第8話 クラスメイトと酒吞童子
酒匂鈴(さかわりん)は僕のクラスメイトだ。
クラスでは何の本を読んでいるのかわからないが、常に読書をしている。
大人しめな子だ。そして、今回はそのクラスメイトの話をしよう。
私、酒匂鈴は夏休み中にとある妖怪に襲われました。
その日は8月1日のお昼時でした。その時私は、ライトノベルを買いにアニメショップに行ってる最中でした。
私が歩いていると、何かいい匂いがしました。その匂いを追って行くと、そこには小学生か中学生かわからない女の子が倒れていました。そして、いい匂いはその女の子から発していました。私が近づきさらにその匂いを嗅ぐと、急に意識が遠くなりました。その時、気付きました。その女の子は懐にひょうたんの形をした酒器を持っていたことに。
私が目を覚ますと、目の前には心配そうに私の顔を覗き込む女の子がいました。
どうやら、私が倒れた後この女の子が私を介抱してくれたみたいです。
とりあえず、私は今の状況について聞きました。
「あ、ありがとうございます。いきなりですいませんが、あなたは誰なんですか?」
私がそう聞くと、女の子は笑顔でこう言いました。
「儂は鬼じゃ。名は『酒吞童子(しゅてんどうじ)』と言う」
その瞬間、私の脳はオーバーヒートした。
「お、鬼ってあの鬼ですか?」
「そうじゃが、それが?」
「い、いえ。なんでもないです」
「そう言えばお前さん大丈夫か?儂の酒を直に嗅いだそうじゃが。」
私は一通り身体を見るが外傷はない。
「はい。大丈夫です。あなたはなんでこんなところで倒れていたんですか?」
「飲み過ぎじゃ?」
「え?」
「だ・か・ら!飲み過ぎたといったのじゃ!これ、結構恥ずかしいことなのじゃぞ」
「すいません」
「すいませんって、なんで昔から日本人はすぐ謝るのかな?何にも変わってない。儂を討とうとした、源頼光もボロボロにされたらすぐ謝るし、もう呆れたのじゃ」
いきなり説教された。確かにそうだけど、ほかに何を言えばいいのかわからないし。
私はその後しばらく酒吞童子の話に付き合った。ざっと3時間ぐらい。
「あ、あの~」
「ん?どうした?」
「そろそろ帰りたいんですけど……」
だんだんと日が落ちてきている。
「そうじゃの。そろそろ逢魔が時じゃし、儂が送っててやるのじゃ」
「え?でもその格好じゃあ、さすがにダメだと……」
私はあえて触れてなかった服装に触れる。
酒吞童子は大した服を着ていなかった。下はスカートを履いているが、上が着ている言っていいのかわらない。
「大丈夫じゃよ。普通の人間には儂を見ることが出来ないから」
「私がいろんな意味で終わりそうなので、このタオルで胸を隠します」
酒吞童子が了承する前に私はバックからスポーツタオルを取り出し、胸を隠れるようにタオルを結ぶ。
「なぁ、これなんか変な感じなんじゃが。乳頭がすれてむず痒いんじゃが」
「あ、諦めてください。もし、諦めないなら私一人で帰りますよ」
「わかった。諦める」
この瞬間、妖怪が人間に負けを認めた。
「あっ!もうここで大丈夫です。ありがとうございます」
「えっ。そ、そうか」
明らかに態度がおかしい。さっきの威勢はどうしたのだろうか?
「どうしたの?」
「い、いやなんでも無いのじゃ。ほれ、もうお前さんの家じゃろ?」
「ウフフ」
「な、何じゃ。いきなり笑ったりして。何がおかしい?」
「童子ちゃん、実は帰るところが無いんでしょ?」
童子ちゃんとはさっきそう呼べと言われた。
「!?な、なぜそれを」
「だって私の家に近づくごとに顔が暗くなってるから、もしかしてと思ったんだよ。よかったら、私と一緒に住まない?童子ちゃんがよかったらだけど」
酒吞童子の反応は早かった。
「住む!いや、住まわせてください」
「わかった。これからよろしくね童子ちゃん」
それから2日後、東雲蒼廃墟にて天邪鬼に襲われ従僕化
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