第29話 「読点」と「句点」(てにをは)

 今回は文章を構成する際の『読点』と『句点』についてを掘り下げていきたいと思います。


 そして、その基準の一つとなる『てにをは』の気を付け方、考え方になるでしょう。


 まずは、最初に断りを入れさせていただきます。

 実はこの項目は、その内容を上手く伝えられるか、少し不安な部分なのです……。

(分かりにくかったら申し訳ありません)


 なんとか一生懸命、伝えやすくなるよう書き連ねさせていただきます。

 それでは、元気よくいってみましょう!



■『読点(、)』は、文中の途中に区切りを付ける際の記号です。


■『句点(。)』は、文の切れ目にうつ記号です。



 文章構成の基本ですね。


 ですがこの句読点は、作者によって「文中のどこに入れるか」という基準が顕著に現れるものになります。


 ラノベや一般文芸など関係なく、作者の個性として表に出てくる記号でしょう。


 今回の項目で特に注目するのは「読点(、)」の方になります。


 おそらく句点は、ほぼどんな作者でも同じような感覚で入れていくでしょう。

「文の切れ目」というものは明確な基準であり、作者の感覚の差が及ぶ余地がほとんどないからです。


 ですが――「読点」は違います。


 一般文芸に慣れている方は、ほとんど入れない形を好む方もいらっしゃるでしょう。

(縦書きの文章だと、あまり入っていなくても、何故か気にならない場合が多いです)


 逆に「読みやすさ」を重視する文体を突き詰めていくと、細かく読点を入れ過ぎてしまい、むしろ読みにくくなってしまうという例もあります。

(花咲はこのパターンが多いです笑)


 その気を付け方、考え方の基準として花咲が使用している軸は――


『声に出して読んでみる』というものになります。

(結構この考え方は、多いんじゃないかなと思われます)


 ゲームシナリオのセリフには、声優さんが「音声」を当ててくれます。


 それは、貴方の書いた物語が本になり、アニメになり、実写ドラマや映画になった際にも同じ事が言えるのでしょう。


 だからこそ書き手は、「声に出してみて違和感のない」文章を構成する必要が出てきます。


 役者がその文章を読んだ際に、スムーズな演技が出来る文だと感じてもらえれば、花咲はそれが「文章力が高い」と判断します。

(これが結構難しく、収録の際に声優さんから指摘が色々と入るらしいのです。声優さんそれぞれに、こだわりやブレスの入れ方があるので、花咲が入れた読点を気にせず読む方も多いですね笑)


 この「声に出す」という基準は、セリフでも、地の文でも変わりません。

(文を読み上げてみて、読み辛いと感じる部分に読点を入れてみると良いでしょう)


 その基準となる考え方は、「意味」と「息継ぎ」です。


「意味」の分け方は、『5W1H』に関係してきます。


 いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)


 この区切り毎に「読点(、)」を入れると、文章を整理できます。

(声に出してみて、繋げてもいいと感じた部分には読点を入れる必要はありません)


 それに加えて「息継ぎ」する部分を気にして読点を入れていけば、声に出して読む際に「読みやすく」なっていきます。


 そして「読みやすい」とは、文章の意味を「伝えやすくなる」という事に繋がっていきます。

 どうでしょう、読点を入れる基準を少しでも伝えられたでしょうか。


 この時点では、なんとなく意味が伝わっていれば大丈夫です。

(まだ続きがあります)


 閑話休題


 それでは、読点を入れる場所の考え方に関連する「てにをは」についてを掘り下げていきます。


 そもそも「てにをは」とは何か?


 ――それは、文中の単語や表現を繋ぐ『格助詞』の事を示しています。

(なんだか国語の授業みたいになってきたぞ……)



■『格助詞』


「が」「の」「を」「に」「へ」「と」「より」「から」「で」 等



 文中にある単語や表現を繋げる「文字」のことを言います。


 まず最初に、先輩(というより上司)ライターさんから教わった「気を付け方」を記させていただきましょう。


 それは、実に単純で、難しく考える必要のない「注意点」になります。



 段落内や一文内に、可能な限り『同じ格助詞を使用しない』――



 これが文章を読みやすくする為の「気を付け方」「考え方」になります。


 とはいえ駆け足すぎて、なーにを言ってるんだね君は、と思う方もいらっしゃるでしょう。


 という訳で、例文を用意させていただきました。

(項目の一番最初の文章を持ってきただけですが)



●例文――


①今回は文章を構成する際の読点と句点についてを掘り下げていきたいと思います。

(原文)


②今回「は」文章「を」構成する際「の」読点「と」句点「に」ついて「を」掘り下げていきたい「と」思います。



 上記の文章パターン②に入っている、括弧内のものが「てにをは(格助詞)」です。


 同じ格助詞が乱立(連続)していると、読みにくいというよりも、文章として成立していないか、『5W1H』が間違っている可能性もあります。


 それは文章を構成する際に多用する『接続詞』も、同じことが言えます。



■『接続詞』


「だから(それで)」「けれども(しかし)」「および(ならびに・また)」「さらに(そのうえ)」「つまり」「または(もしくは)」「ところで(さて)」 等



 段落内や文中に、同じ「格助詞」や「接続詞」が入っていると、読み辛くなってしまう。


 それを文章構成の基本筋としてください。


 とはいえ、これは意識する事は出来ても、絶対に同じ格助詞を使用してはいけない、という訳ではありません。


 あくまで『意識して気を付ける』という形で考えましょう。


 本一冊分の物語を構築していると、文字数が10万文字~15万文字ほどになっていきます。


 それほどの文章の構成していると、どうしても段落内や、文中内に同じ「てにをは(格助詞)」を使用する場合が出てきてしまうのです。


 そこで活躍するのが――「読点(、)」になります。


 上記の例文では、格助詞「を」「と」が、同じ文中に入っていますね。



●例文――


①今回は文章を構成する際の読点と句点についてを掘り下げていきたいと思います。

(原文)


②今回は文章「を」構成する際の読点「と」句点について「を」掘り下げていきたい「と」思います。



 この括弧内の格助詞は、同じ使用用途で文中に入っています。


 ですが連続してはいないため、極端に読み辛くはないでしょう。

(きっと、おそらく)


 この文章をもっと読みやすくする為に――「読点」を使用していきます。



●今回は文章を構成する際の、読点と句点についてを、掘り下げていきたいと思います。



 ……どうでしょうか?

 ほんの少しだけ、「声に出して読みやすくなった」と思いませんか?

(思えなかったら、ごめんなさい)


 これは文中に「読点」を挟むことで、同じ格助詞の「位置を離した」からになります。


 読点で文を区切ることで、文中に同じ「てにをは」が入っていても、連続(乱立)していない形に置き換えられるからですね。


「てにをは」に注意して文章を構成するとは、こういった考え方になっております。


 実は文章力向上のお手伝いに入ってから、花咲はこの「てにをは」で既にミスをしている部分があります。


 それは――『読み手に余計に考えさせている』という文章です。


 どうでしょうか。

 声に出して読むと、格助詞の「に」が連続しているため、少し読み辛いと感じませんか。


 それを意識して調整する場合は、こういった形になるのでしょう。

(括弧表現を使用した応用編も載せます)



●例文――


①読み手に、余計に考えさせている


②読み手に余計な事を考えさせている


③読み手に「余計に」考えさせている



 このパターンのどれもが、「てにをは」を意識して調整した文章になります。

(パターン①は間に読点を入れる事で、格助詞の位置を離している)


 しかし無理に調整をしてしまうと、文章のニュアンスが変わってしまう場合があります。

 パターン②の文章が、花咲にとって、まさしくそれに当たります。


 ちょっとした違和感ですが


「読み手に余計に考えさせている」

「読み手に余計な事を考えさせている」


 という文章は意味が違います。

 だからこそ、花咲は「てにをは」を意識しない形で載せてしまったのですね。



 パターン③の文章は、括弧(「」)という表現を使い、格助詞の位置を少しだけ離したものになります。

(こちらは、強調表現も兼ねられるものです)


 これはエッセイだからこそ使用しやすいものであり、物語の中では多用できないと思うので、あまり気にしないでください。

 こういう回避方法もあるんだと、思っていただければ嬉しいです。



 という訳で、今回の項目は文章を構成する際の「てにをは」について。

 そして、それを意識する際の「読点」による読みやすさを追求する考え方になります。


 当エッセイにより、少しでも「読点」の入れ方、「てにをは(格助詞)」を意識した構成方法の意味合いを伝えられていれば幸いです。


 なんとか頑張ってみたのですが、花咲の実力では、この解説具合が限界でした……。

(よく意味が分からなかったという方は、申し訳ない)



 次回は、うーん、どうしましょうか。

 項目内で触れられる部分がなかったので、リストのどこからでも書けますね。


 うむむ、物語の構成の順序から考えると……「一人称と三人称」から攻めた方が良いんでしょうか。

(希望があれば、そこからいきます。感想などにて気軽にどうぞ)


 こちらは「一人称視点の文章」「三人称視点の文章」という意味合い。


 そして「一人称視点の物語」「三人称視点の物語」という、2つの解説になるでしょう。


 当エッセイを読んでくださり、ありがとうございました!

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