幼女とナプキンとカップ麺



ゆうた「あー、腹減って死にそう」


まな「ゆうちゃんの食べれそうなものはないかも」


ゆうた「まじか」


まな「うん」


ゆうた「まあ、それはいいんだけど」


まな「ん?」


ゆうた「腹減ってる本人の前で美味そうに唐揚げ弁当食うのやめてくれ」


まな「一口上げようか?」


ゆうた「おっ、ならその唐揚げ一個くれ」


まな「ほい」


ゆうた「あーーん」


まな「…っはははは!」


ゆうた「…………あのさぁ、一口上げるとか言って、上に唐揚げを持ちあげる小学生の恒例行事みたいなことはやめろ」


まな「それを早口でいうのオタク丸出しだけど」


ゆうた「オープンなだけだわ」


まな「開き直るな」


ゆうた「唐揚げ弁当の他になんかないの」


まな「んー、化粧品と妹に渡すプレゼント用の下着とかしかないなぁ」


ゆうた「妹何歳だっけ」


まな「6歳になったばっか」


ゆうた「幼女いいなぁ」


まな「うちの妹で変な妄想して妹汚すのやめて」


ゆうた「幼女のパンツ」


まな「やめろ」


ゆうた「食べたい」


まな「きもすぎ」


ゆうた「……なんで?」


まな「えっ」


ゆうた「えっ」


まな「とりあえず後でカップ麺かなんか買ってくれば?」


ゆうた「そうする」


まな「あと病院もいけ」


ゆうた「その必要はない」








まな「あのさ、ナプキン知らない?私さっき買ったんだけど」


ゆうた「俺が知るわけないだろ」


まな「え、ゆうちゃんの主食ナプキンって」


ゆうた「お前の頭の中での俺は無機物も食えるのか?」


まな「お腹すいてたんでしょ?」


ゆうた「餓死寸前でも食わないけど」


まな「でも今幼女のパンツ食べたいって言ってたじゃん」


ゆうた「いや、幼女のパンツとお前が今から履く予定のナプキンとじゃ価値の差がなぁ」


まな「……は?」


ゆうた「すいません、間違えました」


まな「うん」









ゆうた「新発売の担々麺だが」


まな「おう」


ゆうた「ラー油のあのちっちゃい袋がなく」


まな「おう」


ゆうた「後から入れる味付けを入れるだけでラー油と似たような味になるそうだ」


まな「なんだそれは」


ゆうた「たしかに、ちっちゃいラー油の袋を開けた時に、溢れてさりげなく指につくアレは気になっていた」


まな「わかる」


ゆうた「そのアレを解消してくれたはいいが、ラー油の味がしなくなっている」


まな「なんだとーー」


ゆうた「貴様聞く気あるのか」


まな「いやあるけど、ゆうちゃん語ると長いし」


ゆうた「だからイヤホンして音楽を聴きながら、ソファーでうちの飼い猫のマロさんと戯れていると?」


まな「マロさんは退屈していらっしゃる。可哀想じゃあないか」


ゆうた「カップ麺と俺。どっちが大事だ?」


まな「マロさんかなぁ」


ゆうた「ふふふ。しかしマロさんはカップ麺を欲しがってるんだ。分かるか?」


まな「ん?どういうこと?」


ゆうた「……マロさんは、まなよりカップ麺に注目がいき、そのカップ麺を優雅に食する俺。つまり俺ということじゃないかな」


まな「ちょっと何言ってるか分からない」


ゆうた「理解するまであと7時間ほど話そう」


まな「やめて」

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