酒と洗濯物とデート
まな「酒飲みすぎて頭が痛いでござる」
ゆうた「そうか、だから俺の着ているTシャツの中で潜り込んで寝ていると」
まな「息が苦しい」
ゆうた「俺もお腹が苦しい」
まな「でも温かいよ」
ゆうた「俺は暑い」
まな「いい匂いもする」
ゆうた「やめろ恥ずかしい」
まな「吐きそう」
ゆうた「ん?恥ずかしがった俺の言葉に対して吐きそうと言ったのか、それとも単純に酒が回って吐きそうなのかとか聞いときたいけど、とりあえずトイレいけ」
まな「うっ、そうする」
ゆうた「おう、ぶちまけてこい」
まな「連れてって」
ゆうた「ええ…」
まな「おんぶして」
ゆうた「してもいいけど頭にぶちまけるなよ」
まな「努力する」
ゆうた「よし、こい」
まな「ん」
ゆうた「まあ、2メートル先なんだけどな」
まな「今じゃアメリカに行ける距離に感じるよォォエ」
ゆうた「まて落ち着け喋るなそして吐こうとするな」
まな「入るからドア閉めて」
ゆうた「了解」
まな「スッキリした」
ゆうた「それはなによりでございます」
まな「飲むか!!」
ゆうた「馬鹿なのか?」
まな「なんか飲み足りないんだよね」
ゆうた「脳が足りないんだよ」
まな「なんでそんなノリ悪いんだよォ〜なぁ〜」
ゆうた「お互いに仕事終わりのはずなのになんで眠くないんだよ」
まな「たまにはいいじゃん」
ゆうた「うーん」
まな「ね?」
ゆうた「じゃあ、コンビニ行くからなんか買ってきて欲しいもの言って」
まな「やった!ビール!!」
ゆうた「わかった。いってくる」
まな「気をつけてぇー」
ゆうた「寝るなよ?」
まな「んー」
ゆうた「いや、だから寝るなよ」
まな「…」
まな「洗濯物干しといてって言ったじゃん!」
ゆうた「あ、ごめん」
まな「一日置いたらまじ臭くなるんだから」
ゆうた「もっかい回せばいい?」
まな「あたりまえ体操」
ゆうた「うぃー」
まな「二度手間なんだから気をつけてよね」
ゆうた「まあそういうなよ。まなの好きなハンバーグを二度食えたら嬉しいだろ?そうゆうことだよ」
まな「洗濯好きなの?じゃあこれからやっといてね。ありがとう」
ゆうた「俺が間違っていたすまない」
まな「あーいえばこうゆうた」
ゆうた「略すな」
まな「この子どうやって育ってきたのかしら。親の顔が見てみたいものだわ」
ゆうた「毎年会ってんだろ」
まな「あれは飼い主でしょ」
ゆうた「俺はペットじゃない」
まな「ええ!?」
ゆうた「俺の方が驚きなんだが」
まな「そんなことより早く洗濯物を回してこい」
ゆうた「了解」
ゆうた「デートしよう」
まな「どうしたの?体調悪い?」
ゆうた「デート誘っただけでなんでそんな心配されんだよ」
まな「20年間引きこもってたニートの息子が就職するって言い出したら心配するでしょ?」
ゆうた「だからニートを引っ張るな!そして20年間も引きこもってない!」
まな「だって、ゆうたからデート誘ってくることなんて全然なかったし」
ゆうた「まあ、外食とかカラオケとかいくしなぁ。それもデートでしょ」
まな「一理あり!」
ゆうた「ということであんま行かない映画館についたわけだが」
まな「ポップコーン!!」
ゆうた「コーラ!!」
まな「何見るの?」
ゆうた「プリプリキュアーズ」
まな「じゃあ、私洋画でも見てくるよ」
ゆうた「これじゃあ一人で行くのと変わりないじゃないか…」
まな「痛いおっさんと子供向けアニメを見るわけないでしょ」
ゆうた「痛い言うな。」
まな「それじゃ、私こっちだから」
ゆうた「待って!?ほんとに別々で観るの!?」
まな「え、だって見たかった洋画だし」
ゆうた「俺もそっちいく」
まな「プリプリプリーズ観なくていいの?」
ゆうた「キュアーズだからね。プリーズしてないから」
まな「興味ない」
ゆうた「ええ…」
ゆうた「意外と面白かった」
まな「でしょ」
ゆうた「宇宙人と戦って地球を守るのが人間じゃなくてゾンビ、っていうのがまた面白い」
まな「そんなシーンあったっけ?」
ゆうた「開始10分で寝てたらわかんねぇよな?」
まな「始まる前の予告が面白すぎて、疲れて、始まる頃に睡魔が、あぁ」
ゆうた「そりゃもう爆睡でしたよ」
まな「起こしてよ」
ゆうた「横顔に見とれてた」
まな「そういうのキモいから」
ゆうた「ほんとなのに…」
まな「っていうかそのプリプリプリーズのチケットどうするの」
ゆうた「キュアーズな。いや、一緒に見れないなら捨てようかと」
まな「もったいない」
ゆうた「しょうがないさ」
まな「…いこ」
ゆうた「ん?」
まな「それもう1枚買うから観よう」
ゆうた「痛いおっさんと子供向けアニメを見ることになるけど大丈夫?」
まな「洋画寝ちゃってたし、それ捨てるぐらいなら私も観る」
ゆうた「そうか…俺は別にいいんだけど」
まな「ポップコーンもね」
ゆうた「まだ食べるの!?さっきLサイズの食べてなかった?」
まな「つべこべ言わずに早く買ってこい」
ゆうた「わかりました」
まな「あ、もうすぐ始まるよ」
ゆうた「結局また寝てたね」
まな「いや、起こせよ!!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます