第18話 これは、俺が自分に失笑するお話
叫ぶ。
叫ぶ叫ぶ叫ぶ。
叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ。
更に身体が火照る。更に汗が滴る。更に脚が痛む。更に腕が痛む。更に息が苦しい。
それでも俺は叫ぶ。
叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ……。
ああ。
俺は何故、こんなにも走っているのだろう。
ああ。
俺は何を、こんなにも叫んでいるのだろう。
わからない。
わからないわからないわからない。
わからないわからないわからないわからないわからないわからない。
だけど、一つだけわかった。
俺が今、したいことが。
それは、あいつを助けることではない。俺には、あいつを救う力はない。
それは、あいつを笑顔にすることでもない。そんな力も持ち合わせていない。
では何か。
それは、実に単純なことで、実に俺らしくないことだ。
まったく、珍しいこともあるものだ。俺が、こんなことを思うなんて。
俺は、今。
猛烈に――自分の感情を、あいつにぶつけたいんだ。
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