第4話 襲撃
村から少し離れた場所に、キャンプを張っていた捜索隊。
そこへ、若い女が近づいている事に誰も気付かなかった。
「隊長、どうやらこの病気は頬がコケるだけでなく、生気が失われた上に喋る事が出来なくなるようです。こんな症状は今までに見たことがない。更にはどういった経緯で感染したのかも全く判りません」
捜索隊の医療団代表が言った。
やはり完全に未知なる奇病。
奇病というより、魔術のような、呪いのような恐怖があった。
この症状、どういった進行速度なのか、最終的にどうなるのか誰にも判らなかったが、そのままにしておいても、都合よく回復するようには全くみえなかった。
夜も更け、各々がテントの中でなかなか就寝出来ずにいた。
「ヤーッ」
聞き覚えのある掛け声が聞こえた。
まずい!直感的にすぐさま起きてテントを飛び出したのは隊長。
その直感力があだとなった。
テントを出たところすぐにコケシカが潜んでいたのだ。
「あっ、あーっ!」
みるみる頬がコケていく隊長。
他の隊員は隊長の最後の言葉を尻目に一目散に逃げ出した。
そこにはコケシカと、奇病に感染した隊長と昼間感染した隊員のみとなった。
頬がコケれば道に迷わないと、コケシカは言った。
──誰にも意味が判らなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます