第6話 男の子が仮想通貨取引に誘う時の言葉はいつも同じ
声を掛けられたあと、誘われるのはすぐ近くで仮想通貨が使える店が普通だろう。
いきなり仮想通貨取引をしようと言われたら、プロの仮想通貨ディーラーだと思われているのでパスするのが無難だ。
大抵の場合はすぐに手を繋いできたり、腰に手を回してきたりする。
最初はちょっと抵抗があるかもしれないがそれが仮想通貨取引では普通なんだと納得するしかない。
深夜の場合にはいきなり行き先が仮想通貨取引所という場合もある。
逃げようと思っても、無理やり引きずってでも中に連れ込まれてしまう。
助けを求めようしても、誰だって仮想通貨取引所の前で騒いでる男と女になんか関わりあいたくない。
だから深夜の時間帯は避けた方が無難だ。
仮想通貨の使える店ににはいったら、席を探す振りをしてカウンターの席に並んで座ろう。
対面の席では仮想通貨取引にはなにかと都合が悪いのだ。
最初は当たり障りのない会話だけど、大抵はすぐに「最近仮想通貨の取引してるの」とか聞かれて仮想通貨の話しに誘われる。
もちろん取り引きをしているときでも「ここしばらくは、取引していないんです。相場も見てなくて」と答えるのは常識だ。
「じゃあ、最近利確してないんだね」と男の子は誰でも聞いてくる。
「ええまあ」と適当に言葉を濁すと「利確してないと、さみしいだろう。利確したくて我慢できないんじゃないの。いつもどのコインの取引をしてるの。俺が指値のやり方教えてやろうか。それともガチホなのかな」とか話しが続くのが普通だ。
男の子が最初に仮想通貨取引の話し切り出すきっかけは全部が全部、判を押したように同じだ。
みんなで打ち合わせしてるんだろうと思うくらいみんな同じ誘い方をしてくる。
なんとまあ男の子というのは単純なんだろうとつくづく思う。
ここですぐに「いますぐ利確したいんです」とか答えて絶対はいけない。
少し困った顔をして「そうですね。別にガチホな訳でもないんですが」と目をそらして伏し目がちに軽くため息を吐く。
「ガチホだったらなかなか利確できないよね。やっぱり利確したいよね」ときっと男の子が話題を向けてくるはず。
その時に仮想通貨取り引きが大好きな顔をしてみせるのがポイントだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます