何もしない日

 何もしていないのに一日が終わってしまった。六時ぐらいに起きて洗濯をしたまではよかったのだが、その後で二度寝をしてしまい、起きる頃には何だか天気が悪かったので出掛けることを諦めた。それから雑誌を読み、買い物に行き、酒を飲んでいたらこの時間になった。やることは幾らでもある。郵便局に行かねばならない。本を処分しなければならない。髪も切っておきたい。まあ、その辺はどうでもいいことで、本当はもっとやるべきことがあるのだが、それら全てを放棄し無為に時間を潰すのは何だか退廃的で気分が良い。思えば私は十代の頃から課題に取り掛かるのが遅かった。例えばこの課題は一日もあれば終わるな、と思えば期限の前日までは絶対に手を付けないのであった。ある意味計画的と言えるかもしれないが、まあ褒められたものではない。実際なんとかなっていたのだろうか? あまり覚えていない。

 今日が終わるまでまだ少し時間があるが、恐らく私は何もしないであろう。

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