第五章
第五章
インターフォンが鳴る。
杉三「誰だよ!」
声「おい、杉ちゃん、俺だ。お前のところにさあ、」
杉三「やめて!」
懍「僕が行きます。」
と、玄関まで車いすで移動していく。
玄関へいくと、華岡が、部下の刑事と一緒に、すでに中に入っている。
懍「なんですか、華岡さん。僕たちは大事な話をしていますので、どうか、お引き取りを。」
華岡「ああ、青柳教授。こちらに、富沢広一という男がいるでしょう。彼を出してくれませんかね。」
懍「それを言うのでしたら、なぜ、ここにきて、彼を連れ出す必要があるのかをお聞かせいただきたい。」
華岡「ええ。安中涼子を、殺人の疑いで逮捕しました。理由は教授もご存知かと思いますが、娘の美咲ちゃんに、暴行を加えて殺害したことです。それで、彼女の手伝い人として働いていた広一に、お話を伺いたいと思いましてね。」
懍「わかりました。彼に、なんの話があるというのですか?」
華岡「それは、警察署に行ってからしますので、教授が聞く必要もないでしょう。」
懍「いいえ、僕たちにも知る権利というものはございます。あなた方警察は、自分に都合のいいことは公開しないで、それ以外の事ばかり外部に出すから、被害者も加害者も迷惑するわけです。その迷惑ぶりはどれくらいなのか、考えてからこちらに来てもらいたいものですね。」
華岡「迷惑って、こちらも、早く事件を解決させたい一心でやっているんですけどね。」
懍「いいえ、あなたは、ただ自分たちに都合のいいか悪いかだけで、物事を決めてしまうから、間違った情報が氾濫し、何もよい結果を産んでいないことに気が付いていない。それを解消するためにも、僕たち一般市民の質問にもきっちり答えるというのが、目下の急務なのではないのでしょうか?」
華岡「わ、わかりましたよ、教授。彼に、安中涼子が美咲ちゃんにどのように虐待を加えていたのか、聞いてきてもらえませんでしょうか。俺たちも、彼が非常なカギを握っているとつかみましたから。」
そこへ、とぼとぼと歩く音がして、広一がやってくる。
広一「わかりました。先生、もう、こんなダメ男をかばう必要もありません。皆さんが一生懸命励ましてくれましたけれども、僕がやったことは、犯罪ともいえます。だから、今から、警察に行きます。」
杉三「だめ、絶対行っちゃダメ!だって君は、警察に行ったらもう、かえって来られないかもしれないんだぞ!」
広一「ええ、それで結構です。僕は、それしかなかった人間です。だから、もう、ここで自ら人生に幕を下ろしましょう。もう、このような結末しか僕には残されていない。そうなることは、それで見えていますから。」
杉三「じゃあ、せめて一日でも長く生きていられるように、彼に薬だけでも持たせてやってくれませんかね。彼は、それがないと、体がもたないはずだから!」
蘭「杉ちゃん、君はどうして、そんなに悪いほうをかばうんだ!」
杉三「決まっているじゃないか!それは、彼がかわいそうだからだ!」
水穂「華岡さん、僕からもお願いします。」
広一「皆さん、ありがとうございました。それでは、行ってきます。」
杉三「僕も行く!」
蘭「なんで杉ちゃんが行くの!」
杉三「だって、心配なんだもん。ひどいことされないかって。」
蘭「ひどいことされないかって、彼の弟がしでかした悪事と比べてみろ。被害にあった五人の女性たちのことを考えてみろよ。そう考えれば、そんな、同情する必要なんて、これっぽっちもないの!」
杉三「知らないよそんなこと。いくら兄弟といっても、彼と弟は別の存在だ。それでいいじゃないか。」
蘭「杉ちゃんは、どうしてそんなに考えがずれているんだろう。」
部下「警視、早く取調室に戻らないと、時間が無くなりますよ。」
杉三「じゃあ、僕も連れて行って!」
蘭「もう!」
部下「どうします?」
華岡「仕方ない。連れて行こう。蘭、何かあったら、呼び出すから、いつでも出れるようにしておいてくれよ。」
蘭「わかったよ。結局僕がこういう羽目になるのね。」
懍「それが、蘭さんの役目なんですよ。」
華岡「まあいい。では、富沢さん、こちらにいらしてください。杉ちゃんもこっちへ来てくれ。」
広一「わかりました。」
静かに外にあったパトカーのほうへ歩いていく広一。彼は、部下に押されるような形でそれに乗り込む。杉三は華岡に手伝ってもらって、何とかパトカーに乗り込んだ。
杉三「じゃあ、行ってくるよ!必ず帰ってくるからな!帰ってきたら、お茶でも用意して待っててね。」
走り出すパトカー。
蘭「あーあ、全く。杉ちゃんは、本当にどういう神経をしているんだろうか。」
水穂「そういうところが杉ちゃんってもんじゃないのか。」
懍「そうですね。」
蘭「ところで水穂。さっき言っていた、一計ってどういうものなんだ?」
水穂「ああ、青柳教授と、二人で考えて、もう、先方にも国際電話で連絡してあるんだが。」
蘭「こ、国際電話?」
水穂「そうだよ。」
一方。富士警察署。広一が、華岡たちに連れられて、取調室に向かう廊下を歩いている。
杉三「もうちょっと、ゆっくり歩いてやって。そんなペースでは、かれにはついていけない。あと、階段上りもだめだからね。」
部下「うるさいな、この人は。」
華岡「いや、重大な証言を得るためには、杉ちゃんのいうとおりにしなければだめだ。」
部下「わかりましたよ。警視。じゃあ、めったに使うことはないけど、エレベーターで行かせましょう。」
と、エレベーターに全員を連れていき、すぐ上の階で降りる。
杉三「ありがとう。広一君、寒くはないかい?」
広一「大丈夫です。」
部下「まあ、ここには暖房もありますからねえ。」
華岡「きっと、それだけではいけないんだろうね。」
部下「彼を取調室に連れて言ったら、あんまり発言しないでくださいよ、警視。警視の発言で取り調べをぶち壊しにしたことは、過去になんどもあったでしょ。」
華岡「うるさい。」
部下「全く。警視も気持ちが優しすぎるんですな。そういう障害のある人と付き合っていると、次第に考えが甘くなってくるのかなあ。」
杉三「何と付き合ってるんだって?」
部下「ああ、すみません、すみません。」
華岡「さあついた。」
と、取調室と札が付いている部屋の前でとまる。
華岡「安中さん、入りますよ。今日こそ自供してくださいね。今日は、大事な人物を一人連れてきました。では、富沢さん、中にお入りください。」
杉三「僕も入る!」
部下「この人は、、、いや、こうしなきゃダメなのか。」
広一「涼子さん。」
華岡が、取調室のドアを開ける。
中には、女性刑事と一緒に、安中涼子という女性が座っていた。不良によくあるふてぶてしい表情は全く見られず、いたって真面目そうな女性である。虐待をするような雰囲気はもっていない。それでも、ここにいるのだから、虐待の容疑で逮捕されたのは間違いないが、それをしていたとは、ちょっと信じがたい女性だった。
広一「涼子さん。」
涼子は、口を開こうとはしなかった。
杉三「今日は。僕は、彼の親友の影山杉三だ。彼が、公園の池の前で倒れていた時に、介抱して、ここまで連れてきたんだ。」
女性刑事が、彼女に何か言うように促した。
突然、広一が、床に手をついた。
広一「ごめんなさい!」
涼子は、これを聞いてはっと我に返ったようで、床の上で座礼している彼のほうを見た。
広一「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
華岡「それしか言えないのか。」
広一「弟が、あなたの人生を、真方向からダメにした責任は僕にあるんです。本当は、弟を、たたきのめしてやりたいほどではありますが、残念ながらそれはできません。弟が、直接謝罪できない代わりに、僕をぶん殴って、あなたと、美咲ちゃんの恨みを十分に果たしてください!」
華岡「そうじゃなくて、安中さんが、日常的にどう虐待していたとか、そういうことを聞きたいんだけどな。」
杉三「もちろん、それはわかってるさ。だけど、彼は一度でいいからいわせてほしいことがあったんだよ!」
華岡「富沢ファミリー事件は、東京での事件ですが、こっちでも有名な事件でしたよ。でも、被害者の安中さんと、加害者家族のあなたが、短い間ですが、雇用関係だったとはいえ、同じ家にいることができたのか、そこが我々としては疑問です。本当に、互いのことは知らなかったんですか?」
広一「僕は、安中さんの顔や住所は何となくですけど知っていました。弟が、隣の部屋で卑劣な行為をしていた時に、安中さんが、氏名や住所を話していたのを聞いてしまっていたからです。あの事件の間、僕はほとんど動けない状態でしたから、部屋の中で何があったか、全部丸聞こえだったんですよ。弟が、感極まって、というより醜悪な叫びをあげているのも聞こえました。あの事件のトリックは、もう皆さんだったら、知っていると思いますが、まず大量にさけを飲ませて泥酔させて、意識をなくしたところを、強姦するというものでしたけど、本当に、大勢の方々が、その被害にあって、さけび声を上げていたんです。でも、通報することも、何ひとつ、できなかったんです。本当に、申し訳なくて、たまらなかったんです。」
華岡「じゃあ、美咲ちゃんの父親というのは、安中さん、富沢栄一だったということですかな?」
広一「ええ、間違いありません!初めて会ったとき、直感的にすぐにわかりました。だから、より、罪深さが強くなりました。」
華岡「ああ、どこか弟さんに似ているところでもあったのか。」
広一「ええ、具体的に何々というわけではないのですが、直感的にそうわかってしまうことって、ありますよね。血縁関係とはそういうものです。」
華岡「安中さん、本当にそうなんですか。あなたは、近所の人には、夫をすでになくしていると言いふらしていたと聞きましたよ。」
杉三「言えるはずがないじゃないですか。こんなおぞましい事実。」
華岡「まあ、確かにそうなのかもしれないが、事実を確認するために言っただけです。で、安中さん、あなたは、美咲ちゃんに日常的に虐待を加えていた。それは確かですね。どうなんですか、富沢さん。」
広一「ええ、それは間違いありません。ここで口にしてしまうと、安中さんに申し訳ないのですが、」
華岡「もったいぶらないで、言ってくださいよ。俺たちは、それを聞きたくて呼び出したんだから。」
広一「ええ、ええ。そうです。僕が、美咲ちゃんの体を見た時に、彼女の頭にぶよぶよのこぶがあったり、目の周りが黒いあざになっていたことはよくありました。」
華岡「美咲ちゃんの遺体が、見つかったときに、彼女は頭を強く打っていて、脳内に大きな血種が見つかっております。よほど強いもので殴られたのでしょうね。それに、足の指には凍傷のあともありました。これはどう説明できますかな。」
広一「ええ、美咲ちゃんが、お母さんである安中さんに近づいたときに、理由はいろいろだったんですけど、安中さんが、彼女を殴って突き飛ばしたり、出て行けと言って、冬の寒いときに裏庭に放り出して放置したまま、一晩中そのままだったということもあったんです。理由はすぐにわかりました。あんたの顔も見たくないと言っていたから。それは、きっと、弟に似ているところがあったからだ。だからより責任を感じて、本当につらかった。」
華岡「しかし、使用人として止めなかったのはなぜです?あなたがいくら重い病気であっても、安中さんが美咲ちゃんを虐待しているのを、警察に通報することはできたでしょう。」
杉三「いや、そういうものが想夫恋ってもんなのよ。」
華岡「そうふれん?なんだそれ。」
杉三「彼は、密かに安中さんに対して想いがあったんだよ。きっと、警察に捕まって、不幸な生活はさせたくないと思ったんだろう。だって、彼女は、何も悪くなかった。悪いのは、富沢栄一だ。だから、複雑な気持ちでずっと働いていたんだろうね。すごい大変だっただろうね。」
部下「つまり恋愛感情を持ったということか。」
杉三「そういうことさ。かれもまた、安中さんを好きだったんだ。でも、届かなかったのかもしれないね、被害者でもあり、加害者にもなってしまったわけで、その理由を知っているわけだから、大変だったと思うよ。」
華岡「じゃあ、富沢さん、あなたが、杉ちゃんの家でかくまわれる前の事を話してくれませんか。あの日、美咲ちゃんに何があったのか。」
広一「言います、言います!僕が、使用人として雇ってもらったのは、数か月の間だけだったんですが、その間にも、美咲ちゃんに対する暴力はどんどんエスカレートしていきました。僕は、このままでは美咲ちゃんは、安中さんに殺されてしまうのではないか、そんな不安がわいてきてしまったんです。でも、安中さんは、決して、平気で虐待をしてしまう人ではありません!彼女自身も、自分を追い詰めていました。彼女は、美咲ちゃんに暴力さえ振るわなければ、素晴らしいお母さんになろうと、一生懸命努力していましたから。美咲ちゃんが風邪でも引いたら、本当に献身的に看病していましたし。それは、僕も目撃していましたから。でも、それに反比例していくように、暴力も増えて行った。僕は、何とかしなければと思ったんです。あの日、美咲ちゃんは、晩ご飯を食べないことのせいで、安中さんに頭を殴られていました。僕は、もう、何とかしなければと思って、急いで家を飛び出して、港公園の近くにある、支援センターに駆け込むつもりでした。でも、僕は、それを完遂することはできませんでした、、、。」
杉三「その体では無理ってことを忘れてたんだね。その途中で、公園の池の前でぶっ倒れちゃったんだ。」
広一「ごめんなさい、、、。」
杉三「いいんだよ!だって君は、できることをやったんだもの。」
広一「でも、自分が果たさなければならないことは、なにもできなかったわけですから。」
華岡「安中さん。彼のいうことに間違いはありませんね。彼が、証言したことは、すべて正しいのですね。」
安中「許してください、、、。」
と、机に伏してなきだす。
安中「私が、あの子を産んでしまったことが、間違いだったのです。すでに気が付いたときは、一週間以内に堕胎をしないと、それ以降は違法になるというくらい、深刻だったんです。悩んでいる間に、違法になってしまいました。一週間なんてあっというまでした。でも、私が、まさかその子を殺してしまうとは、産んだときは、これっぽっちも思わなかったんですが、、、。」
杉三「二人が、もっと早く近づいていれば、こうはならなかったかもしれないよね。あーあ、運命ってどうして、こう、冷たいのかなあ。」
広一「いいえ、悪いのは、僕です。」
杉三「あのねえ、どっちが悪いかなんてどうでもいいの!それよりも、これからどうするかを考えなきゃ。少なくとも安中さんは、罪を償わなきゃならないことになるが、、、。」
華岡「とりあえず、検察とか、裁判とかいろいろあると思うから、安中さんには、まだいてもらわなければ困るんだよね。」
広一「ええ、少なくともそうなるでしょう。でも、僕はもう、これ以上生きている必要もないでしょうね。加害者家族というだけで、ここでは、冷たい目を向けられるしか、できないですしね。」
杉三「いや、それだけは、絶対ダメ!彼女が、罪を償って帰ってきたときに、だれも迎えに来てくれる人がいないんじゃ、全く意味がないじゃない。それに、君が今までためてきた、想夫恋の思いというものはどうなるのさ。今ここで逝ったら、それが全部だめになるんだぞ!」
安中「でも、私は、もう、悪い人として、生きていくしかないでしょう。」
杉三「いや、悪い人どうしてくっついてもいいんじゃないのか。逆にそういう人同士なら、普通のひとより、もっと大事なことがわかるから、きっと、いい関係になれるんじゃないかな。」
安中「富沢さん、あなた、そんなにわたしのことを?」
杉三「この際だから、言ってしまえ!こんなところで告白も、場所が悪いけどさ。」
広一「ええ、僕は、僕は、僕は、ずっと涼子さんがすきでした。確かに償いの意味でもありましたが、僕が、涼子さんのところへ行ったのは、涼子さんのそばにいたいという気持ちもありました。」
安中「私、何も気が付かなかった。ごめんなさい、、、!」
杉三「いいじゃないですか!今気が付いたんだから。誰か想ってくれている人がいるってことは、すごく喜ばしいことですよ。いまは、それに気が付かないで終わっちゃう人も多いでしょ。気が付けただけでも素晴らしいことです!」
安中「ごめんなさい、、、。」
杉三「謝るんじゃなくて、他に言葉がありそうなものだけどなあ。」
安中「え、ええ、、、。」
華岡「そろそろ、取り調べの時間も終わりですな。検察庁に報告しなければなりませんので。」
杉三「ほら、早く!」
安中「よろしくお願いします!」
広一「はい、、、。」
安中「私、罪を償って必ず帰ってきますから、富沢さんも、体を治して、戻ってきてください。」
広一「はい。」
杉三「やったー!」
華岡「よかったよかった、これで、事件の全容もわかりましたよ。じゃあ、安中さん、明日検察庁から迎えが来ると思いますので、ここで話したことをしっかりと、検察庁の人に、話してくださいね。では、本日の取り調べは、ここまでにしましょう。」
杉三「さあ帰ろう。広一君。」
安中「本当に、皆さん、ありがとうございました。」
と、広一の前に右手を差し出す。
杉三「ほら。」
広一「はい。」
と、安中の右手を握る。
同じころ、蘭の家。
蘭「なるほどねえ、確かに、日本では、彼を受け入れてくれる病院もないかもしれないよね。」
懍「ええ、そういうことです。この社会で、そういう人間を受け入れてくれるのは、宗教関係者だけかもしれない。だから、僕と水穂で、庵主様にも相談して、ドイツにある、座禅道場に彼を送ることにしました。日本では、犯罪加害者の家族であるというだけで、社会から閉め出されてしまうでしょう。それでは、彼があまりにもかわいそうすぎますから。」
蘭「ドイツに、仏教の寺院なんてあるのか?」
水穂「ああ、ヨーロッパでは今、仏教がはやっていて、日本の僧侶も寺を建てることが多いみたいなんだ。特に、禅宗はその傾向が強いらしい。ドイツで、座禅体験を申し込む、ドイツ人がやたら多いらしいので。」
蘭「はあ、、、。世界も変わってるな。」
懍「ええ、彼が取り調べから戻ってきたら、彼にはなしてみようと思っています。もう、成田空港へ行くバスの予約も取りました。」
蘭「なるほどね、、、。そんな寺があるなんて知らなかったよ。」
懍「まあ、庵主様のおかげでもありますけど。」
蘭「そうかあ、、、。僕ももっと調べればよかったなあ、、、。」
と、外の道路で、車の音がする。
水穂「帰ってきましたね。」
懍「そうですね。」
蘭「どんな顔して帰ってくるだろうか。」
懍と水穂は、この言葉を聞いて、顔を見合わせた。
水穂「いや、わかってくれるだろう。彼も、日本には居場所がなくなるって、きっと気が付いていると思う。」
懍「そうですね。彼に、伝えましょう。」
水穂「同意が得られたら、庵主様にお願いしておきましょうか。」
懍「そうですね。」
パトカーは、静かに杉三たちの家に近づいてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます