、逆らう国は容赦なく焼き滅ぼし、たった3日で『ユーリセンチ』を含む世界の半分を支配したって聞かされました。」
「はぁ~…」
僕はタメ息まじりに、
「誰だよ…そんな大きな尾ヒレをつけたのは…狭い世界だな…」
「それからは、何か悪さをすると「タロウが黒龍に乗って来るよ」とか、「タロウが見てるよ」とか、よく言われました。」
僕は呆れ顔でミウをみると、ミウは「フフフ」と笑い、
「本当はこんなに可愛らしい悪魔なのにね。」
さらにエフィスタは話を続けた。
「しかも、この悪魔は『ただの悪魔』じゃなかった。まったく無名の小国だった『ユーリセンチ』に莫大な富を与え、ほんの十数年で世界に名を轟かす大国に成長させた。
タロウが、この国で作られせたとされる『オサケ』や『ジャム』『マヨタロウ』は、私の国でも大評判ですよ!」
「あ~、10年経っても『マヨタロウ』のままなんだ…」
エフィスタは徐々に興奮しながら喋るようになっていった。
「さらに!さらに!あの『世界最強』といわれた『オリアン』が、年端もいかない若い衛兵に『剣技大会』で負けたと聞いた日には、耳を疑いました。
いくら子供で『ユーリセンチ』は知らなくても『オリアン』の名は世界中に通ってましたから。
その時、オリアンに勝ったのがラク隊長なんですけどね。
なんと、そのラク隊長の師匠が、あの『タロウ』だったんです。
『聖戦』の後、姿を消した『タロウ』が『剣技大会』の日に戻って来たかと思うと、『ラク隊長』に少し助言をしただけで、勝つことが出来たらしいんです。
その試合を見た者の話によると、「まさに一瞬の出来事だった。瞬きする暇もなく、ラク隊長の剣がオリアンの頭を捉えた」「オリアンが、「許してくれ」と泣き叫んだ」って言ってました。」
「…?いやいやいや…かなり苦戦したぞ、たしか…
「泣き叫んだ」って?『遠吠え』の事かな?
あとでオリアンにも謝っておこう…」
などと、頭の中で思っていると、
「その『剣技大会』からは『ユーリセンチの衛兵隊』の名を知らない人は居ないぐらいですよ。
実は私がこの国に来た理由も、『タロウ』に会って、教えを請う為だったんです。
教えてもらえなくても、どんな人なのか、会ってみたいじゃないですか!
でも…私がこの国に来た時には、もう『タロウ』は居ませんでした…
しかし、この国に来て思いました。この国には笑顔が溢れている、衛兵隊も私の国の軍隊とは違い、厳しいだけじゃなく信頼しあい、お互いがお互いを高め合っている。そう感じたんです。だから私も衛兵隊に入って、自分を高めたかったんです。」
エフィスタは、ひとしきり喋り倒すと、満足そうに一息ついた。
僕は、そんなエフィスタに、
「その『タロウ』って僕の話なんですよね?」
エフィスタは「ハッ!」と思い出したように、
「あ!そ、そうでした!す、すいません!タロウ様の前で知ったような口ぶりを…」
「タロウでいいですよ、さっきまで散々言ってたくせに。アハハハ…」
「す、すいません、興奮していたもので…」
「ただ、あの『剣技大会』は、オリアンが弱かった訳でも、ラクが強かった訳でもないんですよ。
たまたま『運』がラクに味方しただけなんですよ。」
「『運』ですか…」
「うん!」
と、ダジャレ混じりに返事はしたものの、エフィスタにもミウにも通じず、僕は話を最初に戻した。
「と、ところで、新しい『闘技場』の事なんだけどさ、何か他にも言おうとしてましたよね?
それから、ラウクン王子の言っていた『第1回、美しき女性達による剣技大会』って?
女性の剣技大会は何度も行われているって聞いたんだけど、なぜ『第1回』?」
するとエフィスタは、複雑そうな表情で、
「あ~、それはですね、新しい『闘技場』にも関係があるんです。
タロウ様……タロウは知らないかもしれないけど、この国は女性の方が強いんですよ。」
エフィスタは、僕に『様』をつけようとしたが、僕と目が合い、僕が首を横に振ると、すぐに訂正をした。
「あ~、やっぱり女性が強くなっちゃったままか…」
「それで、最初は『余興』的な感じで『女性の大会』を始めたんですけど、2回目、3回目になると、選手から苦情が出て来て…。」
「苦情?」
「闘技場が汚い、控え室も汚い、狭い、臭い、とかいろいろ…」
「確かにな~、控え室なんかクモの巣も張ってたもんな~、鏡なんかも無かったし。
まあ、誰が言い出したかも想像がつくけど…」
「セオシル様やオリアン様も「戦士の血と汗が詰まった闘技場は、臭くて汚くて当たり前だ!」と言ってはいましたが、やはりチェスハ様やエミナー様には勝てなくて…」
「やっぱりあの2人か…」
「それに回を追うごとに、観客の数も増えて行き、古い闘技場では対処出来なくなったんです。」
「なるほどね~、まあ、新しい『闘技場』の事は、わかったとして、なぜ『第1回』?」
「新闘技場が出来て、最初の「女性だけの大会」が行われたんですが、その時のタイトルが『第1回、男勝りの女性達による剣技大会』だったんです。」
「『男勝りの』って…まあ、そうなんだけど…」
「選手達からは大ブーイングでした…」
「そうでしょうね…この国の男性陣は『格闘バカ』で、ネーミングのセンスがないからなぁ…」
「次の年は『第1回、勇猛なる女性達…』、その次の年は『第1回、強靭な…』…とまあ、こんな感じで、毎回タイトルが替わっているんですよ。
それで、前回からはタイトルもチェスハ様達が決めるようになりました。
前回は『第1回、華麗なる女性達の剣技大会』でした。」
「なるほどね~、それでもしっくりこなくて、今回も『第1回』になったんだ。」
エフィスタは、僕と喋るのに慣れてきたのか、よく笑うようになっていた。
「そうなんですよ。来年も『第2回』があるかどうか…ハハハ。
実際の所、男達にとって『タイトル』はどうでもいいんですけどね。
ユーリセンチには美人が多くて羨ましいです。」
「うんうん、確かに美人が多い。」
と、僕も腕組みをしながら二度三度頷いた。
と、同時にミウを見ながら、さらに大きく頷いた。
そんな話をしてるうちに、街から少し離れた場所にある『新闘技場』が見えてきた。
「タロウさ…タ、タロウ。新闘技場が見えてきましたよ。」
馬車の先には、古い闘技場の2倍…いや3倍はあろうかという、大きな建物が見えてきた。
あと少しで到着するという時に、エフィスタはいきなり馬車を停め、僕に向かって頭を下げたかと思うと、真面目な顔で懇願してきた。
「タ、タロウ様!お願いが御座います。どうか私に技をお授け下さい!」
僕はエフィスタのいきなりの行動に戸惑いながら、
「え!?技?僕に技なんて無いんだけど…」
「しかし!セオシル様が言っておりました。「タロウのおかげでここまで強くなった。」と。」
「あ~、セオシルかぁ、あれはヒント的な事を教えただけなんだ。
あそこまで強くなったのはセオシル本人の努力だよ。」
その言葉を聞いたエフィスタは、少しガッカリした表情を見せると、
「そう…ですよね…努力もしないで強くなろうとするなんて、虫が良すぎますよね…
すいません、身勝手な事を言いました。忘れて下さい。」
僕は、エフィスタが少し可哀相になり、
「エフィスタさん!せっかく友達になったし、乗せてくれたお礼をさせて下さい。」
するとエフィスタはビックリしながら、
「お、お礼なんてとんでもない!仕事ですから、むしろこっちがお礼がしたいですから。」
「いやいやいや、ここまでの話も楽しかったし、是非!」
「いやいやいやいや、『伝説の勇者』にお礼を貰うなんて滅相もない!」
「ほほう、勇者の申し出を断ると?ラウクン新国王に言っちゃおうかなぁ?
さっきまで、僕に技を教えて貰おうとしたくせに~…」
「あ!い、いや…、」
エフィスタは赤くなり、ガッカリと肩を落とすと、
「ハァ~…タロウ様も、なかなかの悪党ですね…」
と、僕の顔をチラッと見た。
「そうですよ~!なにせ僕は『化け物みたいな悪魔』ですから。」
と、言ったとたん、隣にいたミウが「プッ!」っと吹き出し、
「ホントにタロウは、意地悪なんだから。」
と、笑いながら言った。
するとエフィスタは観念したように、
「それで、何を貰えるのでしょうか?」
話のやり取りに夢中で、その事を考えてなかった僕は、腕組みをしながら考えた。
「そ~だな~、技を教えるにしても、技なんてホントに無いからなあ。」
と、その時、あることを思い出した。
「そうだ!精神的な技『ハッタリ』を教えてあげる。」
すると隣にいたミウが、
「ハットリ?」
「いやいや、それは忍者ですから、アニメですから。」
と、ツッコミたくなる衝動を押え、
「この技はね、技か?(と自分でツッコミながら)相手の頭の中を混乱させ、こちらを有利な状態にさせる作戦なんですよ。」
するとエフィスタは、僕から技が教えて貰えるとあって、身を乗り出し聞いてきた。
「そ!その『ハットリ』とはどんな技ですか!?」
「『ハッタリ』ね『ハッタリ』。
う~ん、口で説明するとどうなるのかな?
例えば、僕を馬車に乗せたのがエフィスタさんじゃなくて、他の人だとするでしょ。誰か居ない?エフィスタさんの友達。」
「友達ですか?同じ国から来た『コンブロ』が居ます。たしか今日は『セオシル夫妻』を乗せているはずですが…」
「ちょうどいい、今日乗せているのが逆で、エフィスタさんが『セオシル』をコンブロさんが『僕達』を乗せていたとします。
エフィスタさんは、ここにくるまでの間、散々『僕』の話を聞かされて、のちにコンブロさんから、『タロウに『ハッタリ』を教えて貰った。』と聞かされました。
そして、2人で試合をすることになりました。
コンブロさんは、試合が始まったのにも関わらず、構えもせず、地面に木刀の先をつけたまま、ズルズルと引きずりながら、口元には笑みを浮かべ、自信満々に近付いて来ました。エフィスタさんならどうします?」
エフィスタは少し驚きながら、
「どうするも、こうするも、タロウに技を教えて貰った相手に勝てる訳がない!そんなデタラメな構えもせずに、近付くなんて余程の自信がないと…下手にこっちから動くと、何をされるか…」」
「ですよね~、それこそが『ハッタリ』なので御座います。
人は考える生き物です。言い換えれば『考えすぎる』生き物でもあるんですよ。『思い込み』ってあるじゃないですか。
事実じゃないのに、それが本当の事だと思い込んでしまう。
実際にコンブロさんに技を教えてもいないのに、エフィスタさんが勝手に『教わった』『コンブロさんが強くなった』って思い込んでしまった。
とまあ、こんな感じです。
たから、エフィスタさんがすることは、『タロウから凄い技を教えて貰った』って対戦する相手に言えばいいだけですよ。
嘘じゃないですよね?『ハッタリ』を教えて貰ったんだから。
構えなんて、どうでもいいんです。無防備で、笑いながら近付けば、相手が勝手にあれこれ考えて、考え過ぎて自滅しちゃいますから。
ただ、ハッタリには精神力を鍛えなくちゃいけないんです。
セオシルやオリアンと対峙しても笑える位の精神力がないとね。
あと、並みの衛兵なら通じてもオリアンには通じないかな。
それから何回もは使えないって事が弱点かも。
セオシル相手なら、1回ぐらいは勝てるかもしれませんよ。
まあ、仮に負けたとしても、『この技はタイミングが難しい』とか『まだ自分の物に出来ていない』とか、真顔で言えば、当分は通じますよ。」
エフィスタは「ポカ~ン」とした表情で話を聞いていたかと思うと、
「それでは私は、『タロウに技を教わった』と言えば良いだけで…?」
「はい、相手からはエフィスタさんが『悪魔』ならずとも『小悪魔』ぐらいには見えるんじゃないですか?ハハハ。
実際、こうして一緒に居た時間はあるんだし、ラクにアドレスしただけで、『オリアンに勝った』という実績もありますから。」
「は…はぁ…」
エフィスタは拍子抜けしたような返事をした。
「まあ、騙されたと思って、今度試合がある時に試してみて下さい。」
「はい…」
エフィスタは複雑な表情で返事をすると、新闘技場近くで馬車を停めた。
「タロウ!ありがとうございました。今日の話は一生忘れません。
クノン様も試合、頑張って下さい。」
と、言い残すと、ゆっくり馬車を走らせ、闘技場の裏に向かって行った。
僕はエフィスタの馬車に手を振りながら、
「エフィスタさ~ん!ありがとうございました~!『ハッタリ』頑張って下さ~い!」
と、大声で叫んだ。
すると近くに居た他の衛兵達が、
「お、おい、あれ『タロウ』様じゃないか?」
「お、おう。確かに『タロウ』様だ。
ということは、あれはエフィスタの馬車か?『タロウ』様が叫んでいた『ハッタリ』とはなんの事だ?」
「さあ、初めて聞く言葉だ。」
「も、もしかすると、『タロウ』様の技のひとつなのかも…」
「な!なんだと!?エフィスタが『タロウ』様の技を!?」
そんな衛兵達のやり取りが聞こえる中、僕とミウは、新しく出来た『新闘技場』に入って行った。
「さあ、次はミウの番だよ。チェスハを驚かしに行こう。」
そして僕達は、闘技場のに居た衛兵に案内され、控え室へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます