現シナリオライターが、物書きに必須な『考える』を掘り下げていきます。

花咲樹木

『考える』が物語の力になる

第1話 あらかじめ

 こちらは花咲樹木が、物書きを志してから考えてきたことや、学んできたことについてを記していくエッセイになります。


 こんなエッセイを書くなら、小説の続きでも書けばいいのに。

 そう思いの方が、もしいらっしゃいましたら、申し訳ない。少しだけお時間をいただきたい。


 えっと、まず第一に断っておくとですね?

 自分は『物語を組み立てることは好き』なのですが、間違っても『物語を書くことは好きではありません』――その事を念頭に置いてもらえれば助かります。


 だって、書くのって疲れるし、時間とられるし、しんどいじゃないですか……。


 自分はかなりの“面倒くさがり”であり、“飽きっぽく”、そして“根性がありません”。

 趣味で毎日コツコツ小説を書く、という行為がどうも続けられない性分なのです。


 努力は尊く、積み重ねは結果を生む上で何よりも大切なことだと考えています。

 ですが自分は、その事から逃げてしまいました。人生の中で、今も逃げ続けています。


 しかし、それでも『物書き』はなんとか続けられています。


 そしてそれは、『考える』という行為の意味とその深さに、のめり込んだからでした。


 これは努力や積み重ねを最小限に、それでも最大効率で物語を面白く組み立てる方法を、自分なりに書き連ねていくエッセイです。

 全ての面倒くさがりに捧げる、物語を組み立てる為のハウツーになればと、願っております。


 好きな作家さんの頭の中身を、覗いてみたいと思ったことはないでしょうか。

 どうやれば、こんな物語を書けるんだろう……。きっと多くの方が、そう悩んでいると思っています。自分もそうです。


 まだヨチヨチ歩きの素人であり、プロとしての実績も足りない自分ですが、少しでも悩んでいる方々の力になれればと思い、文字を打ち込みます。

(そもそも参考になれるほどの人物ではないのですが)


 まあ、理由についてはそんな感じなのですが、最初に考えた事はもっと単純です。


 エッセイが好きだから、自分でも書いてみようと思いました。


 そして、その『好き』という根源的な感情が、何よりもその人が持ち合わせている『才能』なのだと、読んでくださった方に伝えられれば、その事が何よりも嬉しいのです。


 それでは差し当たって、エッセイを書く為のテーマを定めようかなと思います。


・『考える』ということについて。好きと才能がある、の関連性

・『当作品』の構造解説と、各話を書いている時に考えていたこと、ネタ作りやプロット構成など

・『物書き』を目指してから学んできたこと、小説作りやライター業の基礎知識


 これらを主軸に、つらつらとエッセイを書いていこうと思います。


 物語を書きたい、でもどう書けばいいのか分からないと立ち止まってしまっている方、そして物語を面白く書くにはどうしたらいいんだろう、そうお悩みの方がいたならば、少しでも力になれればと思いエッセイをまとめていきます。


 という訳で、実は最初に断っておきたいことがありまして。


 これはきっと、自分に自信がある方に向けてのものにはならないでしょう。

 基礎知識のご高説や、アドバイスなんてなくても書ける、という方は、きっとどんな状況でも乗り越えて、やっていけます。

 自分を信じる、自分を好きになる、という行為には力があり、それだけでも原動力になります。


『好き』と『才能』は密接な関連性があります。


 しかし、それがどうしても出来ない。

 これはそんな臆病で、自分を信じられず――“考えることを覚えて”自分を嫌いになってしまった人物が描く、ハウツーだからです。


 思考は後ろ向きに、それでも前向きに作品を作っていこう。

 そんな作り方を記したエッセイです。

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