第8話 嵐の夜に

 時折、この世界では嵐が巻き起こる。


 大自然を食い尽くした人類への罰なのか?それともまた別の世界なのか?


 そんな時、男は腐角食をモコモコと広げ、腐角食ドームを作る。別に前に進むことも出来るのだが、とりあえず気分的に嫌なのだ。そしてその『気分』というものが男を人間であることを思い出させてくれる。


 腐食パンは強い。

 腐食パンは万能だ。


 子供の頃、雪遊びをしている時に時折暴風雪に見舞われることがあった。そんな時は雪でかまくらを作り避難したものだ。


 天気とは『天の気』のことだ。


 移り変わる天気と同じように人の心も移り変わる。


 それこそが自然ではなかろうか?


 腐角食ドームの中でバイクが静かに寄り添ってきた。


「にゃー」


 男はライト下の配線を優しく撫でる。


 ゴロゴロゴロ…


 配線を鳴らしてバイクは喜ぶ。


 腐角食で作ったベッドとモフモフの布団一式で男は静かに床につく。


 腐角食が枕を担うが首の角度が塩梅良くないので少し掘り下げる。


 適切な処置により、男は泥のように眠る。


 嵐が男を守ってくれる。

 腐食パンが安眠を提供してくれる。


 腐食パンは暖かい。

 腐食パンは柔らかい。


 男はこのような状況でも感謝の念が生じる。そしてまた、自分が人間であることに安堵する。


 隣では腐角食バイクが寄り添っている。


 『腐食パンマン』

 寝るのも大好き。


 『腐食パンマン』

 モフモフとあったかいは最強だと思う。


 『腐食パンマン』

 見る夢はいつもフルカラー。


 『腐食パンマン』

 鳥山明と一緒。


 『腐食パンマン』

 レッドリボン軍編も大好き。


 『腐食パンマン』

 今でもカメハメ波が出ると思っている。


 『腐食パンマン』

 今度試してみよう。


つづく。

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