登場人物の呼び方について
『命の天秤』における裏話として、次は作中に出ている登場人物たちの呼び方について説明をしたいと思います。
※ 登場人物の呼び方は二〇一八年九月二日に、日本風→アメリカ風に修正致しました。なのでこのエピソードに関しては、飛ばしていただいても構いません。
なぜこのような説明をするかについてですが、『命の天秤』の舞台がアメリカであることが関係しています。『補足説明』でも軽く触れましたが、アメリカでは相手のことを名前(ファーストネーム)を呼び捨てで呼ぶことが多いです。なので本作のような「〇〇君」「〇〇ちゃん」といった呼び方については、アメリカではほとんど見かけないのが現状です。
洋画や海外ドラマなど好きな方ならご存知かもしれませんが、自分の子どもや友達であっても、日本のように「〇〇君」「〇〇ちゃん」といった呼び方はないです。これもアメリカと日本における、文化や言語の違いが関係しています。
そんな中で、なぜ今作ではアメリカ風ではなく日本風の呼び方にしたのか? その答えは主人公の高村 香澄ちゃんという、一人の女子大生が関係しています。
作中ではアメリカに住んでいる香澄ちゃんですが、実は小学校までは日本に住んでいました。日本人である彼女は、子どものことを「〇〇君」「〇〇ちゃん」という形で呼びます。
本作では香澄ちゃんやその友達(一) マーガレット・バートン(二) ジェニファー・ブラウンをはじめ、彼女たちの恩師のハリソン夫妻、そしてもう一人の主人公 トーマス・サンフィールド君(以下トム君)など、色んな人物が登場します。
今作はあくまでも文字の中だけの物語です。また読者さまの中には、アメリカ風の呼び方に慣れていない方も多いかと思います。特にトム君の場合は、香澄ちゃんやその友達やハリソン夫妻たちから、色んな場面で名前を呼ばれています。
私が『命の天秤』を執筆した当初は、名前の呼び方についてどうするべきか必死に考えました。舞台がアメリカなのだから、呼び方もアメリカ風にしようと思ったこともありました。仮に登場人物全員がアメリカ人だった時には、私も迷うことなくアメリカ風にしたと思います。
繰り返しになりますが、登場人物の中に香澄ちゃんという日本人留学生がいます。そこで「〇〇君」「〇〇ちゃん」という表記をした方が、登場人物たちや物語にどこか愛着がわくのでは? と思うようになりました。
以上のことを考慮した結果、本作『命の天秤』では名前の呼び方をアメリカ風にするのではなく、「〇〇君」「〇〇ちゃん」といった形で相手を呼ぶ日本風を導入しました。
人によっては非常に細かいことと思われるかもしれませんが、作品の雰囲気を決める重要な裏話だと思いましたので、この場を借りてご紹介しました。
なお本作での相手の呼び方について、以下の通りとなります。
『命の天秤に登場する人物たちの名前の呼び方について(重要人物のみ)』
一……高村 香澄
マーガレット・バートン(香澄のルームメイト・親友)→メグ(愛称)
ジェニファー・ブラウン(香澄の後輩・親友)→ジェニー(愛称)
フローラ・S・ハリソン(心理学講師・恩師)→フローラさん(昔からの呼び方で、ハリソン先生とは呼ばない)
ケビン・T・ハリソン(ゼミ講師・恩師)→ハリソン教授(周りに知らない人がいる場合や改まった場所での呼び方)・ケビン叔父さん(周りに誰もいない・もしくはフローラや親友たちだけの時の呼び方)
トーマス・サンフィールド(少し内気な男の子・大人顔負けの芸術的才能を秘めている)→トム君(通常時)・あなた(自分の真剣な気持ちを伝える時の呼び方)
上記の事例を除いて、「〇〇さん」や「〇〇教授」といった肩書きや役職名で呼ぶことが多い。少年・少女に対しては呼び捨てではなく、「〇〇君」「○○ちゃん」と呼ぶ。また本作に登場する女性については、香澄に限らずこのような呼び方で統一している。
二……マーガレット・バートン(以下メグ)
高村 香澄(メグのルームメイト・親友)→香澄
ジェニファー・ブラウン(メグの親友)→ジェン(愛称)
フローラ・S・ハリソン(幼少期からの知り合い)→叔母さん
ケビン・T・ハリソン(幼少期からの知り合い)→叔父さん
トーマス・サンフィールド(恥ずかしがりやの男の子・おませさん)→トム君(通常時)・きみ(メグの気持ちが高揚している時の呼び方)
なお同年代の友達は愛称で呼ぶことが多く、それは初対面の相手でも同じ(ただし相手が拒絶した場合には例外)。
三……ジェニファー・ブラウン(以下ジェニー)
高村 香澄(ジェニーの先輩・親友)→香澄さん(序章の終盤まで)→香澄(序章の終盤以降)
マーガレット・バートン(ジェニーの親友)→マギー(愛称)
フローラ・S・ハリソン(新たな同居人)→ハリソン先生(同居前)→フローラさん(同居後)
ケビン・T・ハリソン(新たな同居人)→ハリソン教授(終盤までこの呼び方)
トーマス・サンフィールド(真面目な男の子。読者好き)→トム君(終盤までこの呼び方)
香澄と同じく「〇〇さん」「〇〇先生」といった形で、相手を敬う呼び方が多い。また作中で一番敬語が多いのもジェニー。
四……フローラ・S・ハリソン
高村 香澄(香澄の恩師・勉強熱心な頭の良い女の子)→香澄ちゃん(終盤までこの呼び方)
マーガレット・バートン(幼少期からの知り合い・明るい女の子)→メグちゃん(終盤までこの呼び方)
ジェニファー・ブラウン(新たな同居人)→ジェニファーちゃん(同居前)→ジェニーちゃん(同居後)
ケビン・T・ハリソン(夫)→あなた(通常時)・主人(改まった場所での呼び方)
トーマス・サンフィールド(養子・純粋で優しい男の子。本当の息子のように可愛がる)→トム君(終盤までこの呼び方)
リース・サンフィールド(大学の先輩・弁護士)→リース(終盤までこの呼び方)
ソフィー・サンフィールド(仲の良い後輩・OL)→ソフィー(終盤までこの呼び方)
優しく落ち着いた口調と性格が特徴の女性。
五……ケビン・T・ハリソン
高村 香澄(香澄の恩師・優等生で将来有望な女の子)→カスミちゃん(名前の呼び方を区別するため、あえてカタカナ表記)
マーガレット・バートン(幼少期からの知り合い・将来のスター候補)→メグちゃん
ジェニファー・ブラウン(新たな同居人)→ジェニファーちゃん(同居前)→ジェニーちゃん(同居後)
フローラ・S・ハリソン(妻)→フローラ(通常時)・妻(改まった場所での呼び方)
トーマス・サンフィールド(養子・心に傷を負った男の子)→トム
リース・サンフィールド(大学の同級生。だが学生時代に面識はない)→リース
ソフィー・サンフィールド(大学の後輩)→ソフィー
六……トーマス・サンフィールド(以下トム)
高村 香澄(優しい性格だが怒ると怖い・ソフィーの面影を感じさせる)→香澄お姉ちゃん
マーガレット・バートン(元気で明るい姉・少し強引)→メグお姉ちゃん
ジェニファー・ブラウン(大人しい姉・おっとりしている)→ジェニーお姉ちゃん
フローラ・S・ハリソン(叔母・彼女の作るハムサンドが好き)→フローラ叔母さんもしくは叔母さん
ケビン・T・ハリソン(叔父・どこか抜けている)→ケビン叔父さんもしくは叔父さん
リース・サンフィールド(父・世界で一番大好き)→パパ
ソフィー・サンフィールド(母・世界で一番大好き)→ママ
香澄くらいの年代(二〇代まで)の相手には「お姉ちゃん」「お兄ちゃん(作中では一度も呼んでいない)」、それ以降の年代については「叔母さん」「叔父さん」となる。
七……リース・サンフィールド
フローラ・S・ハリソン(大学の後輩、学生時代に面識はない)→フローラ
ケビン・T・ハリソン(大学の同級生)→ケビン
トーマス・サンフィールド(息子・世界で一番大好き)→トム
ソフィー・サンフィールド(妻・世界で一番大好き)→ソフィー
直接の面識がない香澄たちのことは、「〇〇ちゃん」と呼ぶ。
八. ソフィー・サンフィールド
フローラ・S・ハリソン(大学の先輩・仲が良い)→フローラ
ケビン・T・ハリソン(大学の先輩)→ケビン
トーマス・サンフィールド(息子・世界で一番大好き。トムを溺愛していた)→トムくん(名前の呼び方を区別するため、あえて「君」をひらがな表記)
直接の面識がない香澄たちのことは、「〇〇ちゃん」と呼ぶ。
『命の天秤』という作品の中で、彼らが主な重要人物となっています。その呼び方をまとめましたので、参考までにご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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https://kakuyomu.jp/works/1177354054884340951/episodes/1177354054884443502
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