第4話 働かざる者ソンザイスベカラズ

 学校が嫌いでした。

 同年代の女の子がワンサかいるなんて、地獄でした。


 女の子は残酷な生き物です。

 クスクス笑いで世界を支配します。

 昨日の好意が一晩で悪意に変わります。

 群れに属していないものは存在を否定されます。


 だから、学校が嫌いでした。

 けれど、それが幻想で、私の勝手な妄想だと知ったのは二十歳を過ぎてからでした。


 女の子以上に男子が大っ嫌いでした。

 バカで不真面目でうるさくて乱暴で臭い、嫌な生き物。

 だから私は女子高に行き、女の子の暴虐ぶりを知ったのです。

 でも、それは妄想だったのに。


 当たり前のように不登校、当たり前のようにクラスで孤立。

 でも、内面に狂暴性を持って体格もいい私は苛められることもなく。


 私はいつでも世界の全てにおびえていました。

 いつでも逃げ出したくて、どこかに連れ去って欲しくて、でもどこにも行けないから、部屋に閉じこもっていました。


 学校を休みまくるナマケモノの自分だから、仕事なんかとてもできないと思って、学校にまともに通えないのに、大学にいきました。


 人間はナニモノカでなければ生きている価値がないと思っていました。


 結局、女子大学も中退して。


 ナニモノカになるためにアルバイトを初めて、


 そこで初めて、私は働くことが好きだと知りました。


 私は、やっとナニモノカになれたのです。


 ナニモノカはハタラキモノでした。

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