無限階段

 目の前に階段があった

 昇ることが私の使命であった

 降りることは許されなかった


 二階には鏡があった

 そこに映っているのは私ではなかった

 持っていた斧で叩き割って進んだ


 三階には水があった

 綺麗な水であったが飲む気にはならなかった

 靴で踏みにじって進んだ


 四階には人があった

 話しかけても反応は無かった

 もてるだけの汚い言葉を投げかけて進んだ


 五階には何もなかった

 声を上げても何も出てこなかった

 私は進むことを諦めた

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