キャラとマロさんと小学生

ゆうた「最近ひとつ思うことがある」


まな「なんだい?」


ゆうた「22歳にもなって安定した職についてないのはどうかと思うんだ」


まな「まあ、たしかにね」


ゆうた「まなはいいじゃないか。看護学校に行きながら、ガールズバーで働いてその上親からの仕送りもある。うん、勝ち組コースだな」


まな「大変なんだからね?働きながら通うのは」


ゆうた「大変なのはお前の髪の毛だ」


まな「寝起きだちくしょう」


ゆうた「そして俺は仕事終わって帰宅し、まだ睡眠を2時間しかとってないのに起こされる理由 is 何?」


まな「寂しかったから…」


ゆうた「キャラじゃないことゆうなよ」


まな「私、本当は純粋な女の子なんだよ?」


ゆうた「純粋な女の子は、あぐらかきながらタバコは吸わないんだけど」


まな「朝イチの一服は最高だわ」


ゆうた「わかる」


まな「あ、今日マロさん病院に連れてくから夕方には起きててね」


ゆうた「マロさん?なんで?」


まな「ココ最近体調悪そうにしてるじゃない」


ゆうた「なぁ、知ってるか?俺達が床の上を歩く時マロさんはどの位置にいる?」


まな「?足元じゃないの」


ゆうた「そうだ。まなが立っている時、マロさんの顔の前にはまなの足があるということ。つまり」


まな「臭くねぇよ踏み潰すぞ」


ゆうた「むしろマロさんを踏み潰さないか心配」


まな「猫の体は柔らかいから多少踏んでも問題ないでしょ」


ゆうた「さらっと残酷なこと言うな」


まな「私は寝てる時いつも踏まれてるもの」


ゆうた「まなの胸を踏んでも柔らかくないのになぁ」


まな「踏み潰すぞ」


ゆうた「勘弁してください」


まな「猫は2階から落としても何事もなく着地するって知ってた?」


ゆうた「バカにしてるのか?それぐらい小学生の頃から知ってるわ」


まな「小学校行ってたの?」


ゆうた「幼稚園からニートしてたみたいな言い方やめろ」


まな「猫は飼い主からご飯を貰ってゴロゴロしてるだけだし羨ましいとか思うでしょ」


ゆうた「それはたまに思うかなぁ」


まな「ゆうちゃんは別に癒されないから養う気はないけど」


ゆうた「それは悲しいなぁ」















ゆうた「おはよう」


ゆうた「ってまなは学校か」


ゆうた「寒いな」


ゆうた「うぅ」


ゆうた「ん?」


ゆうた「食うものがない」


ゆうた「寒いけど仕方ない」


ゆうた「買い出しでも行くか」


ゆうた「マロさんはお留守番だ」


ゆうた「ちょっと行ってくる」


マロさん「ニャー」


ゆうた「ういっす」







ゆうた「雪がだいぶ積もってるな」


ゆうた「ブーツ履いてきて正解だった」


ゆうた「道路は安全だけど」


ゆうた「歩行者通路は雪でそこが見えないじゃないか」


ゆうた「これだから田舎は」


ゆうた「ん?」


ゆうた「あれは、小学生かな」


ゆうた「黄色の帽子にピンクのランドセルを背負った小学生…」


ゆうた「幼女……」


ゆうた「いや、ここは抑えるべきか」


ゆうた「だがしかし、いかに道路側に雪がないからといってようじ…小学生があんな危ないところを歩いているのを見過ごすわけには行かない」


ゆうた「注意せねば」


ゆうた「深い意図はない」


ゆうた「そうだ」


ゆうた「事故を未然に防ぐためにも」


ゆうた「致し方のないことだ」







ゆうた「ねぇねぇ」


幼女「ん?」


ゆうた「そこは道路だから左の方の道を通らないと危ないよ?」


幼女「でも、雪あるから通れないの」


ゆうた「そうだねーへへへ」


幼女「?」


ゆうた「やっぱり歩きにくいかもだけど左の道いこーよ」


幼女「今日はいつもの靴だから濡れちゃうの」


ゆうた「そっかーじゃあしょうがないねへへへ」


幼女「?」


ゆうた「車に気をつけて帰れる?」


幼女「うん!」


ゆうた「良かった〜。じゃあお兄さんいくね」


幼女「ありがとう!お兄ちゃん!」


ゆうた「うんうん、またね〜へへへ」











ゆうた「なんてことがあったんだ。けしからんだろう?」


まな「いや、普通にキモいが」

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