第5話 ハタラキモノは限界をむかえる

 自分がハタラキモノだと発見してから、バリバリ働くようになりました。

 笑顔も出るようになって、体も軽くなったようでした。


 でも、世の中はやはり怖いところで、どこかに逃げ出したい気持ちは変わりませんでした。


 仕事はとても楽しい。でも、仕事にまつわる人間関係が辛くて仕方ない。


 誰とも話さず仕事に没頭して、書類とだけ語り合っていたかった。でも、そんな仕事は見つからなくて。

 次第次第に心理状態は学生時代と同じようなことに戻っていって、眠れなくなっていって。

 でもハタラキモノは仕事を休んだりしちゃダメだから、ハタライテいる時だけは普通の、元気な、明るい人だと思いこめたから、仕事にしがみつきつづけました。



 そんな時に、眼科・心療内科に出会いました。

 たしか、初めてもらったのはデパスというものと、名前を忘れた睡眠導入剤。


 まったく効きませんでした。

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