少女同盟

 少女に生まれたから少女をしてる。まあ、義務みたいなものだよね。私たちが少女らしくあればみんな嬉しいもんね。お年寄りも先生も同級生の男たちも。みんな。

 少女であるのは大変だ。何処に行くにもベタベタくっついていないといないし、興味も無い話についていかないといけない。だから私たちは同盟を組んだ。私と、○○ちゃんと、××ちゃんの少女同盟だ。あの俳優がカッコイイだの、どこどこの店に行こうだの、そういう話をするのは○○ちゃんの役目。放課後に遊びに誘ったり、休みの日に集まる予定を立てるのは××ちゃんの役目。私はじゃんけんで勝ったから、話に相槌を打ったり、遊びに行くときについていくだけでいい。すごく楽。本当はさっさと帰りたいし、休みの日は寝ていたいけど。そうしたら周りがうるさいから仕方なくやってる。そんな打算だらけの友情なのに、周りは誰も気付かない。親でさえ、また○○ちゃんと××ちゃん? 本当に仲良いのね。とか言ってる。卒業したら会うことも無いのに。

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