第四章

第四章

杉三「何も怖がらなくていいよ。僕らは友達だからね。警察の人間ではないから。」

蘭「やっぱり、重大な過去があったんですか?」

懍「あなたの過去を調べさせてもらいました。富沢広一さん。まず、僕は、青柳ともうします。職業は、」

杉三「大学の教授だよ。こっちは、その手伝い人の。」

水穂「磯野水穂です。」

懍「杉三さん、人の自己紹介に直接手を出さないように。」

杉三「すみません。」

蘭「教授の言うことは聞くんだな。」

水穂「蘭も、余分なことはいわないでね。」

懍「富沢さん。あなたの素性についてですが、あなたは、現在、強姦殺人事件を起こして服役中の、富沢栄一の、実のお兄さんですね。」

蘭「富沢栄一!あの、恐怖のサークルといわれた富沢ファミリーの主宰者か!その実の兄?」

懍「そうですね。で、その富沢栄一は、東京大学の学生ですね。いまは、退学処分になっていますが。しかし、兄であるあなたは、東大どころか、学校にはほとんどいっていない。理由は、あなたは、先天性の心臓疾患のため、学校にいけなかったからです。お父様は、栄一に期待を寄せるようになり、その栄一は、それに耐えきれなかったのでしょう。東大に入学したあと、富沢ファミリーを結成した。学校に通うかわりに、サークルをつくって、ライブイベントを盛んに行った。そのなかで、知り合った女性たちに、無理やり酒を飲ませて、泥酔させ、次々に強姦をしていった。拒んだものは、自殺に見せかけて、殺害した。まあ、それが、いわゆる富沢ファミリー事件というわけですが。」

蘭「恐ろしい事件ですよね。」

懍「はい。富沢栄一は、強姦する際、自宅に連れ込んで、自室で行っていた。あなたは、隣の部屋で床に臥していながら、それを目撃していた。重大な目撃者だったわけですが、病ゆえ、立件することは、できなかった。栄一も、それは知っていたでしょうね。だから、少なくとも五人の女性が殺害されたわけですが。」

蘭「恐ろしい殺人鬼だ!」

懍「ええ、そういうことですね。何回か、警察に相談しようと思ったこともあったでしょう。隣の部屋で、女性たちが、一番ひどいことを平気でされているわけですから、いたたまれなかったと思いますよ。でも、あなたにはまずできなかったでしょうね。そこまでひどい症状を抱えているとね。」

蘭「じゃあ、まんざら嘘でもなかったということか。でも、弟さんの凶行を、親御さんたちは、見ていなかったのですか?」

懍「ええ、たしか、栄一は、東京大学に入学したのと同時に、都内でアパートを借りで、下宿していますよね。しかし、あなたが、心疾患を悪化させて、都内の病院に通わなければならなくなったから、お父様の命令で、あなたを栄一の下宿に入れることになった。お父様がとても厳しい人だったから、栄一も、あなたも逆らえなかったのですね。その時のあなたは、非常に状態が悪く、ほとんど寝たきりに近い状態であった。入院しようにも、お金がなかったことも、ききましたよ。」

蘭「本当は、何とかして、治してもらうべきだったんじゃないんですか?一体ご実家は何をされていたんです?」

懍「確か、解体屋でしたよね。さほど裕福な家庭でもなかったから、お父様は、非常に厳しかった。でも、体の悪かったあなたには、それが通用しないで、弟の栄一にすべてしわ寄せが行った。栄一も、それに反発して、家出したような形で東大へ行ってます。栄一が東大にいったのは、お父様に対する反発があったのでしょう。いつも人にたたかれてばかりの下働きのような立場にはなりたくなかったんですね。でも、東大というところは、ある種の聖地でもあるから、授業についていくこともできなかったのでしょう。だから、富沢ファミリーが結成されたわけです。そして、あのような凄惨な事件を起こした。すぐ近くで目撃していたのに、手も足も出なかったあなたは、非常にお辛かったと思いますよ。そして、栄一が逮捕されたあと、あなたは、栄一が、一人だけ生かしておいた被害者を知っていた。それが、安中涼子さんという女性だった。あなたは、本来ならまだ都内にいるべき体だったと思いますが、それを無視して、安中さんの家に使用人として乗り込み、弟の代わりに謝罪をしようと試みていた。でも、安中さんには、美咲ちゃんという娘がいて、父親はいなかった。その父親は、誰か。すぐにわかったと思いますよ。あなたのような鋭い感性があれば。」

蘭「じゃあ、美咲ちゃんという女の子の父親というのは、もしかして、」

杉三「富沢栄一だ!」

懍「はい、その通りです。あのような形でできた子供に、愛情なんか持てるはずもないと言ったら、彼女は何のために生まれてきたのかという、べつの問題が発生することになりますが、ある意味、安中さんが、そのような暴力的な態度で接するしかできなかった理由も、あなたは大体わかったでしょう。それ故に、兄として謝罪をするの同時に、美咲ちゃんを守りたいという気持ちも出たんでしょうね。だから、使用人として、美咲ちゃんのそばにいたかった。そうですね。」

蘭「じゃあ、あの時、公園の池のそばでぶっ倒れてしまったのは?」

懍「説明しましょうか。あの時は、安中さんが、美咲ちゃんにあまりにも暴力をふるうので、港公園の近くにある相談所に走って行こうと思ったのでしょう。しかし、走るなんて、あなたの体では、まるで赤道を歩くのと同じくらいですから、あなたは、公園の池の前で転倒してしまった。そこを、杉三さんたちが見つけたんですよ。これが、今までの全容ですね。そうでしょう?」

杉三「ほ、本当にそうなの?」

広一「ええ。その通りです。青柳先生がおっしゃったことは間違ってはおりません。弟は、本当に許されないことをしました。それをいくら口で言ったって謝罪の気持ちは伝わらないでしょうから、だから安中さんの家で、働かせてもらおうと思ったのです。彼女は、僕のことは知らないようでしたから、余計にそれは好都合でした。もう、父も自殺してしまっていますから、僕は身寄りもありません。もう、いつ死んでもよいと思ったのです。でも、最期に、安中涼子さんに謝罪だけはしたくて。その一心で今まで生きてきたようなものですよ。」

蘭「でも、どうして、弟を告発しようとか、警察に行こうとか思わなかったんだろうね。」

水穂「その理由も調べましたよ。まず、疾病がことのほか重大であったということ。そして、あなたが、最愛の弟さんであったから、なかなか警察にも直訴できなかったということ。これが理由ですね。」

蘭「そんなにわるかったの?この人。」

水穂「ええ。病名もちゃんとわかりました。完全大血管転位症。先天性の心疾患の中では非常に重大なもので、指定難病にも入ってます。」

蘭「名前だけ聞かれてもわからない。僕より大変なのだろうか。」

水穂「ああ、ものすごくね。要するに一言でいえば、大動脈と肺動脈の位置が真逆になっている。つまり、肺に行っても、血液が浄化されることがないってことだ。いつまでたっても血液がきれいにならなかったらどうなるか、お前なら、わかるだろ。」

蘭「浄化されなかったら、酸素を作り出してくれるものがなくなるということか?」

水穂「そういうこと。」

蘭「じゃ、じゃあ、どうやって生き延びてきたんだよ。三十代まで!」

懍「ええ、今でこそ有効な手術法があって、7割くらいの人が普通に生活できるまで回復することができますが、あなたが若かった時には、まだ対処療法的なものしかなかったのですね。おそらく、幼児期にそれを繰り返したのではないですか。確かに今でこそ、完治できる可能性もありますが、一昔前でしたら、重大な後遺症を残してしまう疾患って結構ありますよね。」

広一「はい。僕はそのせいで、このままでは生存できないといわれていたそうなんです。父がよく話していました。だから、生まれてすぐに、心臓に穴をあけて、一時的にしのいでいたそうなんですが、それでも解決にはならないので、マスタード手術というものをやったと聞きました。なんか、食べものみたいな名前の手術ですが、そういうものしかなかったそうなんです。でも、今は、その逆になっている、大動脈と肺動脈をもとに戻すことも可能なんだそうですね。」

懍「はい、ジャテン手術のことですね。ほかの動脈を移植して、新しい大動脈をつくり、そっちに血液を流れるようにさせて、血流を正常にさせるというものです。今では、成功率が9割以上あるようですが、あなたが若いころはまだそれがなかったから、非常に大変な人生だっただろうなと思いますよ。」

蘭「そんな難しい話はいい。それを聞かれたって、わかんないだけだよ。それよりも、今回の事件の事を教えてよ。その、安中さんの家に乗り込んだのはわかったけど、なんでその体で安中さんの家に乗り込もうと思ったんですか。心臓って僕もやっているからわかるけどさ、少なくとも、他人にどうのこうのと余裕がでるもんじゃないですよね。人間誰だって、若いうちは、生きていようと思うでしょうに。それで当たり前だと思うんだけどな。」

杉三「蘭は、最後まで理論を持ち出すから、かえって理解ができないこともあるだろ。そういうところが蘭なんだよ。僕は、理由がなんとなくわかったよ。君は、安中さんに、なんとなくだけど、思いを寄せていた。そうでしょ?」

杉三の発言で、皆黙ってしまう。

蘭「杉ちゃん、どうしてわかっちゃうんだ?」

水穂「いや、こればかりは杉ちゃんのほうが正解だ。そうだったとしか考えられない。重大なことを起こすって、よっぽど強い感情がなければできないよ。」

杉三「そして、安中さんのほうも、なんとなくだけど、君を想っていたんじゃないかなと思う。」

広一「いえ、それはありません。僕は、弟が大学にいた時はずっと床に伏していましたから。安中さんは、弟の大学の同級生です。だから、弟のことは知っていても、僕のことは知らないと思います。」

杉三「でも、弟が、安中さんを下宿に連れこんできて、酷いことをしていたんでしょ。君はそれを、目撃していたわけだからね。」

広一「でも、顔を見たとか、言葉を交わしたとか、そういうことは全くありませんでしたし。」

杉三「どうかなあ、存在だけは知っていたんじゃないのかな。君が美咲ちゃんを、守ろうとした、という態度から判断すると。君が使用人として、安中家に行ったとき、そこで、この人は、あのときのお兄さんだと、なんとなくだけど、安中さんも、気が付いていたんじゃない?まあ、それを口にする前に、先に事件が起こったというわけで。」

広一「そうだったかもしれませんが、、、。でも結局、僕は、あの家に乗り込んでも、なんの役にも立ちませんでしたね。せめて謝罪だけはしたいなと思って、安中さんの家に乗り込んで、というところまでは成功しましたが、自分の体のことは忘れていて。結局、僕は、生まれてこないほうがかえってよかったかもしれない。弟もあんな事件をおこして、父は、そのショックに耐えきれず自殺をしました。その原因を作ったのは、ある意味僕のせいだったかもしれないんです。今でも時々思うことがあるんです。すべての原因をつくったものが、なぜ、生きているんだろうなって。」

懍「おおよそ、世界というものはそうやってできているものですよ。人間は、罪をかぶって生きているものですからね。歴史の人物を見れば一目瞭然じゃないですか。おおよそ善良極まりない英雄は早死にし、そうでない者が、その語り手になったりするんですよね。」

杉三「君の家族が、どうして、崩壊に至ったか、話してくれないかな?」

蘭「それを聞いてどうするんだ?」

杉三「わからない。でも、知りたいんだ。」

蘭「それじゃ理由にならないよ。」

杉三「でも、古いものを出さなければ、新しいものは入らないよ。」

蘭「頓珍漢なことを言わないでよ。」

広一「いえ、お話いたしましょう。僕のうちは、青柳先生が言った通り、解体屋をしていました。解体屋といっても、一番はしくれで、まあ、かっこいい呼び方をすれば、現場作業員ということになりますが、そんなかっこいい呼び名をされるのにもふさわしくないほど、貧乏な家庭でした。弟は、僕と五年離れていましたけど、もっと明るくて、はきはきしていて、自己主張の強い性格でしたね。僕は、言いたいことがあっても、なかなか口に出せなかったけれど、弟は、昔から、こうしたいと思えば、こうしたいと、すぐに口に出す性格でした。僕は、五歳までのころに心臓の手術を五回ほど繰り返して、病院に入り浸っていたんですが、父は、解体屋の仕事を継げないとわかってからは、僕のことをあまり好きではなかったのではないかなと思うんです。」

水穂「まあ、確かに、自分の事業を継いでくれると期待していた者が、そうなってしまっては、ショックも大きかったんでしょうね。」

杉三「でも、あきらめるのも大事だと思うけどな。それまでの考えに固執しないでさ。」

広一「まあ、それが、一般的かもしれませんが、僕のうちは、それはできなかったんでしょうね。で、弟が生まれて、しかも、弟には障害も何もないとわかったときには、父は大喜びで、やっと自分の将来を任せられると、本当に安心しておりました。そして、弟が、小学校に上がって、ものすごくよい成績を取ったときに、確信したんでしょうね。僕はだめでも、弟であれば、うちのメンツを保てるんじゃないかって。まあ、弟がもともと勉強ができたのか、それとも単なるまぐれなのか、それは僕にはわかりません。でも、学校へ行けなかった僕の代わりに、弟は良い成績をとってくれましたので、そこは親としてうれしかったんだろうなと思います。」

杉三「それで、弟さんには厳しかったんだ。」

広一「ええ、すごいものでした。よい成績を取らないと、殴り飛ばしていましたから。襟が曲がっていただけでも怒鳴りつけて、人前であくびをしても殴り飛ばした。幼いころから、仕事現場に連れて行って、解体作業を見せていたこともあったようです。でも、僕は、ずっと床に伏して、勉強も強要されなかったし、進路についても全く言及されたことはありません。きっと父は、僕のことを使い物にならないと、あきらめていて、こいつには、何を教えても無駄だと思っていたんだと思います。まあ、母のとりなしで、古筝の師範免許だけは取らせてもらいましたが。しかし、弟は、そうじゃないですから、というより、そうなってほしかったから、とにかく厳しかったんでしょうね。それが積み重なれば、弟はなぜ、自分は怒られてばかりなのに、兄は古筝を与えられて、何も言われないのか疑問に思うでしょう。それはある意味当然のことです。そして、ただ、生きているだけの僕に、怒りもわいていたんでしょうね。でも、それを、表現することも父は許しませんでした。だから、結局、弟もいい子を演じて、トップの高校に行ったんですよね。」

杉三「なるほどねえ。反抗することもできなかったほど、厳しかったわけね。弟さんも、いい子を演じるしかできなかったんだ。」

広一「ええ。まあ、僕は毎日毎日を過ごすので精一杯でしたから、そんな気持ちが発生しなかったと思いますが、弟は、きっと屈折した怒りもあったのでしょうね。ただ、ここからがまた、非常にきつくなっていくのですが。」

杉三「きつくなっていくって?」

広一「ええ、弟は、父に高校を卒業したら働くことを命じられていましたが、弟はそうじゃなかったようなのです。きっと、同級生たちが進学していくのでうらやましかったんじゃないかなと思います。でも、父はそれを許さなかったんです。で、弟が、高校に入学して、進路希望調査に「進学」と書いて提出したと話したとき、父が、雷のように怒鳴りつけて、母が悲鳴を上げるほど、二人で取っ組み合いのけんかを引き起こして。そして、弟が父に馬乗りになって、こういったんです。『俺は、おやじの様な、ただの職人ではなく、もっともっと偉い人になってやるっ!』て。父は、絶対にそんなことはできるはずはないと罵りました。そうしたら、弟は、何を血迷ったのか、その日から、必死で勉強するようになって。僕もはじめは理由も何もわからなかったのですが、、、。」

杉三「お父さんに、反発して、勉強を始めたんだね。」

広一「そういうことだと思います。それから、あれよあれよと成績を上げて行って、見事現役で東大に合格しました。僕も母も、喜んでいましたが、一番肝心な父は東大に合格したと言っても何も喜びませんでした。」

杉三「負けたと思ったんかな。」

広一「理由はわかりません。それでまた、ものすごい喧嘩になりそうになって、母もいてもたってもいられなかったようで、結局、母のつてで弟を、東京へ下宿させるという形で決着がついたんですよ。まあ、弟を、勘当したというほうが、正しいのかもしれませんが。」

杉三「なるほど。家出同然とは、そういうことだったのね。」

広一「はい、そういうことなんです。それで、弟が無事に東大へ行ってくれて、卒業してくれればそれで決着がついたかもしれません。でも、僕が、それを邪魔してしまったですね。」

杉三「つまり、君が東京に通わなければならなくなったからだ。」

広一「その通りです。だから結局、僕があのうちの、すべてを壊してしまったんですね。だから、僕が、すべて悪いんですよ。僕がいなければよかったんです。」

杉三「でもさ、彼がすべてだったかというと、それはどうかと思うね。僕は、彼は確かに重い病気を持っていて、弟さんの人生に大きな影響をしたかもしれないとは思うよ。でも、彼まで悪人という言い方をしてしまうのはどうかなと思うけど。」

蘭「杉ちゃん、君はそういってすぐに加害者をかばって、聖人ぶった顔をするが、それは間違いだよ。いい、誰でも、人間が形成される、一番の基盤は家族なんだから。それが、うまくいかなかったというのは、やっぱり多かれ少なかれ、責任というものは取るべきじゃないか。」

水穂「まあね。蘭も僕も日本人だからそう考えるんだろうね。日本ではなんでも連帯責任にするからね。でも、少なくともドイツでは、そうでもないらしいよ。例えば、殺人の加害者の家族を支援する団体があったり、個人的に、例えばほかの加害者家族同士で手紙をやり取りすることもあるらしいんだ。だって、加害者本人と、その家族は、別の人間であるという、考えが定着しているからな。」

蘭「水穂、お前、何を考えているんだ?」

水穂「ああ、一計があるんだよ。このままでは彼は、ただの病者としか認識されないだろうし、事件が明るみになれば、彼にもマスコミの旋風が押し寄せるかもしれないしね。だから、そうなる前に、どっかへ逃がしてやったほうがいいと思うんだよね。」

蘭「どういうことだ?」

と、その時、インターフォンが鳴ったのであった。







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