龍の弩
月白鳥
付録
設定編その一:登場人物集
※開示される内容の一部に裏設定を含みます。
※随時加筆・修正されます。
※ネタバレ要注意! 最新話まで閲覧済みの方のみお読みください。
※登場順に記載
【人族・器族】
・ 千羽矢(チハヤ)
基本は感受性豊かで聡明、人並みに笑って泣いて怒って、人が笑ったり泣いたりすれば共感できる、ごく凡庸でノリの軽い青年。自己犠牲精神が強く、困っているものは放っておけずついつい助けてしまう。良くも悪くもお人よし、と言った所。限界は弁えているつもりだが、どうにも自分の力量だけではどうしようもない所まで足を突っ込みがち。
狩人だけあって弓術と
生まれつき妖精や精霊を無意識に引き寄せ、これに気に入られやすい
・ 七橋(ナナハシ)
茨宮村に住む、
消極的でやや気弱そう……なのは見た目だけで、実際は利発で破天荒、好奇心と探求心の旺盛な学者気質。案外肝の据わった人物で、物事を客観的に見て判断することに長けている。
戦闘力はなく、完全に後方支援一辺倒。加護を受けているのが癒しの神性のものであるため、使える術も癒しと治しに関わるものに偏っている。
自覚は少ないが、彼もチハヤに負けず劣らずの引霊体質。ただし、あまり大量の霊を引き寄せるとすぐ疲弊してしまう。
・ 茨枝(イバラエ)
茨宮村の二代目村長をしている器族。ガラスの三角錐を逆さまに立てたような頭が特徴の、七十歳超えながらも矍鑠とした男性。現在はもっぱら村外の者との橋渡しを行う外交官に徹しているが、元は腕の良い狩人であった。妻帯者。
村の長らしい、貫禄と余裕を持った紳士的な好人物。どちらかと言えば好々爺なのだが、村おさとしての威厳ある姿で人と接することが多いためか、外部の者はおろか村民からも怖い爺さんだと思われている。全然そんなことはない。
武器はもっぱら情報と言葉と態度。山奥に住む器族らと、平地に住む人族の間の橋渡しに一役買っている。
・白雪(シラユキ)
茨宮村に住む
触れれば崩折れてしまいそうな容姿とは裏腹に、大変活発で快活。言動はキビキビしゃきしゃきしており、同じ神官のナナハシよりよほどカリスマ性とリーダーシップを持っている。とは言えまだまだ未成年の女の子なので、少々子供っぽい癇癪を起こすこともしばしば。
地龍の加護を受けているだけあってその力は絶大。チハヤの持つ大容量の鞄を作ったのは彼女である。
・六紗(ロクシャ)
ナナハシの父。
爺さんらしい達観した考えを持ち、飄々として何処か掴み所のないミステリアスな人物。でありながら、言動は何だか悪ガキのよう。決して悪い奴ではないがちょっと口が悪く、歳の割にやっていることが若干子供っぽいところもある。
神官としての位階は最上位から一段劣るが、治癒師としての技量で言えばナナハシよりも数段上。扱う術は四肢どころか半身の欠損を補い、一度死の淵を越えたものをすら涼しい顔で呼び戻すという。
チハヤからは「ロクシャの爺や」と親しみを込めて呼ばれている。
・東矢(トウヤ)
ロクシャの親友にしてチハヤの祖父。六十歳。現役バリバリの壮年世代で、何とも威圧感のある背高で隆々とした狩人。頭は古めかしくやや装飾の多い象牙の地球儀。器族的な価値観で言うと中々の
陽気でプラス思考でやんちゃな、どことなく少年の心を忘れきれていない爺さん。それ以上に現実主義で、自分で体感したこと以外は信じない。ロクシャの曰く「脳筋のジジイ」とのことだが、器族らしい知性的な面もちゃんと持ち合わせている。感情の起伏が大変豊かで、特に笑い出すと息が切れるまで止まらない。
剛射と速連射の技量に長けた、典型的なパワータイプ。弓の扱いはさることながら、器族の中でも指折りの怪力であり、拳で殴るだけで十分すぎるほど危険である。物理的にゴリラ。
人に物を教えるときは基本スパルタ。ただし孫には甘い。
・矢来(ヤライ)
チハヤの父親。四十五歳。親のトウヤと似ても似つかない、ほっそりとした痩せ型の男性。彼もまた地球儀の頭を持つが、上下二人と違って装飾や機能が多く、“矢”の系譜の中でも飛びぬけて美形の優男とされる。
豪快で磊落な祖父と違い、温厚で物静か。慈悲深いが仕事と私事はきっちり分けるタイプで、狩りの時には割と容赦ない。子供や小さいものと戯れるのが好き。器族らしく聡明ではあるものの、多少間抜けたところがあるのは否めない。
隠形と遠弓の名手。その技量は凄まじく、彼の放つ矢は敵の意識の外から突然飛んでくるとして恐れられる。また、危険な魔物の跋扈する山の最奥に単身分け入り、そこを狩場に出来るのは“矢”の系譜の中でも彼だけ。
ネーミングセンスは妻と祖父を笑い死にさせかかるレベルで酷く、息子にもしっかり遺伝している。最近はそれに龍の仔まで加わり、父親としては罪悪感を隠せない。
・ルッツ・ハーゲン
冷静沈着なように見せている熱血漢。普段は押さえ付けて物静かなように振る舞っているが、自分の興味がそそられるものにはすぐに手が出る。そのくせ奴隷根性が染みついており、自分の願望や欲望を人に言わないまま満たそうとするので性質が悪い。李下に冠を正さずの地を悪い意味で行っている。
性格は褒められたものではない部分も多いが、
・風發(カザハネ)
玉龍山から遠く離れ、
大雑把な自信家。学問や知識の収集にはとんと興味がなく、実地の経験と持ち前の勘で物事をこなす天性の野生児。ザッパな性格だが面倒見は良く、悪いことも良いことも一緒になってやって一緒に怒られる。そんなノリのいい大胆な人物である。
いつも自信満々だが、実力が伴っているのかと言われると微妙なところ。どうやら本番でしか本領を発揮できないタイプらしく、練習はサボるしやってもやった分だけは上達しない。そのくせ、実戦に立った途端武勲を上げて帰ってくる、教官としては評価に悩む才の持ち主である。練習の仕方が下手くそなだけと言うと怒る。
現在
恐らくは水神の作ったと思われる槍の神器を所持。
・蛇目(ジャノメ)
少々陰気で消極的。あまり自分のことを語ろうとはせず、概ねどんな時も口を
神龍を乗騎にしている辺り、戦闘力的にも実力者ではある模様。姿を隠している精霊の
・アカラ
極端に表情の振れ幅が狭く、常に伏し目がちの無表情。しかし表情だけで、裏では常人並みにあれこれと感情豊かにものを捉えている。が、何を考えていてもほとんど顔が変わらない上、弁明しないので冷血な奴だと勘違いされることも。
年齢不詳。かなり長生きしているらしい。
・射靂(サレキ)
礼儀正しく温厚で優しい。歳の割にはやや幼稚で、感情の起伏が豊かかつ分かりやすい。総評して大変好人物。ただしその人の良さ故に貧乏くじを引くことも多い。
・朧歌(ロウカ)
何処か掴みどころがなく、自身の腹の底を探らせない。飄々としていると言うよりはミステリアスと言った風情で、素直に話しているように見えてもどこか本音を隠している。
実力は高いようだが今の所未知数。
・宵祁(ヨイケ)
茨宮村に住む
いかにも
チハヤに弓の神器の情報を渡した。
【龍・竜種】
・ちまき/千晝矢(チガヤ)
茨宮村で祀られていた
無邪気で何にでも興味を持ち、どんな状況でも物怖じしない豪胆なおこちゃま。ほんのちょっとしたことですぐに歩き回る一方で、拾い主であるチハヤに対してはぺったりくっ付き、基本傍を離れることはない。チハヤを傷付ける者には容赦しないが、一方で水に落ちた者や重大な怪我を負った者を心配するなど、神性らしい慈愛を見せるところも。撫でられるの大好き。
人の操る言語を理解・発声できるが、まだまだ舌足らず。語彙も育っていないため、小難しい説明などはチハヤに丸投げしている。
・水妙(ミズタエ)
カザハネの乗騎である雌の
物静かで落ち着いた淑女のように繕っているが、その実とても小心者。大変なビビリで、一度動揺するとすぐにその場から逃げ出したがる。特に火や温度の高い物には過剰なほどの拒絶反応を示し、克服しなければとは思いつつも出来る気配は全くない。反面、雨風に関しては恐れ知らずで、人を乗せたまま雷雨に突っ込んでも平然としている。
やや片言の人語で喋る。
・紫苑(シオン)
ジャノメの乗騎。
・ラウレア
アカラの乗騎。隻眼の
老竜らしく、全身に傷痕がついている。何処でどのようについたものかは不明。
・霆霞(テイカ)
サレキの乗騎。
仔竜の範疇であるからか主人であるサレキの性格か、ともあれやや子供っぽい性格。かっこいいモノやコトに割と目がなく、自分もかっこいい技を使いたがる。
・深潭(シンタン)/虚溟(ウロクラ)
元龍殺しの
口調は堅苦しいが性格は存外いたずら好き。元々が人間だったためか、幾分か人間臭い言動が目立つ他、人がやっていることを真似したがるきらいがある。いささか人を選ぶ性格の持ち主であるが、根は信仰深く博愛精神の強いひとかどの神官であり、積極的に人を害したり殺したりして愉しんだりするような性格ではない。ただし、信仰対象に対しては少々熱狂的。
ほっそりしているように見えるが、卓越した膂力の持ち主であり武術の使い手。
・千冬(チフユ)
玉龍山の頂に、伴侶や仔竜と共に住む雄の
一言で言うとのんびり屋。大変ぽやぽやしており、戦闘中でもマイペース。その能天気さは魔物もたじろぐほど。基本的に温厚で殺生を嫌う性格だが、仔の危機が絡むと容赦しない。
現在長男の
【その他の妖精・精霊・神性】
・茨藻(いばらも)
玉龍山の一角、チハヤが狩場とする比較的浅い森の小さな泉に住み、これと親交を深めている一柱の
世話焼きの心配性。親交の深い者には見返りなしで簡単な
・夜灯(よあかり)
茨宮村周辺の森に住む数柱の
どんな人の呼びかけであっても傍に現れてうろちょろする、中々に好奇心旺盛な妖精。
・渡し守/金月(きんげつ)
本来は異界の神性。星の運行や勢力の采配を司る非常に格の高い神なのだが、そんなことは全く関係なく常界ライフをエンジョイしている。見た目は四肢がカササギの翼と脚をした金髪金目の幼女か少女、と言ったところで、煌びやかな衣装にも負けない超絶美人。しかしちっぱい。
強壮な格と眉目秀麗な容姿とは裏腹に、言動は若干残念。所謂のじゃ口調のロリっ子で、平素は滅多と厳格な振舞いを見せることはない。ないだけで神様らしい言動も取れるのだが、当人は気ままに動き回る方が好きなようである。
常界に渡ってきたのは極めて古い時代のことであり、玉龍山が
・平日(へいじつ)
細かな家事や不在時の
それぞれ性格は違うが、一様にチハヤとの取り決めには忠実。ただし、気を利かせすぎて家主に不気味がられたり、大事なものに対する余計なお節介を心配されることもある。
・刻音(トキネ)/朧(オボロ)
お喋り好きで陽気だが、ある程度気心が知れるまではお互いの一線を越えない慎重屋。……が、ある程度仲良くなると途端にお節介姉ちゃんと化し、国宝じみた霊薬やら宝石やら、はたまた神器やらを山のように贈(りつけてく)る。
決して悪心を持っているわけではないのだが、全体的に好意が空回りしがちな残念神。
技巧神としての側面を持ち、その手先の器用さから、渡し守を飾る宝飾品を作る細工師として臨時雇いされている。また、チハヤ所有の弓の神器『朧満天星』は彼女の作。
・竃の精(かまど-せい)
平素はチハヤの家の竃に住み着いている、
少女の声と
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