秋の風

 換気のために窓を開けて驚いた。すっかり秋の風になっているではないか。昨日も外出していたが、ここまで気持ちの良い風は吹いていなかった。まったく、季節と言うやつは音も無くやってくるので困る。此方にも色々と準備があるというのに。来る時と帰る時に挨拶の一つでもするのが筋ではないだろうか。勝手にやってきて勝手に帰るのではあまりに薄情だ。

 しかし来てしまったものは仕方がない。色々あるうちのどれか一つに手を付けねばなるまい。取り敢えずは秋刀魚を焼くことから始めるとしよう。

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