本を食う

 ようやく重い腰を上げて書籍を処分しに行くことが出来た。小説、エッセイ、専門書を三十点ほど持って行ったのだが、最寄りの古本屋までは二キロほど歩かねばならず、文字通り骨の折れるような苦行であった。車が有ればと思う。

 さて、その査定額であるが、千円いけば御の字かと思っていたにも関わらず、以外にもその三倍近くの値段を付けた。専門書が健闘したようである。私はその金を持って食堂へ入り、刺身だの揚げ豆腐だのそれはもう贅沢の限りを尽くした。なんだか人類の英知を己の血肉に変えているようで大層愉快であった。

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