第12話 新生魔王とネーメの日々
「ぱぁぱ! えへへ~♪ ぱぁぱ、ぱぁぱ!」
「ククク……ネーメよ。元気なのは結構だが、俺の頬をぺちぺちやるのは程々にしておくのだ」
いつもの散歩コース(……とは言っても、工房の中庭を回るだけだが)を、ネーメとともに堪能する。
この子の成長は順調だ。
抱っこしたとき、体重の変化に驚くこともある。
快眠&快食の日々を過ごし、皆の愛情を身に受けながら、日々すくすくと育っているのだ。
こうしてネーメが大いに懐いてくれたのは、先日、ペルヒタ教国と聖隷グルヴェイグ王国への外遊から帰還してからだ。
……より正確に言うならば、夢の中で妙齢のネーメに魔性の奉仕を行った、ちょうど翌日からである。
マカイノ村に帰還後、皆は驚いていた。
ネーメがスピカではなく、真っ先に俺の抱っこを欲するようになったからだ。
「あっ、魔王様にネーメ様。今日もお散歩ですね~?」
「魔王様、お疲れ様です。ネーメ様っ、お散歩よかったでちゅね~」
庭掃きメイドたちがキャッキャと寄ってくる。
俺は彼女たちに笑いかけ、
「ククク。メイドたちの間でも、すっかりネーメは人気者のようだな」
「めーどたん! やっほー♪」
笑顔で手を振るネーメに、メイドたちが『キャー!』と黄色い声を上げた。
「そりゃ~もう人気ですよ、魔王様! このカワイさ……たまりませんもの!」
「厨房のメイドたちったら、ネーメ様の離乳食研究に没頭してますからね!」
「あ、寝具担当のメイドたちも、ネーメ様のベビーベッドをグレードアップさせるんだって盛り上がってましたっけ」
『ねー!』と声を合わせる二人のメイド。
時が経つにつれ、ネーメの存在はマカイノ村に欠かせないものになってきている。
このメイドたちのように、村の人々の愛情を一身に受けているのだ。
「しかし、どうしたものか……」
俺は目を伏せ、メイドたちに聞き取られないようにつぶやいた。
ネーメが発見されてから、早いもので二月が経つ。
尋ね人チラシも、かなりの範囲に出回っているはずだ。
だが……ネーメの親に関する有力な情報は、未だ得られていない。
王立騎士団と各地の憲兵隊も調査を続けているらしいが、こちらも同じく芳しい結果は……。
『いっそ、ネーメをマカイノ村に永住させてしまうのはどうか?』
そんな意見は、会議のたびに挙がっている。
俺とて賛同してしまいそうになったが――しかし。
それが果たしてネーメの幸せに繋がるのか……確信を持てずにいる。
魔族と人間族の共存を謳っているものの、魔族は魔族、人間族は人間族に育てられた方が、より良い人格形成ができるのでは……。
そう考え、迷ってしまうのだ。
「ぱぁぱ! まぁまにあいたい!」
――おっと、お呼びがかかったか。
俺は逡巡を止め、ネーメを優しく撫でさすった。
「よかろう、工房へ戻るか。スピカ、アルテミス、グルヴェイグ、ペルヒタ、リリス……今日は全員いるぞ。誰にでも、好きなだけ甘えるがよい」
「わーい!」
ネーメの元気な返答が、俺の心をほんわかと温める。
この子に愛情を注ぎ続け、時が来るまで守り抜かなければ――。
そんな決意が自然と湧き出してくるのである。
「俺も、変わったものだな……」
苦笑を添えて、俺はネーメと工房へ戻る。
願わくば、この子の未来が幸せであふれていますように……。
……と。
父親じみた想いを抱き、優しい気持ちになっていたものの。
「こんばんは。今日も、気持ちいいこと……教えて?」
「クッ、またか!」
夜になると、妙齢に成長したネーメの夢を見てしまうのだ。
セミロングの青髪。大人と子供の狭間の女体。
そして、虚ろな瞳と無表情の顔――。
だが、このごろ変化が現れてきた。
『ここを、このように優しくつまむ。……どうだ?』
『んぅっ……先っぽ、ぴりぴりする……。ひぅんっ……おまた、熱いよぉぉ……』
『よし、今度は乳頭をこね、指先で軽く弾くぞ? ――快感に備えろ』
『わかった……。んっ、あぁぁ……っ。ッ、ッッ……ひぁぁ!!』
といった具合に、夢の中のネーメが、だんだんと性的な快感を享受できるようになってきたのである。
今となっては、胸を愛撫しても無反応だったときのことが嘘のようだ。
あの夜を懐かしく思いつつ、俺はネーメ(夢)に呼びかける。
「さて、今宵は何を知りたいのだ?」
「……おクチのご奉仕が知りたい。アルテミスがやるみたいな、ぐっぽぐっぽっていう、すごいやつ……」
「ぬぅ。あれはかなりの鍛錬が必要だぞ?」
「……そうなの?」
「うむ。まず、俺の黒光りした魔の巨塔を根元まで咥え込むのだ。そして、吸う。ひたすら吸う。口内を真空状態へ近づけたのち、頭を前後に振るようにして、大胆に奉仕するのだ。喉を使う妙技を覚えていないと、厳しいだろう」
「なんだか難しそう」
「前後運動の際には充分な吸引を怠らず、頬がへこんだ状態をキープすることが肝要だ。清楚な美貌が淫らに歪む――。それが肉膨張を促すのである」
「勉強になる……」
まあ、ここでアルテミス流の※※※※※を教え込む気はない。
夢の中とはいえ、ネーメを名乗る少女の喉に、※※※をねじ込むのは気が引けるのだ。
「でも、そっか……。私にはできないんだ……」
小さな口を尖らせ、ネーメの表情は沈み込んでしまった。
そこですかさず代案を提示するのが俺である。
「ネーメの場合は、亀※責※を覚えるのがよかろう」
「※とう……※め?」
こんなにも愛らしい少女に『※頭※め』と言わせる愉悦に、俺の下半身がピクッと喜んだ。
「……ネーメよ、もう一度だ」
「亀※責※……?」
「……よし。こちらの準備は整った。さっそく実習を始めよう」
――こんなやり取りが、夢の中で頻繁に繰り返されていった。
今やネーメは多くの性技をマスターしている。
俺との実習により、知識だけでなく、実践する力をつけているのだ。
手※キ、足コ※はもちろん、※※や※射、顔面※※、そして前回は※飲課程を修了している。
口内に精※を溜めた状態で口を開け、舌でかき回して味わうところをたっぷり俺に見せつけてから、大げさに喉を鳴らして飲み込む――。そんな妙技も丁寧に教え込んだ。
こうして。
夜は夢の中でネーメ(妙齢)と快楽を探求し、昼はマカイノ村でネーメ(赤ん坊)と遊ぶ日々が過ぎていった。
もうじきやってくる記念日を前に、俺の胸は躍っている。
画家のハイネから、ネーメを抱いたスピカの絵画が完成に近づいている、という報せが届いたのだ。
そしてネーメは、間もなく二歳になるのである――。
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