第23話 母と夢 つづきのつづきのつづき

高校三年生。進路を決めねばなりません。

高校三年初めに、大まかなクラス分けがありました。

特別クラス、理系クラス、公立文系クラス、私立文系クラス、就職クラス。

私は私立文系クラスでした。

三者面談で、短大に進みたいのだと言いました。

服飾科のある学校に。


「あんたは自分より成績の悪い人をバカにするから、絶対やめなさい」


母も担任も同じようなことを言いました。さすがに担任はもっとオブラートに包んでいたけれど。


私は自分がそんな最低な人間だと知って。

世界が崩れて消え去るかと思いました。

私は自分が世界で一番正しいと思っていたのです。

世界で一番善良で世界で一番讃えられるべき人間だと。


そんな人間が善良なわけはないと知りませんでした。

善良な人は他人と自分を比べないなんて知りませんでした。

私の世界は壊れました。


私は成績だけで大学を選びました。特別に勉強しなくてもいける、私よりバカな人がいない大学へ。

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