第2話 かぜのせい
虫たちが季節の風に、その盛りを迎えてるころ。
私は、まだ布団で、くるまって眠りを貪っている。
せかさないで、おねがいだから。
私は私で、きちんとやっているわ。
―――ほんと?
開け放した窓から、はいってくるのはかまわない。
けれど。
私を焦らさないでいて。
―――なんて、かってな。すこし、おじゃまいたしますよ。
もう来てるくせに、かってなこと言うのはどっち。
「くしゅん……」
鼻腔を、くすぐる。
「……くしゅんくしゅんくしゃん!」
半袖の肌に、すずしい風が吹いてくる。
そういえば、すこし熱っぽいかな。
―――しばらく、そうして寝ていればいい。そうして、わたしの話を、お聞き。
ぷいとなって私は、起きだし、台所へ行く。
「聞きたくないもん」
渦巻く風を、部屋に残し、私は扉を開ける。
ぐうるる。
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