第42話 働くことが好きなんだ

精神科通いで動けるようになるとすぐ、仕事をしたくてたまらなくなりました。

実家暮らしだったので寝ているだけでも生きていけたのですが、立って、歩けて、考えられるようになると、次は仕事をしたいと思いました。

どうやら私は仕事が好きなようだと知りました。


学生時分には怠け者だと思っていましたが、家事の手伝いと外で働くことはぜんぜん違うのだということを、いい歳をしてようやくわかったのです。三十代前半のことです。


無料のバイト雑誌や就職情報誌を精神科の帰りにもらってきてパラパラめくるだけの期間は短かったように思います。

今、自分にできる仕事は軽作業だなと理解できたので、そのような職種に片っ端から電話をかけましたが、無料バイト雑誌の宣伝効果はすごいようで、かけてもかけても「もう決まりました」という返事。


その中で一番初めに面接に来てもいいよと言ってくれたクリーニング工場で働けることになりました。

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