拝読し終えたとき、舌が融けるように熱かった。もう降車駅についているというのに、電車の中で少しの間動けなかった。彼らの劣情を知っているとは言い難いけれど、この痺れるような熱さは、きっと私がこの物語に美しさを感じた証拠なのだと思う。最後の一文へ向かっての文章の構成が好きだなと思いました。
マイペースに更新していきます。 暗い小話が多くなると思います。
夏の終わり。汗ばむ素肌の匂い、田舎の空気、朽ち果てた家に奇病の姉。蝶にも蛹にもなれなかった彼女とその弟は、人間だとすら思われていなかった。そして芋虫にもなれなかった。
狂気に彩られた物語。その狂気とは、それに囚われた者に言うべきなのか、それに追い込んだ者に言うべきなのか。家長制の旧時代の日本では、家の名聞の為、気狂いとされた者達を、座敷牢等に押し込んだと言う。…続きを読む
江戸川乱歩と夢野久作と谷崎潤一郎を足して黄色さんで掛けたようなちょっと(だいぶ?)ダークな黄色さんワールド☆*。恐らく賛否両論ありましょうが私は好きです。グロテスクともエロスティックとも異なる耽…続きを読む
なんと美しい物語だろう、というのが読了後に初めて抱いた感想だ。恐ろしく純粋で何よりも淡々とした、少年の青い狂気が静かな森の香りと共に漂うような──そんな、美しい物語。恋というにはあまりに重く、愛…続きを読む
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