第2話

佐藤 爽香 17歳。俺の双子の片割れ。高校には通わず アイドルの候補生として毎日を過ごしている。アイドルの候補生に選ばれただけの顔つきはしてる。正直兄弟の俺でも可愛いと思ってる。残念なことに、候補生と言っても毎日活動がある訳ではないので、特に平日は家から出ない生活をしている。実質ニーt

「ニートじゃなぁぁぁい!」

「おい、どうした?」

隣で勉強をしていた、小塩が叫んだ。今は小塩の家でテスト勉強をしていた所だ。こいつ、何故か勉強だけは出来るから仕方なく一緒にしてる。仕方ないのは、理由があってだけど、また後ででいいや。

「さやか様を何と考えていたんだ、まだ声に出してなかったら良かったが。次からは気をつけろよ。」

小塩は安堵したかのようにメガネの位置を直しながら、言った。

??ドユコト?『まだ声に』てことは思考を勝手に読まれたってこと?いやいや、そんな事は無いはず。取り敢えず落ち着こう。ほら、手元の単語帳を見て。すー、はー、深呼吸してから。

「小塩、なんで考えてることが分かった?」

「?なんでって、5年近く一緒にいれば考えてることくらい分かるだろ。」

「分からねぇぇぇよ!」

「冗談だよ。お前がさやか様に対しての悪口を考えてる時しかわかんねーよ。」

そう言うと小塩は数学の問題に目を向けた。いや、それもおかしいだろ。

「小塩、お前は俺のねーちゃんのことどう思ってるの?」

「女神」

知ってた、うん5年前から、知ってた。なんで知ってる事を聞いたんだろう?バカだなー、俺。

あと、こいつは好きを通り越して、ねーちゃんを崇拝してる。割とマジで。でもねーちゃんに直接何かするってことはない、だってチキンだもの。コケコー(笑)

こいつは崇拝してるけどそれを超えるくらい恋してる。こいつの恋は半分の佐藤で出来ている。純粋にそれだけで。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る