寝起き

 冷房をつけて寝ていたはずだが、気が付けば背中にじっとりと汗をかいていた。決して起き上がりたくなどなかったものの、こうしているのも不快なので動き始めることにする。汗をかいた上着は脱ぎ捨て、布団は外に出しておく。そうして、冷蔵庫を開け、からからに乾いた喉を潤すため飲み物を探す。生憎、炭酸水しかなかった。酒を割るために買って、飲み切れずに半分だけ残してしまったものだ。

 私はコップに勢いよく注ぐが、殆ど泡がたたない。すっかり炭酸が抜けているようである。

「……ぐぇ」

 汚い声が漏れる。人に聞かれていなくて本当によかった。

 やはり少しは炭酸が残っているようで、喉が少し痛んだが、これで目が覚めた。ついでに、朝食も取らないで良いだろう。炭酸水は腹が膨れる。

 永遠にも似た一日が始まる。何をしよう。

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