思い出、それは片道キップ

ゴコクエリアでの暮らしは悪くはなかったよ。

あれからはみんな一度も泣いていない。むしろ笑顔で暮らしているよ。


ついこの間すごいお客さんが来たよ。


名前をかばんと言ってね、あのミライさんの髪の毛から生まれたんだ。


それにもっと驚いたのはかばんが連れて来たフレンズがあのサーバルとアライさんとフェネックだったんだ。


同じ種類のフレンズが生まれることがあるとは聞いてたけどいざ本当に目にするとビックリしたよ。


みんなでいろんなお話をしてね、例えば私たちの冒険の話とか、かばんのすごいところとかをね。

そんな話をしてみんなで笑いあったよ。


キミたちがこの笑顔を守ったんだ。


でも……、


やっぱりこれじゃダメなんだ。


キミたちが居ないと、ダメなんだ。


帰ってくるって言ったよね?セーバル。

でも、私はもうキミが帰ってこないんじゃないかと思ってる。ごめんよ、最後まで信じられなくて。


あれから3年の時が流れたよ。


パークはすごく発展してね、大きな建物がいっぱい並んでるんだ。

でも自然を壊したりはしてないよ。


サーバル達は今日も元気に遊んでて、時々セーバルの事を忘れてるんじゃないかと思うぐらい笑顔をみせるんだ。

でも、……多分みんな本気で笑ってないよ。


だから、私は今からみんなに本当の笑顔を取り戻しに行く。


ようやく長年の研究が役に立つ時が来た。


この御守りで、この六つの印が刻まれたこの御守りで、私は時空を超えて、あの日が来る前にもどる。


思えばこの御守りに印を刻んでもらうのにけっこう苦労したよね。フレンズの力を上げるだけだと思ってたのにまさか時を超える力があるなんて…。


きっと、時間が狂っておかしなことになるだろう。例えば、時の流れが異常に早くなったりとかね。


でも、私は行くよ。


じゃあ、次は過去でまた会おう。


……きっと、変えてみせる。

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