2話 寒い日 99

最悪な日でした。会議があると思ったのですが、天候と連絡の不手際で消えてしまい、無駄な外出となってしまったからです。それがなければ1日家に引きこもることができたのです。最悪です。

外に出たついでに、無意味に1時間ほど歩きました。今日は大寒波の予想で普段より寒い日でした。私は歩きながら終始いらいらしていました。なぜ、ちゃんと連絡を取ってくれなかったのかと。しかし、それは私が悪いのです。私から確認の連絡を送っていれば何の問題もなかったのです。自罰的な感情になり、自分の身体を痛めつけるためにも外を歩いたのでしょう。そんなことはお構いなしに私の身体は丈夫でした。どうでもよくなりました。人間の身体は意外としぶといのかもしれません。私は生活するとき常日頃、死を意識しますが、身体はまだ生きたいと思っているのでしょう。皮肉なものです。

歩いた先に到着したのは、自宅に向かう電車の来る駅でした。電車の飛び込みのことを考えました。最近の電車はホームバーのあるところが多く、簡単には死ねないようになっています。不慮の転落や、誤って何か線路へ落としてしまう事故はほぼ0になるでしょう。それはいいことだと思います。本当に死にたい人は電車以外の方法でも死ぬでしょう。既遂では、首吊りが人気だそうです。

電車に轢かれてバラバラになった姿を想像しました。できれば避けたいなと思いました。また、駅は綺麗な場所ではありません。不特定多数の人が利用し、マナーのなっていない客も少なからずは存在します。私はそんなところで死にたくないなと思いました。じゃあ、どこがきれいな場所なんだ、と聞かれたら分からないのですが。物理的にきれいな場所を私は知りません。きれいなところで死にたいと言っても、死に際は無様なんだろうなと思います。


私は人からさほど好かれていないのでしょう。今日も知らない人から睨まれました。私は疲れていたので、ガンを飛ばすこともできませんでした。過度の一般化、と言ってしまえばこの問題を言語家することはできますが、私にそんな心理的ゆとりは存在しません。ただ、辛いなと思いました。外に出たくない。

あと99日。

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