一章 高校生活8ヶ月目 2

 ホワイトクリスマス、そんな言葉を聞いたことがあるだろう。まさにそうなりそうな天気だった。


「先生、明日このまま行けば雪、ですよ。」

「ああ、このまま行けば、だな。」


私は笹軒先生と一緒にいた。いつもの誰もいない陸上部の部室で。先生には竹本のことは言っていない。ずっと、隠し続けてきた。何もかもを。竹本と何かあったことを隠すため、先生とはあれからもヤッていた。もちろん自分からはやっていない。

 ふと外を見るとあんなに色づいていた葉も落ち、学校の校庭が本当に殺風景になっていた。


「なあ、もうすぐ3年だが、勉強してるか?」

「ええ、もちろん。」

「進学...するのか?」

「いいえ。」

「そしたら就職か。」

「いいえ。」

「ん?じゃあ、何をするんだ?」

「...更生施設に入ります。」

「...!!まさか...誰に入れって言われたんだ。」

「自分の意志です。なので、入る理由はもちろん過去ですが、もう一度お世話になるので、何をしたか、しっかりと話さなければなりません。」

「...ちょっと待て、そんなことしたら俺がどうなるのか...わかってる、よな?」

「ええ。承知のうえです。」


先生はやっぱり目を充血させて怒鳴り始めた。これは予想通りだ。


「桐谷...おまえ、考えろ!言うな、あと行くな!俺が認めない!」

「先生の許可は必要ありません。高校卒業してから入りますが、その前に申請が必要なのでもうすぐ提出しにいきます。」

「おまえ、立場をわきまえろ!」

「先生が勝手にしたことであり、私は何も。」


すごい剣幕をしている先生だが、そんなのはお構いなしに部室を出た。先生の怒りは頂点を越していた。...越していたのは怒りだけではなかった。

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