一章(注)高校生活1ヶ月と1週間目 1-3

 連れて行かれた先は、父の会社。そう、父は会社の社長だった。私は当時、何が起きたのかさっぱりで連れて行かれたときは家族がこの世を去っていたことなど気づいてなかった。まだ紅に染まる葉がようよう生い茂る季節だった。

 私は、お嫁さんにしたいという馬鹿な部下のせいで連れてこられてのだから、もちろん連れて行かれた先で何をされたかはもう察しがつくと思う。当時のTVニュースではわいせつな行為として取り上げられたが、実際は強制レイプだ。と言っても英単語3文字でSから始まるあれをされたのとあまり変わらない。最初は抵抗した。が、実はヤられる前、ある薬を飲まされていた。後々わかったのだが、それはだった。それを大量に飲まされ、主犯の部下とともに部下の部下も合わせた5人にもヤられたものだから、もう警察が来たときには気を失ってもちろん全裸で倒れていたらしい。

 それから目を覚ましたのは紅の葉が舞い落ちて次の季節を向かい入れようとしていた時期だった。私はあの事件のせいでSEX中毒、またはSEX依存症になっていて、その禁断症状でもがきあがいていたらしい。その禁断症状が治るまでにかかった時間は約2年。使われた媚薬は麻薬同然のものだった。


「...ということなの。私の...裏の顔。表向きの仮面マスクを外したあと。」

「そう、だったんだ...。災難どころじゃないけど、ご愁傷様でした。」

「うん。今は父の遺産で生活してる感じ。あとは生活保護で。」

「そういやあ桐谷さん、最近顔色悪いのは...?もしかして思い出すから?」

「...ちがう。」

「え?」

「...ヤら、れた。」

「...は?」

「実は私、禁断症状、治ったけどの。」

「..........はあ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る