第3話
俺の友達、小塩 春樹は変態。外見は頭が悪い訳でもないし、運動も出来る。顔もそこそこだ。身長もそこそこある(クソ喰らえ)。だが、内面は違う。自分の愛する人にいつあってもいいように、身だしなみには何時も気を使ってるし、頭が良いのもあの人に近づくためには学力が必要だって思ってるからだ。目が悪くないのにメガネを付けているのは、あの人がインタビューで好きなタイプの人を聞かれた時に『メガネが似合ってる人』って答えていたからだ。しかも、メガネが似合うように髪型も変えている。ほら、変態だろ?
でも、ここまでやってるのに自分から声をかけたり、近づいて行かない。その理由は『迷惑を掛けては、末代までの恥!』らしい。
なぁ、やっぱり殴りたいよな?
前に小塩の女神こと、俺のねーちゃんに『お前のためにちょー努力してる奴がいるんだぜ(笑)』って言ってみた。
そしたら、『あぁー、小塩君でしょ。中学から成也と一緒にいる子。爽香は異性として好きだね。自分のためにあれだけやってくれると興味持っちゃうって。』ってねーちゃんはとんでもないことをぶちかまして来た。もー、びっくりして顎が外れそう!
『でも、小塩君は家にいる〝爽香〟じゃなくて、アイドル候補生の〝さやか〟が好きなんだろうな、きっと。』
ねーちゃんはマグカップの中の甘酒に顔を落としながら静かに言った。
こうなると、やっぱり小塩を殴りたい。ねーちゃんの思いを知ったけど、小塩には伝えてない!何故かって?これが精一杯のねーちゃんへの反抗であり、小塩への嫌がらせをしているから。昔は小塩と合わせようとか色々頑張ったんだが、二人ともニワトリだから、もう俺じゃあむりだってなった。出来る事全てやったんだから、自分達で何とかして。あと、俺だけ1人の気がして悲しくなってきた。誰か慰めて、グスン。
ということで俺は干渉し過ぎないようにしてる。もしも、二人が付き合ったら小塩を思いっきり殴るんだ、待たせ過ぎだよって。それまで、素手で殴るのは取っておく。本気だよ?マジだから。
そして今日も、
「うわぁ、いけめぇん~。朝から決まってるねー?」
って言ってる、小塩と信号前で合流して登校する。教科書で叩いてね。
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