第2話 「上達」と「努力」

 はい、どうも花咲樹木です。

 今日は名前だけでも覚えていってもらえればなと思います。

(わーパチパチパチ)


 という訳で『考える』ことを主軸に、初回はサブタイに入っている『上達』と『努力』ということについて、カキカキしていこうと思います。

 どうかお付き合いいただければ幸いです。


 このエッセイは、物語を面白く書きたい、と悩んでいる方や、物語の書き方が分からない、という方へ向けて書いていこうと思うのですが……。


 まず、小説を書いている皆様方へお聞きしてもよいでしょうか。

(不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません)


【お題】――貴方が書いた物語は面白いですか?


 ……はい。そんなの当たり前ですね。考えるまでもありません。

 貴方の書いた物語は、面白いんです!!


 これは断言できます。


 しかし、それではなぜ思う通りに評価を貰えないのか?

 それは『作者さん以外の読者にとって面白いかどうか分からない』からです。


 自分が物語を書く時は、自分が面白いと感じるように書く。それが基本筋です。

 それをしないままに、読者の方に評価をいただいている方、貴方は天才です。物語を面白く書く才能があります。

 このエッセイを読むと、逆に自身の魅力を損なう危険性があるので、今すぐブラウザバッグしましょう。


 閑話休題。


 それでは、物語を書くにあたり、絶対に必要なこととは何か?

 それは考えること。考えずに、物語を書くことは出来ません。


 何を当たり前のことを言っているんだと思っている方、その通りです。


 しかしその当たり前を突き詰めていくことが、物語を面白く書く上で絶対に必要になります。

 これが他の職業ならば、少し事情が違ってくるのでしょう。考えることの他にも、必要になってくるものがたくさんあるのだと思います。


 クリエイター、何かを作ろうとする方は、必ず一度は悩むはずです。

 どうすれば自分の作品の質を高められるのか、と。


 例えば、ライトノベルには必須なイラスト業でお金を稼ぎたいと思っている方へ。

(これからエッセイに何度も登場するであろう)プロのイラストレーターを務めている友人Oくんに訊いてみたことがあります。


 ――イラストを描く事が上手くなるには、どうしたらいいのか?


 友人Oくんの答えはこうでした。


「プロになって描くと上達が早いよ」


 ……え? と思いませんか。

 それでは本末転倒でしょう。だってほとんどの人は、プロになってお金を稼ぐ為に上達したいと考えているのですから。まずそこまで辿り着く方法を教えて欲しいものです。

 それでは助言として、あまりにも、あまりにもだろうと続きを催促した事で、もっと色々な事を教えてもらいました。

(ちなみに花咲はイラストレーターを別に目指していません。世間話の一環でした)


「毎日イラストを書くこと」

「好きなイラストレーターさんの絵を模写すること」

「自分のオリジナルイラストを描くこと」


 他にも細かな技術的なことを教えてもらいましたが、要約するとこれでした。


「毎日イラストを書くこと」

(出来れば一日の中で、数時間をイラスト作業にあてる)

 → 描かないままに日が経つと、確実に下手になる


「好きなイラストレーターさんの絵を模写すること」

 → プロとして活躍している方、自分が真似したいと思う方の技術を指や手に馴染ます、その線の書き方を理解する


「自分のオリジナルイラストを描くこと」

 → 真似だけでは足りない。構図や場面など、自分で一から書いていかないと上手くならない


 という内訳になるんだと、話を聞いて思いました。

 ああ、なるほど。要は毎日『努力』すると上手くなれるのか、と。そして『努力を続けないと上達しない』のか、と理解し、自分にイラストレーターは無理だと頷くことになります。

(過去に一度、イラスト描きに挑戦してみたことがあります。三日も持ちませんでした。坊主にも負けます)


 そして「プロになって描くと上達が早い」の意味はこれでした。


 ――お金の対価として認められるほどのイラストを用意する。


 なるほど……。

 確かにお金を貰ってイラストを描くなら、その都度、本気になるよなぁと思ったのです。


 ここで最初に確認した【お題】に話は戻ります。


 貴方が書いた「自分が面白いと感じた物語」は、企業や出版社がお金を払って世間に売り出すほど――「読者に面白いと思ってもらえる物語」なのか。


 そう訊かれると、「面白い!」と断言するのは難しいんじゃないでしょうか。

(挑発している訳じゃないんです。うぅ、ごめんなさい)


 自分はお金の為に書いている訳じゃない。

 書きたいから書いているんだ、という方でも、それでも「自分の作品を読んだ人には面白いと感じて欲しい」んじゃないかと思います。


 つまり読者の存在は、面白い作品を求めていく上で無視できない存在なんですね。


 自分だけの面白さを追求しても、どこかで限界がきてしまうのだと思います。


 自分が面白いと感じつつ、読んだ人が面白いと感じる物語。

 読者全員が、とは言いません。1000人に1人が面白いと感じるものを、100人に1人が面白く感じるものに持っていきたい、そんな最大公約数の範囲を探っていきましょう。その長く果てしない旅に、花咲樹木も付いていきたいです。


 読んだ人が必ず「面白い」と感じる物語を書くことが出来た――


 この境地に辿り着けたら、その人はもうプロの作家です。

 自分の書いた物語で、お金を稼げます。印税でウハウハです(たぶん)


 そうなれるように、頑張りましょう。頑張っていきたいです。

 目指せ不労所得!


 ですが、イラストレーターさんの例でも確認してみた通り、プロの目線で上達法を実行すると、それは『継続的な努力』しかないように思えます。


 しかし、安心してください。


 継続的な努力とか、かったり~……とか思っていても、大丈夫。

 それが出来たら苦労はねぇよと、当然のように思うでしょう?


 ふふ、それが居るんだぜ。


 ここに丸二年、一切小説を書かない状態から、一気に『物語でお金を稼ぐ立場』に昇格できた人物がいます。

 そう、面倒くさがりの真骨頂、花咲樹木その人です。


 断言します――物語を書く上で、継続的な努力など必要ありません。


 いえ、というよりは努力の方向性が違うんです。

 物語を書く上で絶対に必要なことは『考える』ことです。


 つまり、物語を書く上では『考える』ことが『努力』という言葉に切り替わります。


 そう考えると、少しは楽そうに見えませんか?

(実際に物語を書くと、その行為が楽じゃないと気付くのですが)


 考えることを、毎日数時間以上など、容易いものです。


 だって日々、何も考えていない人などいません。誰もが毎日悩み、生きています。

 ですが、その考え方を少し探ってみることで、それは継続的な努力に成り得るのです。

 それでは、次回は考えるということの内訳についてです。


『考える』ということを――

 このエッセイでは『自己分析』と『構造解析』と置いていきます。

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