第12話 ※急遽「プロット通りに書く」という意味
あぁ~……まーた、失敗してしまいました。
ここまでの数回を読んで「プロットから変更して物語を書いても良い」という結論に達してしまっている方に、本当に謝らないといけません。
誤解を招く書き方をしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。
ここから先に書き連ねていく考え方は、「物語でお金を稼ぐ」道を歩む気がない方にとっては、何の意味もない注意点です。
ですが「自分の物語を仕事にしたい」と少しでも見据えている方は、いち物書きとして、どうかこの結論を無理やりにでも納得していってください。
そもそも――プロット通りに書けないと、大概の場合はお金が発生しません。
(実際、花咲樹木も仕事の場では、作成したプロット通りに物語を書いています)
なぜ、こう言い切れるかと言うとですね。とても単純な「世の中の仕組み」になっております。
物書き、という単語が誤解を招いているのかもしれません。
例として、建築業でお金を稼ぐ大工さんを思い浮かべてみてください。
設計図を書き、実際にお金を払う立場である「お客さん」に承諾を頂きました。
これで、実際に家を建てるという作業に入れます。
でも作業をしている途中で「あ、もっといい設定を思いついた」と、設計図を書き直して、家を完成させていきます。ふう、頑張って素晴らしい家を建てたぞ!
【お題】――完成したその家は、お客さんにどう思われるでしょうか?
多分というか確実に、「やり直せ」と「お金なんか払わない」と言われると、花咲はそう思っています。
どうでしょうか。これが物書きにとっての、プロット通りに物語を書かない、の実体です。
プロットとは『設計図』であり、企業や出版社は『お金を出す立場』です。
現実において、それを無視したらどうなるかは、簡単に想像がつくと思います。
相手からしてみれば、せっかく打ち合わせしてゴーサインを出したのに、作者が勝手に「こっちの方が良いと思いました」と変えてきたのです。
そんな作品に、果たしてお金を出したいと思うでしょうか……?
そんな作者を相手に、次も一緒に仕事がしたいと、思ってもらえるでしょうか?
一度失った信用や信頼を回復するのは、最初に構築するよりも難しいです。
どうか、こういった行為をしてしまう前に、癖を直していきましょう。
はい、という訳で「プロット通りに作成する」という事の大事さを、どうにかようやく伝えられたかなと思っております。
誤解を招く書き方をしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
花咲が拙作でプロット通りにいかない場合が多かった、と書いたのは、この作品にお金がかかっていないからです。
趣味で書いた私小説だからです。
これから初めて物語を書く、という方は、あまり気にする必要はありません。
(覚えること、考えることが他にもいっぱいあると思うので、ここを気にしていたら書けなくなってしまいます)
ですが一度でも物語を書く経験を積んだ方は、どうか「作成したプロット通りに書く」練習をしてみて、その中で最大限の面白さを表現できるように考えてみてください。
それが、プロとしての『個性』として認識してもらえるようになっていきます。
物語でお金で稼ぐことを目標にしている方は、どうか当エッセイを読んで「プロット通りに書かなくても大丈夫」と結論を出すことはないよう、伏してお願い申し上げます。
小説作家の場合もそうですが、シナリオライターという職業では特にそうです。
そもそもが、企業側から依頼された「プロット」で物語を書くことが多いのです。
それを勝手に変えて書いてしまったら、企業の内部で進めていた別部署の方々の作業に合わなくなってしまいます。
(イラストレーターやCG、スクリプトやシステム等)
ふざけんな、と一蹴されてお終いです……。
その時点でライター人生が終了します。
当エッセイを読んでくださった方には、どうか「設計図」通りに物語を書く癖をつけて欲しいと、そう願っております。
お金を対価に物語を書くというのは、まずお金を出す側の信頼を得なければいけない、ということを、無理やりにでも納得してもらえれば、嬉しいです……。
という訳で、当エッセイを読み返してみて、青ざめてしまった花咲樹木が、急遽差し込ませていただいた『プロット通りに書くという意味』でした。
次回は前回の宣言通り、キャラについての三番目である「悪役の作り方」を書き連ねていきたいと考えております。
誤解を招く書き方をしてしまい、深く反省しております。
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