第4話 自己分析の方法
それでは、今回は『自己分析の方法』についてを掘り下げていきます。
前回の項目では、自分を知るという言葉の内訳を
・自分が面白いと感じる部分を理解する。
・自分の好きなジャンル、作品の傾向を知る。
という形に定義付けさせていただきました。
では、それをどうやって把握するのか?
それはとてもシンプルで、簡単な方法です。
① 自分の本棚を見てください。
② 買ってきた小説、漫画、ゲーム、アニメや映画(DVD・BD)等を並べて見てみてください。
③ 毎週かかさず見ているテレビ番組や、ドラマ等を思い出してみてください。
それが「貴方の感性に向いている」ジャンルです。
(適性があるかは別です。その事については別項目で触れますが、今回は自分の好きな傾向を知るということに焦点を当てていきます)
むむ? なんだか、ジャンルがバラバラだなぁ~という感想は、当然あると思います。
しかしそこは気にしなくても大丈夫です。それだけ、貴方に向いている分野が広いということです。
そしてそれは、いくつジャンルがあっても問題ないどころか、作り上げることの出来る物語の可能性が広がっているという意味合いに変わります。
物語にはジャンルというものがあっても、一つの要素のみで構成されている作品はありません。
今回の項目では深く掘り下げませんが、例えばファンタジー小説は「ファンタジー部分のみで構成されている訳ではなく、恋愛要素やヒューマンドラマ、作風によってはコメディ、果てはバトルや推理もの」といった要素が入っています。
(お堅い時代小説にだって、恋愛要素は入っています。キャラが登場して、人間関係が構築されてしまえば、ほぼ全てのジャンルの要素が必要になってくる可能性があるのです)
一つのジャンルだけを学んでいても、作品の質は向上していかない。
それを念頭に置くことで、様々なジャンルに手を出してみる理由が出来てきます。
(今まで興味がなかった分野に、自分の作品を面白くする要素が隠れている可能性があります)
ちなみに花咲樹木の本棚は、当然のごとくライトノベルが多いです。
一般的なオタクですので。オタク的なジャンルはことごとく好きです。
しかし好きなジャンルを一つ挙げるのであれば、実は『推理小説』を愛しております。
(物書きを目指した当初は、推理ものを書き続けていました。赤川次郎先生の作品を学生時代によく読んでいたなぁ……)
……えぇ? と思う方がいたら、その疑問は当然だと思います。
その理由は一度、拙作である『貴方の願いを叶えましょう。ただし貴方の夢は叶いません。』を読んでもらえたら分かってもらえるでしょう。
はい、ジャンルが推理ものではありませんね。むしろ知性足りていない系のセリフが多いです。
しかし、その『好き』や『好んだ作品の傾向』が無駄になったことなどありません。
推理ものを書いたことで学んだ「布石の置き方」が、ほぼ全ての物語に生かされることになったからです。
自分の好きな傾向が、自分の物語の『力』になったのです。
ジャンルのそれぞれに、物語を構成するにあたり必要な要点が込められています。
(その事についても、いつかの項目で掘り下げます)
自分の好きな傾向を理解し、作品の構造を解析し、考えることで、その要点を自分の中に取り込んでいったのですね。
閑話休題。
自分の好きな作品群を、そのジャンルを、なんとなく把握できてきたでしょうか?
ジャンルがバラバラなら、その分だけの可能性が。
そしてジャンルに統一感が見えてきたら、そこを一度、深く追求してみましょう。
それは間違いなく、自分が面白いと思うジャンルだからです。
面白いの基準が自分の根底にあるため、自分が書きあげた物語について“他人にとって面白いかどうか”の判断が出来ます。
知らないジャンルについての面白さは、自分で判断することが難しいのです。
さて、それでは。
『自分がどういう物語や表現を面白いと感じ、どういうジャンルの物語を書きたいか理解し、物語の中にどういうテーマを盛り込みたいか知る』
この段階で「どういう物語や表現を面白いと感じる」と、「どういうジャンルの物語を書きたいか理解する」が、だんだん自分の頭の中に染み込んできたかなと思います。
(この時点では、完璧に把握する必要などありません。なんとなく、で大丈夫です)
エッセイでの掘り下げが遅くて申し訳ないのですが、まだ全然「物語を書く」段階にないからです。もっと自分を知り、丸裸にしていきましょう。
自分の好きなジャンルや傾向、作品群を分かってきたら、妄想の世界に身を投じてください。
・好きな作品を見て、自分ならこうするのに、と思ったら、もうそこに才能が眠っている。
・書きたい、自分の物語に盛り込みたい場面を思い浮かべて、好きなジャンルの要点を頭で納得する。
しかし、そこに実は落とし穴があります。
書きたい方向性は分かったのに、適性があるかどうかは分からない、ですね。
それぞれの頭の中身が“物語の”実力の差です。それは頭の回転の早さや地頭の良さ、単語や内容の暗記力や勉学としての知識量がものをいいます。
作品の質は、そのまま直接「ネタ」や「アイデア」を思いつくかどうかにかかっています。
(思いついたネタを、作品としてまとめる力も関わってきますが。それはまた今度)
それは、どれだけ頭の中に『中身』が詰まっているかです。
好きな分野というものは、自動的に知識が吸収されていきます。
誰から促される訳でもなく、苦労を感じることもなく、自分の意思でどんどん学んでいきます。それは無意識下で行っている練習や学習、そして努力なのです。
ここで注意して欲しいことが一つ。
物書きにとっての『上達方法』とは、物語を書くことではないのです。
(これはエッセイ内の【上達と努力】の項目でも軽く触れましたね)
そしてここからが、面倒くさがりの真骨頂、花咲樹木が勧める勉強方法です。
ズバリ――たくさん、プロの作品に触れましょう!
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