第3話 地球
地球が、めぐっているって。
漠然と、そんなことを考えた。
風は、どこから吹いてくるのだろう?
始まりはどこで、いったい終わりは、あるのだろうか。
一瞬のうちに、めぐった心象は、私を捉えて放さなかった。
風に乗って、どこまでも。
私は私の体を変えて、どこまでも地球を漂うのだ。
私の持つ、記憶や意志や、先人たちの心の全てが、風の粒子と混ざり合っているとしたら。
―――ふふ。
いつのまに付いてきたのか、風が、微笑んだ。
髪が、ふわりと光を孕み、おだやかに私を包み込んだ。
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