第42話 「プロット(設計図)の作り方」について

 それでは、今回は「プロットの作り方」や「プロットに記す内容・項目」についてを掘り下げていきたいと思います。

 物語の構築方法、物語の設計図の書き方についてですね。


 きっかけは、とある方が感想コメントにて、「そもそものプロットの書き方が分からない」と伝えてくれた事でした。

 今まで花咲は、プロットを作るにあたり、その内容の考え方を掘り下げていましたが、書き方自体は掘り下げていないのでは? と気付いてしまったからです。

(感想ありがとうございます!)


 まず最初に。

 プロット(設計図)とは、とても個人差が出るものであり、その分かりやすさは人によってかなりの違いが出ます。

(だから避けていた、という部分もあったのかもしれませんね)


 なので今回は「花咲がプロットを作るとしたら、こういう形で構築していく」という参考例として、掘り下げていきたいと考えております。

(絶対にこうしないといけない、という訳ではないので注意。参考にしても良いし、魔改造しても良い、そんな受け止め方でよろしくお願い致します)


 とはいえ、この項目は、これまでのまとめのような内容になってしまう可能性が高いです。

 目新しい考え方のきっかけにはならないかも……。

(物語の考え方や内容の掘り下げは、これまでのエッセイ内の項目にて書いてしまっているので、あまり参考にはならないかもしれません……)


 閑話休題


 それでは、ここからがプロットの参考例になります。

 下記の項目を埋めていけば、花咲が物語を書き出す前に考える必要な情報は揃うだろう、そういう書き方になっております。



① 作品を通して伝えたいテーマ・主張(&タイトル)


② 読み手に作品をどう楽しんでもらうか、という想定


③ 簡易的な世界観と舞台設定


④ キャラクターの人数・簡易的な設定内容


⑤ 簡易的なあらすじ内容・何章構成か(&各章内に盛り込む大事な要素)



 ……こんな感じでしょうか。

 まとめると、5つの項目になりました。

(特に大事なのは最初の2つです)


 さっそく、これら5つの項目を順次、掘り下げていきましょう。


■① 作品を通して伝えたいテーマ・主張(&タイトル)


 こちらは『作者自身の主張(どういう物語を書きたいか)』を考える項目になっております。

(詳しくは「14:「テーマ」と「タイトル」(感情と方向性)」という項目を参照)


 作者自身が持つ「エゴ・哲学・持論」等を、どう作品内の内容に盛り込み、エンターテインメントとして成立させるか。

 そのものをキャラクターの悩みとして組み込み、それを解決させる事で、作者の考えを伝えてもいいし、最後のオチの部分にて、ああこういう考え方もあるのか、と思われるよう構築してもいい、そんな項目です。


 この項目は、絶対に後回しにしないでください。


 これが決まらないと、作品内容の構成方向自体が、あやふやになってしまうからです。

(途中で変更してしまうとしても、まず考える、そういう癖を付けたい項目になります)


 例えばですが、作者がまず、ネット小説で人気を得たい! と考え、読者人気の高いチーレム物語を書き進めたとしましょう。

 しかし書き始め、投稿し始めた時点では、この作者は「作品を通して読み手に伝えたい主張」がない状態です。

(途中、途中で書きたい事を思いつき、それを付け足していく進め方)


 そして、読んでくれる方がそれを楽しんでいる場合、さらに危険な状態に陥ります。

 モテモテの主人公の生き様を描いていく……ですが途中で作者は、ふと思います。


 あれ、これテンプレ的すぎて、内容がちょっと浅いかな……?

 せっかく人気が出そうだし、深い評価を得る為に少しシリアス展開を盛り込んでみようかな。


 うーん、どんなものにしようか……。あ、そうだ。

 物語にありがちだけど、最終的には「主人公の生い立ちや生き方を通して、作者自身が考える不幸との向き合い方、不幸の撥ね返し方」をテーマにしてみよう!

(人が死んだらドラマになるし! 笑えて泣ける作品に昇華できる!)


 ……どうでしょうか。

 主人公がモテモテで、チート表現で爽快感を出す、そんな物語がいきなり、「あれ、なんか主人公が実は可哀そうな境遇って設定が出てきた(そんな描写あったっけ?)。しかも、今までのモテモテ表現が、不幸なんて気にしない俺カッコよくね? みたいな振る舞いになってる……。ヒロインもそんな主人公に共感して感動しだしたぞオイ……、あれヒロインの1人が主人公をかばって死んだ、この子好きだったのになぁ」


 ちょっと極端ですが、こんな形になってしまうかもしれません。

 読み手は今までシリアス展開が薄いチーレム物語を楽しんでいたのに、途中で考え付いたテーマや主張を盛り込むと、これまで楽しんできた読み手の期待を裏切ってしまう、そんな事態に繋がってしまう危険性があるのですね。


 しかし、最初に「シリアス展開を盛り込む事(シリアスなテーマ)」が決まっていると、物語の最初から、チーレム物語の中に、一歩間違えば、視点を変えれば「シリアス展開に持っていける布石や伏線」を盛り込むことができます。


 小さくとも、最初から描写されているので、読み手がその事に納得しやすいです。

 ああ、主人公が明るく振る舞っていたのは、そういう理由だったのか……。ヒロインを幸せにしようと頑張っていたのは、主人公の生まれが関係していたのか、そういう導線ですね。

(物語には不必要な描写をわざと盛り込む事は難しいです。というか、そもそも不必要だけど書いてみよう、とは思いにくいのですが)


 物語の構築、プロットの作成というのは、まず「作者がどういう物語を書きたいか」を考える。

 物語を通じて、それをどう読み手に伝えるかを、ざっくりとでもいいので考えていこう、そういう項目になります。

(全体的に一貫性を持たせた方が、読み手はその物語を楽しみやすい、そういう解釈でしょうか)


「&タイトル」と付けたのは、テーマや主張に絡めたタイトルを思いつけば、なお良い、そういう形になっております。

 正式なタイトル自体は、投稿する直前でも、小説大賞に送る直前でも構わないと思っています。

(むしろ作品を書き切る事で思いつく、という事もあるかと。もちろん途中で変更しても全然問題ないかと)



■② 読み手に作品をどう楽しんでもらうか、という想定


 この項目は、①「作品を通して伝えたいテーマ・主張」内での説明でも少し出てきました。


 最初に考えるべき内容は「作者がどういう物語を書きたいか」――

 そして次に考える項目は、「読み手がこの作品をどう楽しむのか」です。


 例えば、人気の高いチーレム物語。

(なぜ人気の高い要素を選ぶのか、それは読み手から良い反響が欲しいから、ですよね)


 主人公が異世界に転生して、神様からチート能力を貰い、敵をなぎ倒す。そしてヒロインにモテモテ。

 そういう物語を書きたいと作者が思ったとしましょう。


 その物語の楽しみ方は「チート能力」「モテモテ(ハーレム)」「マウントできる」になるでしょうか。

 言い方を変えれば、「チート能力で爽快感たっぷりに勝つ(バトル描写は格好良く!)」「モテモテハーレムの展開で承認欲求を満たす(可愛い女の子を選り取りみどり!)」「現実世界では嫌な思いばっかりだったけど、異世界に転生したら、嫌な思いをさせてきた奴らの上に立てる(ざまああああ!)」等になります。


 どうでしょうか。

 上記の、言葉の書き換えだけでも、どういう客層(読み手)向けに書くのか、そして物語の構成にはどういう要素が必要なのか、少し見えてきたんじゃないでしょうか。


「チート能力で爽快感たっぷりに勝つ(バトル描写は格好良く!)」では――


 まず、チート能力が必要ですよね。神様からどんな能力を貰えば相手を圧倒できるのか、爽快感が生まれるバトル描写を構築できるのか、考える必要が出てきます。

(相手の能力を無効化する、相手が覚えられない魔法や戦技をあっさり、等)

 能力と同時に、最大の見せ場である「バトル描写」の内容にまで、踏み込む事になります。


「モテモテハーレムの展開で承認欲求を満たす(可愛い女の子を選り取りみどり!)」では――


 まず、可愛い女の子が必要です。しかも複数人。

 髪型や髪色、性格や体型など、被らないように考える必要が出てきます。

 そして、どういう展開にすれば「その女の子が主人公に惚れるのか」も。女の子が暴漢に襲われていて助ける、でもいいし、女の子がお金に困っていて貴族に買われそうになるも主人公が貴族を成敗してお金の問題をあっさり解決する、でもいいでしょう。

(これだけで、物語のネタが2つも出来ました。上のバトル描写と絡めると、場面がイメージしやすくなりますね)


「現実世界では嫌な思いばっかりだったけど、異世界に転生したら、嫌な思いをさせてきた奴らの上に立てる(ざまああああ!)」では――


 まず必要なのは、異世界に転生することですよね。

 そして現実世界では嫌な事があった、という設定も必要です。そして登場人物の中に、嫌な奴もいります。

(現実世界に居たやつと似たような容姿・性格のキャラ)

 そして、その嫌な奴をどうやって倒すか、勝つか、どうやってイジめてやるか、どうすれば気持ちのいいマウントが取れるかを考える必要も出てきます。

(登場キャラが揃ってきましたね。主人公、ヒロイン複数、そして嫌な奴。それに世界観や初めの描写、主人公の設定も)



 という感じにて、「書きたい内容」と「どう楽しんでもらうか」が決まってくると、後々にかなり便利です。

 物語に必要な要素のほとんどが、書く前に掴めてくるようになるのです。


 この後の項目は、この時点で考えた事を整理していくだけになります。



■③ 簡易的な世界観と舞台設定


 簡易的、と付けたのは、プロット段階ではある程度考えれば、それで理解できるからになります。

(物語が破綻しなければ、書いている途中に変えてしまっても、考えながら書き進めても問題ないかと)


 これまでに考えた中で必要な要素は、バトル描写とチート能力、そして転生でしょうか。


 まず転生するのですから、地球ではありません。異世界でしょうか。

 バトル描写があるという事は、バトルが自然と発生する世界観にした方がよいでしょう。

(魔物がいるとか、魔法が使えるとか)


 総合すると「ファンタジー系の異世界」になりました。

 どういう世界観にするかは、物語に必要な要素が含まれているかどうかで、プロットに書くか決めていきましょう。


 物語の中で倒すべく嫌な奴が、貴族だったら、貴族がいて庶民がいる世界観に。

 思いついたチート能力が魔法だったのならば、魔法がある世界観に。

 魔物が生息しているなら、どういう場所で魔物と戦えるのか、どういう場所なら魔物と出会わないのか。

 ヒロインと出会う場所が街だったら、その街のざっくりとした想像図を考える。


 そんな感じですね。

 まず「どういう物語にしたいか」があれば、そこから必要な要素を抜き出せます。


■④ キャラクターの人数・簡易的な設定内容


 この項目にも、簡易的、と付けています。

 これはモブのキャラ人数や設定を示すのではなく、「物語の中に登場する主張なキャラクター」だけを抜き出しましょう。


 まず必要なのは、主人公ですね。

 現実世界では嫌な思いばかりしていた人間だったのでしょう。

(後にあらすじ内容の為に、シリアスな要素も含ませたりするのもアリ)


 最低限、絶対に必要な要素としては「名前」と「性別」や、ざっくりとした「年齢」くらいでしょうか。

 どういう性格かは、頭の中にある情報で大丈夫です。しっかりと書き出さなくても構いません。

(書いていれば、物語の描写で迷ったときにヒントになるので、情報は多い方がやりやすくはなりますが)


 優しいとか、勇気があるとか、そういうざっくりとした情報でも十分です。

 後々にでも、優しい(敵と判断した相手には冷たい)とか、勇気がある(本当は怖がりだけど勇気を奮い立たせようと頑張っている)とか、そういう形で捕捉していければ、どういうキャラクターかイメージしやすくなっていくでしょう。


 年齢が必要なのは、性格の成熟度、というイメージを頭の中で固めるためです。現実世界の人間を思い浮かべ、自分が書きたい物語の主人公は、どれくらいの落ち着き度、どれくらいの知識を持っていて、どれくらいの経験をしているか、ですね。

 物語が破綻しない形で、変更しても問題ないと思います。あくまでイメージです。


 次は順番的に、ヒロインを考えましょうか。

 モテモテハーレム物語なので、ヒロインの数は2人以上になりますね。

 前半で1人、後半で1人にモテる物語を1巻分の構成にするとしたら、書き出すのは2人分です。

 1巻分で1ヒロイン、という形なら、この場合は1人分のヒロイン設定で大丈夫でしょう。


 その時に必要なのが「名前」、「性別」と「年齢(イメージ)」、そして「困っている事」です。

 その困っている事が「容姿が良くて異性から目を付けられやすい」なら、ヒロインが暴漢に襲われている所を主人公が助ける、後は主人公が側にいれば暴漢に襲われない、という状況で、ヒロインから好かれる導線が出来るでしょう。

 ヒロインが「お金に困っている」なら、貴族に目を付けられ、借金の形に買われてしまう、それを主人公が助けると、ヒロインと結ばれるでしょう。


 次は、嫌な奴の設定を考えていきましょうか。

 嫌な奴も同じく「名前」「性別」「年齢(イメージ)」、そして「どう嫌なやつか」でしょうか。

「暴力的な嫌なやつ」なら、ヒロインを襲う暴漢役に配置しましょう。そしてチート能力で爽快感たっぷりに倒しましょう。

「権力を使って人を陥れる嫌な貴族」なら、お金に困っているヒロインに絡む貴族に配置しましょう。そうすれば、実はヒロインがお金に困っている原因にも絡めていけますね、諸悪の根源です。街の金融を支配していて、庶民がお金に困るように手配しているのです。



 ……こんな感じでしょうか。

 設定を整理していくと、物語の構成も見えてきますね。



■⑤ 簡易的なあらすじ内容・何章構成か(&各章内に盛り込む大事な要素)


 この項目は、これまでに考えた内容の整理です。


 あらすじ内容を、そうですね……3行から5行くらいでまとめられれば、簡易的でしょうか。

(花咲のお仕事中の感覚でも、それくらいかと)

 箇条書きで全然、問題ありません。


 例としては――


・現実世界で嫌な思いをしてきた主人公が、とあるきっかけでファンタジー的な異世界に転生する

・神様からもらったチート能力を使って、現実世界では出来なかった行動を取る

・知り合ったヒロインを助けたり、悪いことをする嫌なやつをやっつけたり

・主人公は、そういう行動を取ることにより、これまでの人生経験も無駄ではなかったと思うようになる


 ……うん、こんな感じでしょうか。


 次は、この物語は何章構成なのか、そして各章の構成内容ですね。

(&各章内に盛り込む大事な要素)


 これは、どれくらい長い物語を書きたいか、なので、この時点では適当に考えていきましょう。

(途中で変更を余儀なくされる場合もあるでしょう。諸事情で内容を削ったり、付け足したり)


 この場合は例を挙げるので、分かりやすい4章構成にしましょう。

(起承転結にも絡められますしね)


 1章――

 この構成における大事な要素は、「読み手に作品をどう楽しんでもらうか」の想定をきちんと読み手に示すことです。

 上記の例をまとめると、「チート能力」「モテモテ(ハーレム)」「マウントできる」ですね。


 物語を読み始めた読者が、「ああ、この物語はこういう物語なのか」「主人公はこういう事をしたいんだな」というものを、無意識にでも理解する項目です。


 主人公は現実世界で嫌な想いをしてきているので、どうしてそう思っているのか、という設定や考え方を伝えられればベストです。

 異世界へ転生し、神様からチート能力を貰う。それを確認した主人公が、今度こそは「嫌な思いをしないよう頑張ってやる(女の子にモテたり、嫌なやつにはちゃんと歯向かってやる!)」という決意や考え方が見える形でしょうか。


 そして、ハーレム物語の大事な要素である、ヒロインとの出会いを含ませましょう。

(ヒロインが困っている場面、で締めると、2章に繋ぎやすいでしょうか)


 現実世界で、嫌な思いで悩んでいる主人公が転生する

 神様からチート能力をもらう、そして異世界に転生したと確認する

 決意を抱く、現実世界とは違った生き方をするぞ!

 ヒロインとの出会い、そして何やら困っていると確認する


 2章――

 この構成における大事な要素は、物語における「問題定義」や「解決」の道筋を示すことです。

(異世界ならば、世界観説明をここでするのもアリ)


 ハーレム物語や、マウントならば、その一例をこの章で出すと、読み手がこの物語の「楽しみ方」を肌で感じられるようになります。


 1章で出会ったヒロイン①が、どういう問題に困っているのかを理解する。

 そして、主人公が貰ったチート能力でそれを解決する。

 ヒロインからの好感度が上がる。そして、ヒロインから、この世界の状況を説明してもらったり。


 3章――

 この構成における大事な要素は、「作品を通して伝えたいテーマ・主張」を絡めた問題が発生することです。

 この例の場合は、最初の方で書き連ねた「主人公の生い立ちや生き方を通して、作者自身が考える不幸との向き合い方、不幸の撥ね返し方」をテーマにしてみよう、でしょうか。

(後付けで考えたのではなく、最初から含ませる場合ですが)


 それは本人の努力ではどうにもならない問題、現実世界では撥ね返すことが出来なかった不幸、という形になるでしょう。

 そこに、まだ登場していないヒロイン②を絡めましょう。


 ヒロイン②と出会い、その子が困っている事情を確認する。

 それは、どこか現実世界で主人公が困っていた事情と似通っていた。

 その不幸を引き起こす嫌な奴が登場する(2章で登場した暴漢と関係性があったらなお繋がってくるか)

 ヒロインを助けたい、けれどトラウマもあり、動くのが怖い


 そんな引きで終わったら、4章の解決編に繋がっていくでしょうか。


 4章――

 最後の章における大事な要素は、「作品を通して伝えたいテーマ・主張」を絡めた問題が解決することです。

 そして、その解決方法に「読み手に作品をどう楽しんでもらうか」を絡めることになります。


 ヒロイン②が、主人公も現実世界でぶち当たった困難に悩んでいる。

 主人公はトラウマを乗り越え、チート能力を使って、その困難を発生させている嫌なやつをぶっ倒す。

 ヒロインが救われた様子を見て、主人公自身も救われたような気持ちになる

 現実世界での嫌な経験があったから、この世界では動く勇気が出た(自分と同じ思いをする人を見たくない)

 主人公は、そういう行動を取ることにより、これまでの人生経験も無駄ではなかったと思うようになる



 ……とまあ、3行~5行くらいで、簡易的に内容をまとめていきました。

 どうでしょうか。なんとなくですが、物語におけるプロット(設計図)の作り方、考え方を伝えられたでしょうか。


 ちょっと見づらいかもですが、こんな感じです。

 という訳で、最後にまとめた内容を書き連ねていきますね。

 下記のものがテンプレ的なプロット、花咲が物語の構成に必要だと思う情報をまとめた設計図になります。

(少しでも、参考になれば良いのですが……)


★★★★★★★★★★★★★★★


① 作品を通して伝えたいテーマ・主張(&タイトル)

・主人公の生い立ちや生き方を通して「作者自身が考える不幸との向き合い方、不幸の撥ね返し方」を伝える

・タイトルは「不幸だった俺が転生して可愛い女の子を救う事でめっちゃ幸せになる!」

(めっちゃ適当なので、こちらは参考にならないかも笑)


② 読み手に作品をどう楽しんでもらうか、という想定

・「チート能力で爽快感たっぷりに勝つ(バトル描写は格好良く!)」

・「モテモテハーレムの展開で承認欲求を満たす(可愛い女の子を選り取りみどり!)」

・「現実世界では嫌な思いばっかりだったけど、異世界に転生したら、嫌な思いをさせてきた奴らの上に立てる(ざまああああ!)」


③ 簡易的な世界観と舞台設定

・ファンタジー的な異世界

・舞台は、圧倒的な権力を持つ貴族に庶民は逆らえないとある街


④ キャラクターの人数・簡易的な設定内容

・主人公

 不幸タロウ(名前)、男、16歳

 チート能力は「めちゃすごい魔法」

 性格は「優しい(敵と判断した相手には冷たい)」「勇気がある(本当は怖がりだけど勇気を奮い立たせようと頑張っている)」


・ヒロイン①

 美人モテコ(名前)、女、17歳

 器量良しの為、よく異性から絡まれる

 性格は、内気ではっきりと意見を言えない


・ヒロイン②

 金銭ナシコ(名前)、女、14歳

 親が亡くなっており貧乏生活、借金がある

 性格は、健気で年齢の割に大人っぽい


・嫌なやつ

 胸糞ジロウ(名前)、男、35歳

 街を牛耳っている貴族、圧倒的な金を用いて横暴な真似を繰り返す、スケベ

 性格は、すぐ暴力に訴える、自分が一番偉いと思っており野心家


⑤ 簡易的なあらすじ内容・何章構成か(&各章内に盛り込む大事な要素)

あらすじ

・現実世界で嫌な思いをしてきた主人公が、とあるきっかけでファンタジー的な異世界に転生する

・神様からもらったチート能力を使って、現実世界では出来なかった行動を取る

・知り合ったヒロインを助けたり、悪いことをする嫌なやつをやっつけたり

・主人公は、そういう行動を取ることにより、これまでの人生経験も無駄ではなかったと思うようになる


全部で4章構成

1章――

・現実世界で、嫌な思いで悩んでいる主人公が転生する(これはプロローグでも良い)

・神様からチート能力(めちゃすごい魔法)を貰った、そして異世界に転生したと確認する

・決意を抱く、現実世界とは違った生き方をするぞ!

・街につく、ヒロイン①と出会う、そして何やら困っていると確認する

(暴漢に襲われている)


2章――

・ヒロイン①が暴漢に襲われているので、めっちゃ怖いけど介入する

・神様から貰った、めっちゃすごい魔法を使って助ける(暴漢は逃げる)

(暴漢は名前なし・モブとして描写する)

・助けてもらったヒロイン①は、主人公に好意を抱く

・ヒロイン①との会話から、この街がどういう街かを確認していく

(横暴な貴族が支配する街、庶民は泣き寝入りが多い)

・主人公のチート能力を褒めるヒロイン①、それがあれば街での仕事は困らないと太鼓判


3章――

・ヒロイン①の紹介で、仕事を紹介してくれるというお店に行く、ヒロイン②と出会う

・ヒロイン②が、仕事を紹介してあげたいけれど、今はちょっと私事で手が回らない、という事情を確認する。

・ヒロイン②は早くに親を亡くしており、お金に困っている、借金の返済期限が迫っており、このままでは身体を売るしかない

(それは、どこか現実世界で主人公が困っていた事情と似通っていた。本人ではどうしようもない困難)

・その不幸を引き起こす横暴な貴族が登場する、ヒロイン②を脅す

(2章で登場した暴漢との繋がりあり、主人公の情報を持っている)

・ヒロイン②を助けたいが、現状ではまだ貴族に正当性があり、期限内に助ける方法が分からない

(横暴なやつにトラウマもあり、そういう奴を相手に動くのが怖い、という心理描写も)


4章――

・せっかく異世界に転生したのだからと、勇気を出して、ヒロイン②と助ける決意を秘める

(ヒロイン②はもう諦め状態、そんなところも過去の主人公と似ている)

・どうして借金が出来たのか、という事情を掘り下げていき、その経緯に違和感を抱く

・貴族が無理やりに借金を作ろうと不正を働いた証拠を集めていく、その途中で貴族子飼いの強敵との戦い発生

・チート能力を使って強敵を倒す。集めた不正の証拠を用いて、貴族を追い詰める。ヒロイン②を救う

・ヒロイン②が救われた様子を見て、主人公自身も救われたような気持ちになる。現実世界での嫌な経験があったから、この世界では動く勇気が出た(自分と同じ思いをする人を見たくない)

(主人公は、そういう行動を取ることにより、これまでの人生経験も無駄ではなかったと思うようになる)


・最後にちょっとしたエピローグを

 好感度マックス状態のヒロイン①とヒロイン②が、主人公を取り合う(ハーレム完成)


★★★★★★★★★★★★★★★


 はい、という訳で、参考例を交えた「プロットの作り方」や「プロットに記す内容・項目」についての掘り下げでした。


 重要な項目は、まず「どういう物語が書きたいか」を考えて、次に「読み手に作品をどう楽しんでもらうか」を突き詰めていく。

 そこから、物語に必要な要素を抜き出していく、という形を取れば、考える項目が無駄にならないよう、物語に配置していけると考えています。


 少しでも、プロットの作り方に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。


 それでは、次回の項目は、「インプット」と「アウトプット」という事柄を掘り下げようかと考えております。

(現状あまり内容がまとまっていないので、少し更新が遅くなってしまうかもしれません)

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