第2話

目が覚めるとそこには見慣れた風景がある。

私がいるのは私の部屋だった。

その時。思い出した。私は自殺したんだ。

でも、だとしたら何で私はここにいるの?

今は何月何日だろう。 スマホを確認すると

1/15だった。私が自殺した日はたしか1/14だから

あれから1日たったのか。

まさかここは死後の世界?

リビングに行ってみると、お母さんとお父さんが泣いている。

「お母さんお父さん大丈夫?」

返答がない。

そうだ、私は死んだから誰にも見えないんだ。

その時。自分が誰にも見られることのない解放感と

誰にも見られない事に対しての悲しさが。私の心にあった。

私はいつになったらこの世からいなくなれるのだろうか。

少し散歩することにした。

私は誰にも見えないことはわかった。それと何にも触れることの出来ないこともわかった。あと幽霊?だからわかるけど。浮かぶこともできる。

学校へ行ってみよう。。誰も悲しんでないと思うけど、行ってみる

ホームルームのチャイムと同時に私も学校へ入った。

私にでもわかるような重い空気。いつもならうるさいほどの教室なのだが

今日は誰も一言も発しない

先生が入ってきた。

「皆はもう知っているかもしれないが、昨夜....中野さんが亡くなった。」

先生は無理して悲しんでいるように見えた。

誰も顔をあげない。

「皆で1分間黙祷をしよう。」

一番最初に目に入ってきたのは桜だった。私を一番いじめていた桜までも黙祷をしている。

黙祷が終わりチャイムがなりホームルームが終わった。

先生が教室から出ると。皆で一斉に顔を見会った。

「なに桜泣いてるの?」美幸が言った。

桜は「泣かないとダメな感じだったじゃん笑笑」

やっぱり、悲しんでくれないよね。

まぁいいや。私はもうこの世の人ではないから、関係ないか。

やることないや。暇。暇。暇。

もう、このクラスにいたくないし。顔も見たくない。

暇だし屋上に行ってみっよう。

その時は、浮かべることを忘れていて、

廊下の床に足はつかないけど歩いて屋上へ向かった。

屋上へ行くために通らなきゃいけない廊下は、薄暗く皆はこの廊下を

通ると幽霊が出るとか言って近づかないし、幽霊を見たと言っている人もいる。

嘘か本当かはわからないけど。

あと、ちなみにこの廊下は幽霊が出ることから

《ゴーストストリート》と呼んでいる。

だから私もこの廊下は通ったことがない。

確かに幽霊が出そう。

だけど、私がここにいるってことは本当に幽霊が出たことになる笑

この薄暗い廊下を通ってやっと、屋上へつながる階段に着いた。

この学校の屋上は生徒が登校する8時には屋上が開いている。

そして、完全下校時間の夜7時には鍵が閉まっている。

誰が毎日閉めているのかは、誰もしらない。

多分、副校長だと私は思う。

もちろん今日も鍵は開いている。

屋上へ行くと。誰か1人男がいた。

まぁ、私のことは見えないし気にすることないか。

と、思っていたけど明らかに私を見ている。

思い出した。同じクラスの男子だ。

いつも1人でいるイメージがある。

今はそれより、私を見えているか見えていないかが重要だ。

目は合っている。ためしに動いてみることにした。

な、なんで。

動いても目が合う。怖い。幽霊が見えてることのほうが怖いと思うけど

私は見られてることが怖い。

意を決して話しかけてみることにした。まぁ目が合うのは偶然だ思うから。

「見えてる?」私が発し一言に彼は、まったく動揺したそぶりを見せず

「見えてたら悪いのかよ」と返した。

見えてたら悪い、悪くない。よりも見えてるのがおかしいでしょ

「何で見えるの?」一番これが疑問だ。

数秒間が空いた。

「この世の中には霊感が強い人もそうでない人もいる。

俺は小さい頃から見えたよ。お前みたいなやつが。」

私みたいな人。

その言葉にどういう意味があったかは、わからない。

私みたいに自殺した人がたくさんいるのか、

それとも、私と同じ女がたくさんいる、ということなのか。

私はわからなかった。

「私帰るね。」彼がどう反応したかはわからないけど、何も言わず

止めなかったのだから、帰ってよい。ということなのか。

帰るねとは言ったけど帰る場所がない。

やっぱりまだここにいよう。

「私帰るところない。」と言ってみた。

もちろん彼は、「だからなんだよ」

チャイムが鳴った。

ねぇ、授業行かないの?

「今日は欠席の連絡してるから。」

「そ。なんか自由だね」

「今日は時間割嫌いだから」

まじめにいつもは見えていたから、何か意外だった、

「何時まで学校いるの?」

「他のやつに合わないように、終礼の少し前に帰る。」

1月で屋上は寒いはずなのに、平気そうにしている。

そうだ、名前思い出した。寺島 智幸だ。

「寺島君。私今のところさ、寺島くんしか私のこと見えないじゃん。だから、

話し相手になってほしい。」

告白でもないのに、こんなに緊張するなんて。

「は?だから1人じゃ寂しいから一緒にいて?ってことだろ?」

「なら、そう言えよ、別にいいけど俺の生活の邪魔するなよ」

つまり、良いってこと....だよね。

少し安心した。

「暇だし俺もう家帰るわ」

「わ、私も。」

私は寺島君の背中を追い寺島君の家へと向かった。

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叶わない恋 こってぃー @applekosa2004

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