旅立つ友に

 ほんの数時間前に

 仕事の都合で

 遠くへ行ってしまった友人よ

 新天地に心を躍らせている友人よ

 私はどうにもお前のようにはなれぬ

 何故そこまで前向きになれるのか

 何故そんなにも悩まずにいられるのか

 私には分からないのだ

 全くもって、分からないのだ


 今は互いに

 故郷を離れているが

 もう随分と顔を見ていないが

 あちこちを飛び回るお前と

 そうでない私の動線が

 いつかまた交わったならば

 その時は酒でも飲もうではないか

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