第2話とりあえずプリンが食べたい!!! そして心の闇
「よーし!、さっそくだけど、神様から授かったこの能力、試してみるわよ!!」
「·····え?」
ヤバいぞこれは。
非常にヤバい!
このままだと、どうせ姉ちゃんのことだ、世界を滅ぼしかねないレベルの悪の組織とかをイメージしてしまいそうだ。
そんなことになると、文字通り明日の明け方ぐらいには、この世界が塵になってしまう。
だが、そんなことは許されない。
何故かって?
明日は、火曜日で普通に学校もあるし、そこで俺の友達も待ってるんだ!
姉ちゃんと比べると少ない人数かもしれないが、そいつらは、紛れもなく俺の仲間だ。 だから、明日も平和に学校生活を送るんだ!
「姉ちゃんやめっ」
[ポン!」
俺の声は、間に合わなかった···
だが、その効果音とともに現れたのは、世界を半日で終わらせられる悪の組織ではなく、山積みになったプリンだった。
おぉ~、軽く百個はありそうだな···
じゃなくて!
「なんでプリンなんだよ!」
「だって私、プリン大好きなんだもん!」
あぁ~、そういえばこいつ、三度の飯よりプリンがいいほどのプリン大好き人間だった~。
「はぁ~、焦ったよ姉ちゃん、姉ちゃんのことだから、最強な悪の組織とかをイメージしちゃうのかと思ったよー。心配して損したー」
「あーね、それなら今からするわよ!」
「やめろォォォォォォォー」
「俺は、明日も、平凡な学校生活を送りたいんだよ!」
「平凡?それの何が楽しいの?、せっかくこんな素晴らしい能力を授かったのになにもしないだなんてそんなのは、ただのアホよ!」
「そんなことないだろ、姉ちゃんには、あんなに友達がいるのに学校生活が楽しくないはずないだろ?」
「え?、つまらないわよ?」
「なんでだよ!」
「だって、あの子達が私になんの刺激をくれるのよ!。あいつらは、影で私のことを笑ってるんだ!、私のことを中二病って言ってるんだ!、だから私が悪の組織と戦っていることを見せつければあいつらだって信じるんだ!!!!!!!!!!
本物じゃなくても、たとえイメージでできた偽物でも、あいつらに悪の組織がちゃんと存在してるって証明してやるんだ!!!!!!!!!!!!!!!!」
やばい、泣きそうだ。
いつもひょうひょうとして笑っていたのに、こんなに深い心の闇があったなんて思いもしなかった。
····だが、それでもやらせることは出来ない!
姉ちゃんが、楽しめて尚且つ明日ちゃんと学校に行ける方法がないものか。
もちろん世界を終わらすこともできない。
なにか、なにか·····
「よし、姉ちゃん、旅にでよう。」
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