第2話
「今日は喫茶店についてだ。」
俺の昼休みが今日も潰れる声が聞こえてきた。
「今回はどこにいちゃもんをつけるんだ?」
いちゃもんと言うかもう当たり屋ぐらい悪質だけどな。僕が当たられた側であるのは一目瞭然。後、喫茶店経営者も。
「喫茶店ってさふた通りあると思うんだよ。チェーン店の喫茶店か個人経営の喫茶店な。んで、今回の問題はチェーン店の喫茶店なんだよ。」
まあ僕も喫茶店の経営者の孫であるから、今回の問題には少し興味もある。暇な時には小遣い稼ぎでバイトもしてるし、ちゃんと聞いてやるか。てか当たり屋夏目は僕と祖父双方に当たるってどういうテクニックで当たってるんだよ。
「〇〇の新作とかでほぼパフェの写真がSNSで載るだろ?あれが嫌なんだよ俺は。」
「まあ多少は腹が立つけどそこまで怒るほどじゃないだろ?」
女子はSNSでお洒落な食べ物とほぼパフェの新作より盛った顔と一緒に載せないとイケてるカーストから崩れ落ちていくっていう都市伝説があるからしょうがない。
「いや喫茶店って言うのは心を落ち着かせるための空間でゆっくり時間を楽しむためにコーヒーを飲むんだよ!そういうもんだろ!?それをクリーム盛り盛りでチョコかけてナッツみたいなの乗っけて美味しい!パシャパシャじゃないんだよ!」
「いや実際あれ美味いしな。」
キャラメルフラペチーノとかほんと美味いし、なにあれうちのおじいちゃんも作れねえかな。…無理だな。
「お前それでも喫茶店の孫か!!」
「喫茶店の楽しみ方なんて人それぞれでいいだろ。僕のおじいちゃんも言ってたぞ『喫茶店って言うのは時間を売るところだ。』って、だからその時間を何を食べて何をしても良いんだよ周りの客に迷惑をかけなければ。てかそういう飲み物が売りなのはその店の特色で良いじゃねえか。」
「かっけぇ…お前のおじいちゃんめっちゃかっけぇ…俺間違えてたかもしれないな。」
「てかお前コーヒー飲めないじゃん。うちの店のコーヒーも砂糖めっちゃ入れて、ミルク入れてようやく飲めたし、どっちかというとパフェみたいなやつのが舌に合ってるだろ。」
「なんかかっこ悪いじゃん?」
その思想が一番かっこ悪いわ。そんな感じで今回も夏目は満足したようで喫茶店の話は終わりを迎えた。
俺の時間を売ったんだから金くれねえかな。
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