第48話 物書きの「トレーニングメニュー」考案と実践

 今回の項目は「物書きのトレーニングメニュー」になります。

 まだ物語を書き慣れていない方、そして物語を書き慣れて来たけれどもっと上手になりたい方に向けて、花咲なりのトレーニング方法を考えてみよう、という形になっています。


 考案したトレーニングメニューを実際に花咲も実践し、やり方と反省点(振り返り方?)も記していくので、そちらも参考になったら嬉しいなぁ、と考えております。


 今回の項目を書くにあたって。

 当エッセイを読んでくださった方から、とても興味深い感想をいただきまして。

 ぜひぜひ、それについて掘り下げてみようと思い立ちました。


 改めて、感想ありがとうございました!


 それでは始めていきましょう!


 まず感想を受けて、花咲は物書きのトレーニングには何が必要かを考えました。

 それはすぐに答えが出て、当エッセイに記している内容に沿い「考える力」が伸びていくものになっていれば良いな、という結論へ辿り着きます。


 考える力、かぁ。


「物書き」というからには――

「考える力」というのは、「物語を考えて書く力」になるのでしょうね。


 そうであれば

「考えて」と「書く」を別項目に分けるのが、やはり当エッセイ内容に沿うトレーニングとして適しているでしょう。


 よしよし、固まってきたぞ。


 その上で実践していけば、着実に実力がついていく方法……。


 うん、これだ。

「プロット考案とまとめ(考える)」、そして「本文作成(書く)」ですね。



 …………。


 うぅ、申し訳ありません。


 もう何が花咲なりのトレーニング方法なのか、という結論ですね。

 面倒くさがりの為の、それでも創作が上手になる為のエッセイなのに


 実際に書いてるじゃん、面倒な方法じゃん!


 という悲しい結論に行きついてしまったのです。


 ですが可能な限り面倒くさくないよう、花咲なりの「まとめ」をしたいと思います。

 どうか、どうか平にご容赦を……。


「プロット(物語の各種設定とストーリー)を考案する力」は、物書きにとって必ず伸ばさねばならない項目です。


 そして実際に「考えたプロットをシナリオに起こす力」も、当然のように物書きには必須な能力になっていきます。


 だからこそ今回の項目は、きちんと効果のあるトレーニング方法になる為には、この部分の面倒くささを回避できませんでした……。


 これより頭の中だけで完結しないトレーニング方法を、記させていただきます。



■「プロット考案とまとめ(考える)」を伸ばす方法について


 こちらは「考案」と「まとめる」が、別個の力だと思っていただくのがやりやすいかもしれません。


 考案は頭の中の現象、まとめるはそれを現実に持ってくる作業です。


 花咲も何度も経験あるのですが

 面白いストーリーや場面が頭の中にあるのに、それを書き起こしてみると、どうにも思い描いていた面白さに届かない、という状態を回避する為の方法になります。


 頭の中にある面白さを、第三者に伝える為の中間地点が「プロット」です。

 本文を書いて読んでもらう、という伝える前の段階こそ練習していきましょう。


 物語の設計図、どういう部分が「面白い」のか要点をまとめる、というものですね。


 そこで必要になってくる考案項目は、以前のエッセイ内容にも記した


・「作品を通して伝えたいテーマ・主張(&タイトル)」


・「読み手に作品をどう楽しんでもらうか、という想定」


 この2つになります。

 この項目を考える力、そして物語にする為の設計図作りを経験する事で、物書きは少しずつでも実力が伸びていくのだと考えています。


 どうしても手間がかかるのですが、経験しないと上手くなっていかない、という現実の厳しさからは物書きも逃れられないのかなと……。


「作品を通して伝えたいテーマ・主張」は――

 自分の頭の中にある「面白さ」を考える項目です。


「読み手に作品をどう楽しんでもらうか、という想定」は――

 考えた面白さをどうすれば読み手に届けられるかより深く考える、という項目になります。


 どちらも考える、という項目です。


 物書きはひたすらに、考えるしかないのですね……。


 この2つを考えて、実際に文章にまとめて、それを活用できるようにストーリーを組み立てていけば、きっと「自分が考えた面白さを読み手に伝える力」が伸びていくのだと、そう花咲は結論を出しました。


 それでは、ここで花咲が実践してみた実例を記します。


■ テーマ・タイトル考案


・テーマ

今まで書き連ねてきたエッセイ内容を引用しつつ、内容は皮肉がきいていて、最後は少しでも「書こう」と思える読後感にしたい


・タイトル

エッセイ内容アンチ物語(仮)



■ 作品をどう楽しんでもらうか


・きっと多くが感じているであろう創作の苦しみを表現内容に含める(共感される内容を目指す)

・設定を適当にする事でコメディに近づける(世界観作りの指針)

・偉そうに言いやがってこの野郎、と花咲のエッセイ内容を皮肉る内容(ストーリーの素材)

・「小説家になろう」で多い異世界転生も含める(読み手の層を広げる)

・物語を擬人化するように表現する事で「書く」きっかけに繋げたい(オチの指針)



 ……なんだか、誰にかは分からないですが喧嘩を売っているような内容になってしまいました……。

 いえ、誰かじゃないですね。花咲自身にです。


 自分自身へ喧嘩を売るという意味不明さ。


 言い回しが回りくどくて、役に立ってないんじゃあ! 結局は書けって事だろバカ野郎! という花咲への文句を、物語に出来ないかなと考えました。


 上記の想定から実際に書き起こした本文は短編として投稿しているので、

 ぜひぜひ、そちらにも目を通していただけると、プロット内容を書き起こす、という状態がどういうものなのか参考になるかなと考えております。



 次に可能ならば、プロット考案とまとめ練習として「オチ」と「伏線」を内容の中に盛り込めるよう意識すると

 当エッセイで何度も書き記していた「問題と解決」を物語で表現する方法を身に付けていけるだろうか、と考えております。


 花咲の短編内容だと、こちらになります


・「オチ」

最後に主人公が、途中で書くのを止めてしまった物語を書き切ると考える


・「伏線」

物語のどこかで、主人公が創作を途中で止めてしまっているという描写を含める



 短編なので、問題内容は1つで十分かなと思っています。

 あとはその問題を、どう解決させるか。それを表現する練習になれば、きっと物書きのトレーニングとして成立していけるだろうと考えております。



■「本文作成(書く)」について


 こちらはトレーニング方法なので、長編を書いては時間がかかり過ぎると考えております。


 なので、上記の2つの想定を短編の範囲に収めて、それを何度も繰り返す事で、「物語を考える力」と「物語を書く力」を同時に伸ばす事が出来るだろう、という結論になりました。


 短編です。


 短くても大丈夫です。


 考えた「テーマ」と「作品をどう楽しんでもらうか」を表現できているかどうかが重要であり、長い物語を時間をかけて書く必要はありません。


 考えた内容を、実際に書き起こす練習です。


 プロット作成時に、どのくらいの分量なのかを軽くでも想定してから、それに合うよう書き起こしていくと

 このプロット内容を自分が書き起こすと、実際にはこれくらいの分量になるのか、という感覚を掴めるかもしれません。



 ……花咲も実際に短編を書き起こしてみたのですが、短編でも完成まで5時間ほどかかりました。

 時間をかけないと言っておいて、費やした時間は短くはないという……。


 この「本文作成」において大事なことは、1つだけです。


「最後まで書き切る」こと。


 完成させて、投稿する(これは出来れば)ことになります。

 短編という範囲に収める理由はこれです。


 無理やりにでも成功体験を積み重ねる、というと聞こえは良くないかもしれませんが……。


 途中で創作を止めてしまう経験を重ねていると、いつしかそれが癖になってしまいます。

「完成させない」ことに慣れてしまうと、それは物書きにとってかなりの痛手になってしまうのです。


 逆に短編作成でも積み重ねて「書き切る癖」をつける事が叶えば、長編も完成させる事が出来るようになると思っています。



 花咲が実践して書き起こした短編は、それが「オチ」になればいいな、と考えて創作しました。


 ストーリー部分のプロット内容は、ここで記すには長すぎるので、次のまとめ項目として投稿するプロット全体図に含めたいと思います。


 ここで記すプロット内容はこちら


■ 大ざっぱな設定 各種


途中で終わってしまった世界に入り込む

主人公はなろう作家

何作品も書いたが結果は振るわず

アクセス数も伸びず、あまり上手くいかず、最近はやる気が減少



 主人公の簡易的な設定と、どういう気持ちでいるか、という程度の内容です。

 短編なので、これくらいの箇条書きで良いと思っています。


 ここから本文に繋げて、考えた「オチ」に繋がっていければ、プロット内容を表現した、考えた内容を書き切ったのだと思うことが出来るのかなと。


 小さな成功体験を重ねて、完成させる経験を積めたのかなと考えております。



 最後に、この実践した短編の、自分なりに感じた反省点を記していきます。

 失敗することは恥かもしれませんが、振り返って、次は気を付けようと思えることが出来れば、必ず創作力の強化に繋がっていくはずです。

(そう思いたい)


■ 短編内容の反省点


・内容が思っていた以上にコメディにならず、暗くなった(全体方針)

・読んでいて爽快感が思った以上に表現できなかった(会話・キャラのやり取りのおかしさの表現不足)

・世界観を適当にしすぎた(なんの描写もしてないレベル)

・全体分量が想定以上に長くなった(分量を収める練習)、必要じゃない内容を削る



 それでは、今回の項目はここまでになります。

 少しでも物書きとしての力を伸ばすためのお役に立てていれば幸いです。


 次の項目にて、簡易ストーリーを含めた「プロット(設計図)全文」を投稿させていただきます。

 この項目(解説)と次の項目(設計図)、そして花咲が投稿した短編(例文)を読んでいただけると


 今回の項目にて記した「物書きのトレーニング方法」と、実践してみた花咲の頭の中が掴めるかもしれません。


 最後まで読み進めていただき、誠に有り難うございました!


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トレーニング方法を実践した例文

「神の死点~私こんな異世界転生は嫌だ~」


https://kakuyomu.jp/works/16816452221332285702/episodes/16816452221332297112


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