第45話 就職活動

クリーニング工場の熱のおかげか、処方された新薬が効いたのか、病状は急激に良くなりました。

と言っても、バイト上がりにバスで寝て帰ってすぐに寝て一日何時間寝ていたかわからないほど寝てはいましたが。

身体を温めることはどんな病気にも効果的なのではないかと思うようになりました。


クリーニング工場では9月まで働かせてもらいました。秋は二度目の繁忙期です。それを過ぎて、社長が申し訳なさそうに人員削除するから辞めてくれと言われました。

そんなに申し訳なさそうにしてもらう必要はないのにと、こちらの方が申し訳なく思いました。

私は役立たずだったし、病気のせいで休憩時間は寝てばかりでバイト仲間と仲良くもしなかったし、扱いづらい人間だったはずなのに、予定よりずいぶん長く雇ってもらえて本当に助かりました。


私もなにか出来ることがあるのだと、働けるのだという自負はポジティブな自分を生まれて初めて自覚したありがたい時期でした。

そしてそのポジティブさにのって、私は次の仕事を探すことにしました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る