第6話

寒い・・・・・・。

凍えるような冷たい時空に、飛ばされてきてしまった・・・・・・。


男は、ひとり。

「ここはいったいどこなんだろう?」


真っ暗で何も見えず、ただ胸の底から助けを求めて。


悲鳴・・・・・・?

さっきからピーンと張って聴こえてくるのは、数々の同輩たちの悲痛な叫び声なのかもしれない。


遠く懐かしい暖かなあの眼差し。


彼女は応えてくれるだろうか・・・・・・?


あ、彼女だ。


震えてる・・・・・・。


僕と同じに寒さで凍えて・・・・・・。


裏切ったアイツがいけないんだ。


アイツがここに俺を突き落としたから、俺はじっとここにいて、アイツが俺を永続的に愛してくれるのを、ずっとこうして待っている。


男の記憶は、そこで止まって。


風が・・・・・・。


やわらかな風が、男の、まわりをクルクルっと廻って、上昇。

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